117. アクティブ・ラーニングの具体化について

ポテロンの森

ポティロンの森にて(中1の校外学習)

2015.6.1
市川学園理事長・学園長 古賀 正一

中間考査が終わり、一学期の次のフェーズに移り、更に夏休みの種々の行事に向かって、教員も生徒も準備と選択を進める時期です。

A.今月の話題・・・アクティブ・ラーニングの具体化について

欧米先進国をお手本とし追いつけ追い越せのキャッチアップ時代から、21世紀はグローバルかつお手本のない未知の分野にチャレンジしなければならない創造の時代です。

今社会が求める人材には、①熱意・意欲、②行動力、③チームワーク力、④誠実・明るさ・素直さ、⑤課題解決力・説明力など、主体的・積極的・能動的な人間力が求められています。(2012年9月経済同友会調査)  勿論基礎的な知識の習得は前提です。

またイノベーションや時代の変化(IT化、グローバル化、少子高齢化、環境・資源問題)により、今現在ない新しい職業や職種に就く可能性が大いにあります。コンピュータに任せられる仕事はだんだんなくなり、人間らしい仕事、人間でなくてはできぬ仕事に就くことが期待されます。

その意味でアクティブ(能動的・主体的)な人材が求められ、パッシブ(受身的、指示待ち、コンピュータ的姿勢)な人間は、自己変革しなければならないでしょう。変革の時代は、ポジティブな積極的人間、プラス志向が、ネガティブな消極的人間、マイナス志向より重視されるのは言うまでもありません。

教育においても自ら学ぶ意欲、新しいことを学ぶ姿勢、仕事を通じて学び続け自分を高める態度、生涯学ぶ続ける志が必要です。

中央教育審議会が昨年末答申した、『新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体改革』は、知識技能だけでなく、それを応用する思考力、判断力、表現力をもち、更には主体性を持って多様な人々と協働する態度が必要であるとしています。

まさにアクティブな人材の育成であり、授業も、試験も生徒・学生に主体的、能動的学び即ちアクティブ・ラーニング(AL)の習得を求めています。

ALの定義は、広義には、「自ら主体的、能動的(受身でなく)に学ぶこと」であり、授業方式でも、ただ座って一方向的に聞く受身のインプット型授業以外はすべてといってもよいと思います。まさに当学園の建学の精神の第三教育、自ら学び一生涯学び続ける第三教育の精神そのものなのです。

文部科学省の用語集では、ALは、「教員による一方向的講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれ、教室内でのグループ討議、ディベート、グループ・ワークなども有効なALの方法である。(一部省略)」として、狭義のALの具体的定義を述べています。

AL型授業のキーワードは、学生・生徒の能動的主体的参加、生徒自身が考え、判断し、教え合い、表現することを促すものです。

先にも記したようにALは、第三教育を建学の精神とする学園の教育基本方針とも合致し、各教員が、実際の通常授業(高2;SSH課題研究・実験、高2;文系少人数リベラルアーツゼミ、中学;言語技術、社会・生物の一部など)や特別選択授業・ゼミ・校外研修(高2哲学書対話ゼミ『市川アカデメイア』、校長によるMOOC活用ゼミ、高1外部講師の『君達の未来ゼミ』、英国ケンブリッジ・オックスフォード大学の夏期国際研修、夏期エンパワーメントプログラムなど)などで、すでにいくつか実践しています。その評価も踏まえ更に拡大し、高大接続システムの動向を注視しながら、進学への対応へもしっかりとってまいります。

ただし従来の知識技能習得のための知識技術伝達インプット型の授業の質の向上を決して軽んじるものではありません。中期計画の施策の中で、AL拡大のために、更に下記を推進しています。

  1. ALはじめ新しい教育方法の研究・開発・推進のため教育研究部を設置(本年4月)
  2. ALの環境を更に整備すること…更なるIT環境整備、フレキシブルなAL教室環境
  3. ALを通常の授業でやるための授業コンテンツの整備…AL授業の拡大と教科内評価、従来の知識技術伝達型インプット授業とのバランス
  4. 特別授業、ゼミでのALを更に実践し評価しノウハウを蓄積すること
  5. 生徒のALへのモチベーションを向上させること…政府や民間など外部の応募事業、各種校外コンテスト、短期留学募集などへの更に積極的応募を生徒に促すこと。生徒の特技や外部との他流試合を評価すること。生徒の自宅学習への意欲を促し習慣化すること
  6. 教員のALの研究、公開授業、研究会などへの更なる支援を行うこと
  7. 新しいテストの検討状況と内容のウォッチ(高校基礎学力テスト、新センターテスト、各大学の個別選抜)と対応への不断の準備
  8. 中学・高校入試の改革の検討

B.5月の主な学園行事

  1. 7日(木) 中1から高2の校外学習と高3河合記述模試
    全校一斉行事の日として、中1ポティロンの森遠足(茨城県)、中2横浜学習、中3上野の博物館・美術館めぐり、高1総合グラウンドでのミニ運動会、高2企業・大学など45箇所訪問(グループ単位)実施。
  2. 8日(土) 市川美術会・市川市文化振興財団主催『市展』
    21名応募し書、洋画部門7名が高校生奨励賞受賞
  3. 9日(土) 本年度土曜講座スタート
    9日 東海大小沢教授『学力・体力・気力の向上は生活習慣の立て直しから』
    16日 医師・サイアメント社瀬尾代表取締役『やってみることの大切さ』
    16日 東京農工大副学長纐纈教授『2014年ノーベル物理学賞(青色LEDの発明)』
    いずれも魅力的講義。いずれの日も800名以上の参加。
  4. 11日(月) 生徒総会
    生徒会主導で全生徒により昨年度決算、本年度予算の審議・承認、生徒会活動への意見交換が行われた。今年も活発な議論が行われた。
  5. 14日(木) 避難訓練(地震、火災)
  6. 23日(土)・30日(土) 後援会総会、幹事会を実施し、新役員、幹事による27年度活動スタート
  7. 25日(月)~28日(木) 中間考査
  8. 26日(火) 中学の学校説明会(国枝記念国際ホール)
    午前・午後あわせ約900名にご参加いただいた。
  9. 26日(火) ニュージーランド提携校セントヒルダ校の新校長、国際教育担当教員来校視察。生徒・教職員が交流し、有意義なひとときだった。
  10. 30日(土) 夏の海外研修保護者会
    カナダ研修(ホームステイ);中3生希望者40名、ケンブリッジ・オクスフォード研修;中3・高1生希望者60名

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