108.卒業生の縦のつながり・・・就活支援

 2014.10.1
市川学園理事長・学園長 古賀 正一

 10月は陰暦神無月(かんなづき)、日本気象協会の『季節のことば36選』では、「紅葉前線」「秋祭り」「冬支度」です。9月はなずな祭(学園文化祭)はじめ行事の多い月で、生徒の活動も活発でしたが、10月も中学体育祭、高校球技大会、芸術鑑賞会など生徒にとり楽しい月間です。

A.今月の話題…同窓会の就活支援;人生は20代で決まる

 昨年から始めた同窓会による『就活支援セミナー』が、9月13日(土)に開催されました。
 各分野で活躍しているOBが、後輩の大学生に就職やキャリアー開発のための話をし、少しでも自分の将来を決める一助にしてもらおうという企画です。中堅の卒業生が、1年がかりで準備を進めたもので、主に大学3年生(就活生)を対象としました。今最も忙しい世代が、手弁当で母校の後輩のために時間を割いてくれるのは、本当に有難いことです。

 内容は、基調講演で40代半ばの卒業生が、人生における20代の重要さを説いたのち、第二部は、直近の先輩(就職内定または就職1~2年)によるパネルデイスカッション『ちょっと上の先輩たちによる最近の就活事情』、そして第三部は業種別、テーマ別のグループ別懇談会を開きました。

 懇談会はメーカー、金融、商社、運輸、情報通信などの業種別と、就職基礎、女性就活、面接などのテーマ別の9グループ(テーブル)に分かれて、先輩と就活生が懇談し、且つテーブルを移動しながら、種々な話を聴き、熱心な質疑応答がされました。その後の第四部の懇親会では、さらに話がはずみ、先輩後輩の暖かい絆が結ばれたひと時でした。

 基調講演の話は、就活生にも、市川学園の生徒にも重要と思うので紹介します。
 講師は、金融関係の企業の上級管理者で、米国の心理学者メグ・ジェイ博士(Meg Jay.米国の心理学者、カウンセラー)の近著『The Defining Decade・・人生は20代で決まる』(早川書房)を引用し、彼の意見を交え後輩に素晴らしい講演をしてくれました。

 メグ・ジェイ博士は、この本の中で人生を最も決定づける出来事の80%は、35歳までに起きると述べており、「TED(注)」コンファレンスでの彼女の名プレゼンテーションが、昨年10月NHKで放送され、小職も感銘したことを覚えています。講師は、仕事、恋愛、脳と肉体の各章の主要部分を紹介をしつつ、最後に就活生のために次のようにまとめ先輩としてアドバイスしてくれました。

  1. 20代から30代にかけて、人生のわずかな期間におきる、人生そのものを左右する大きなライフイベントに対して、積極的に人生を選択し行動していくべきである。
  2. 自分の価値(Identity Capitalアイデンティティ・キャピタル)を高め、価値観の異なる別の世界の人と交流し(弱い紐帯、弱いつながりの強みと大切さ)、そして家族を選ぶべきである。
  3. 頭の中に設計図(ライフプラン)を思い描くことは大切である。だが、設計図通りに行かない場合も少なくない。
  4. そんな時のために、柔軟に設計図を書きかえる力も持って欲しい。
  5. 『そして、やがては第三教育のみが残る』のだ。市川学園で学んだ皆さんであれば、きっとできるはず。

(注)TED(Technology Entertainment Design); 米国カリフォルニア州ロングビーチで、年1回大規模な講演会(TEDコンファレンス)を主催しているグループで、講演者は著名人も多く、素晴らしいプレゼンテーションが行われる。TEDのスローガンは、広める価値のあるアイディア。NHKでも毎週録画を放映している。

 最後に小職のアドバイスを一言。今後就活の学生たちは、自分のライフワークになる職業を見つけ、職業をとおして、第三教育の自ら学び続ける力により『自らの資産』(=アイデンティティ・キャピタル)を大きく伸ばしてほしいと思います。そして20代は、大人として最も成長できる大切な時期であり、無駄に過ごさず、日々を大切にしてほしいと念願しています。

『この道より我を生かす道なし、この道を歩く(実篤)』    

B. 9月の主な学園行事および結果

1. 7日(日)保護者懇談会
 全体集会として、大学の先生で予備校のカウンセラーである講師から『受験生を持つ親の心構え』についての講演があり、分科会では各学年別の保護者同士の交流会が行われ、活発な意見交換が行われました。子供の課題、学校への期待要望などをまとめてもらい、フィードバックし更なる進歩をはかります

2. 13日(土)学園理事会・評議員会
 中期計画など議題の他、6学年の各学年主任と役員の対話会を実施し、有益な討議が行われました。

3. 13日(土)同窓会主催就活セミナー・・上記今月の話題通り。

4. 5日(金)より2学期のMOOCによる英語特別授業(高1、高2帰国生を中心とした生徒36名、校長他が指導)開始
 1学期のハーバード大学マイケル・サンデル教授による有名な『Justice』(正義)の講座に続き、2学期はハーバードとMIT合同(プラス東大)の世界初の講座『Visualizing Japan』(日本の視覚化)が始まりました。ジョン・ダワー、アンドルー・ゴードンという日本の近代史の専門家による画期的講義を聞き、それを踏まえて討議、Writingをする週2時間の授業です。尚1学期のマイケル・サンデルの正義の講座は、22名が修了証を獲得しました。

5. 27日(土)、28日(日) なずな祭
 好天に恵まれた2日間で、外来者約12,000人。なずな祭は、生徒達の自主性と創意工夫、リーダーシップとチームワークを発揮する場であり、限られた期間で目標を達成する素晴らしい機会です。また多数のお客様、卒業生、保護者に楽しんでいただき、学園ファンをつくる機会でもあります。勿論生徒達のかけがえのない青春のひと時をおおいに楽しむ日でもあります。
 生徒が個人・グループで行っている自主研究を発表する場である口述発表会では12件の発表があり、中1から高1までの全員の生徒が聴講しました。発表の内容、パワーポイントなどを駆使したプレゼンテーションの仕方が年々向上していることを感じます。
 物理部、化学部、生物部、地学部、社会部、鉄道研究部など文化系クラブの研究発表、英国、カナダ、ニュージーランド、ベトナムなど海外での国際研修報告、そして日常的な個人の自由研究発表が行われました。
 特に国際研修は、短期間であっても世界の多様性、人間の誠意などの共通性、英語を使い自己表現することの大切さなど各人の得た刺激と感動は大きく、また聴講する生徒にも十分内容が伝わったと思います。
 展示では、中3全クラスが、それぞれの教室で工夫した演劇に挑戦したことが、今年の新機軸でした。国枝記念国際ホールでの、演劇、オーケストラ、吹奏楽、マーチングバンド、合唱、古賀アリーナでのチアダンス、コミュニティ・プラザでの各種演芸、北館内庭での後夜祭などは、学園の定番として非常に人気がありました。

これまでのメッセージ:message-menu