122.生徒が自信と自己肯定感を持つ教育を

2015.11.1
市川学園理事長・学園長 古賀 正一

10月で秋の学校行事の大半は終わり、今月は高2と中3の修学旅行を残すのみで、まさに勉学の秋、読書の秋です。高3生が自分の進路に向けての真剣勝負に集中し、顔つきがしまってくるのもこの頃です。昨今は、同じ目標を持つ生徒同士が、互いに切磋琢磨し励ましあうことにより、よい結果を生む傾向があります。

 A.今月の話題・・・生徒が自信と自己肯定感をもつ教育を

本学園は、授業、各種行事、クラブ活動・生徒会活動という三位一体の学園生活の中、それぞれの生徒は自分の持ち味を生かし成長します。なずな祭、体育大会、球技大会、修学旅行、入寮合宿、合唱祭、校外活動、各種研修・研究や校内外の発表会など、授業以外にも生徒の活躍の場は広くあります。主役としてリーダシップを取る生徒、裏方での地味な支え役をこなす生徒、特技を生かす生徒など様々です。建学の精神は、『人間は皆異なる独自無双の存在であるという人間観』、『一人一人を教師がよく見て、生徒の特色を伸ばすなずな教育』、『自ら考え学ぶ力をつける第三教育』です。この精神は、すべての生徒が自信を持ち、それぞれかけがえのない人生を存分に生きてもらいたいと願うものです。

さて今年の8月28日に発表された平成26年度に実施した『高校生の生活と意識に関する調査報告書』―日本・米国・中国・韓国の比較―によれば、今までの調査の傾向(前回平成23年)と同じく、自己肯定感が他国に比べ低いことが危惧されます。スポーツや学問・研究、芸術・文化、産業・国際など各分野で、日本人のわくわくする活躍や成果が出る昨今、大人が若者の欠点ではなく美点を生かし、激励し個性を伸ばすよう仕向けることが必要だと痛感しています。日本が更に成長をめざし、質の高い国家を作るには、人材こそが財産(人財)です。次世代を担う若者のチャレンジ精神、やればできるという自信を持たせることこそが大切です。日本人は謙譲の美徳を言うが、グローバル社会では、自己肯定感は勿論、自己を表現し主張することが大切です。前向き、やってみようの精神を持った生徒を多く育てる教育こそ、日本の成功の鍵であり、将来の成長戦略です。

掲題の調査の概要について下記します。

【調査方法】
4カ国の高校1-3年生7,761人対象に実施(日本;17校1,850名)

【自分について(自己肯定感、自尊感情など)】
『人並の能力がある』『体力に自信がある』『勉強が得意な方だ』『自分の希望はいつかかなうと思う』『将来にはっきりした目標を持っている』など肯定する割合が、他の3カ国に比して最も低いのです。特に注目される『自分はダメな人間だと思うことがある』と回答した割合は、日本72.5%で、中国56.4%、米国45.1%、韓国35.2%に比べ相変わらず高く、自己評価の低さが顕著です。但し経年変化で見ると、『とてもそう思う』の割合が、2011年に比べ10.5%減少しています。(36.0%から25.5%)

【体験活動】
お年寄り、身体の不自由な人の手助け、弱いものいじめの防止や注意の体験は、米中韓に比較し少ない。

【勉強について】
進学希望について、4年制大学まで(51.9%)は、他の3カ国に比し多く、大学院修士(3.7%)・博士課程まで(1.2%)が他国に比し少ない。勉強の目的では、『将来希望の仕事に就くため』『社会の役に立つ人間になるため』は、他の3カ国に比し高い。

【親子関係】
各国とも家族との関係良好の回答が9割前後で高いが、『親を尊敬している』、『将来親の世話をしたい』の割合は他の3カ国に比し低い。

【人生の目標】
『自分が幸せと感じること』は他の3カ国同様高いが、『周囲に認められること』『金持ちになること』『高い社会的地位につくこと』は他の3カ国に比し低い。

【社会や国に対しての考え方】
『自国に暮らすことに満足』は91.5%で4カ国中最も高いが、『国のために尽くすことは大切』『国の発展は私個人の発展とつながっている』は4カ国中最も低い。

【体験活動と自己肯定感】
4カ国とも自然体験の豊富な者は、正義感・思いやりに基づく行動が多く、自尊感情意識が強い傾向。また弱い者いじめに対する注意、年寄りの手助けなど正義感・思いやりのある行動を多くした者は、自尊感情が強く、自主自立心が強い傾向がある。

上記の統計は、一般傾向を示すものですが、学園では、一人一人に活躍の場を与え、自信を持たせることに注力しています。それぞれの生徒の美点凝視です。本当に目指す第一志望の進路へ成功し自信をつけさせること、努力は必ず報われること、夢や目標を持たせることが大切です。教師の激励の一言が、いかにその後の人生に役立ったか、自信を持ったか、多くの学園卒業生が語っています。自己肯定感、自尊感情を持たせる教育こそが、今後の教育の基本と考える昨今です。

B.10月の主な学園行事・活動

  1. 4日(日)中学体育大会
    新総合グラウンドでの初の大会。生徒たちは、人工芝グラウンドでの競技に全力で取り組み心ゆくまで楽しんだ。
  2. 8日(木)、9日(金)高校体育大会
    学園の伝統行事。サッカー、ハンドボール、バスケットボール、バレーボール、卓球、ドッジボールの6種目をクラス対抗で競い青春を謳歌した。
  3. 11日(土)千葉県私学振興大会(第12回)
    私立の幼稚園、小学校、中学校、高校など約1500名の教職員、保護者が参集し、私学の振興を知事、国会議員、県議会議員に訴えた。合わせて私学のインターハイ、国体での生徒の活躍が報告された。(本校は、ハンドボール、水泳個人)
  4. 17日(土)帰国生保護者懇談会
    帰国生数も全学年で14%になり、彼らの海外生活体験は同級生にも非常によい影響を与えている。校長の基調講演、英語主任とネイティブ教員による帰国生英語教育の現状の説明後、小グループに分れ、熱心に質疑応答など行い有意義であった。
  5. 23日(金)日本赤十字社募金活動生徒の表彰
    ここ数年、なずな祭期間中の2日間にわたり生徒会役員、福祉委員会、ほっとルームなど協力して募金活動を実施している。代表者が日赤本社を訪問し、募金報告をした。校内でも協力した生徒に対してささやかな表彰式を行った。小さな善行の積み重ねが大切。
  6. 24日(土)中学校説明会
    来春の入試に向け、恒例の一日3回の説明会だったが、それぞれ古賀アリーナが一杯になる盛況で約4,000名の保護者・小学生に参加いただき、本当に有難い。教職員全員出勤で来校者をもてなした。生徒も学園生活等を説明し、また施設見学、クラブ活動視察などしてもらった。アンケートを実施したが、ほとんどの参加者が、受験予定であること、市川学園のイメージとして、明るく・活発・勢いがある、活気ある進学校、文武両道、生徒と教職員が仲がよいなどのコメントをいただいた。
  7. 25日(日)高等学校説明会
    日曜日にもかかわらず約1,000名の参加あり。恒例のとおり、校長の教育方針、学校生活、クラブ活動、入試科目の教科説明、入試の注意点など説明した。
  8. 26日(月)、27日(火)校内芸術鑑賞会(國枝記念国際ホール)
    今年は男性弦楽アンサンブル「石田組」の皆さん9名の演奏を、3回にわけ、中1、中2、高1、高3の4学年が鑑賞した。
  9. 28日(水)高2校外術鑑賞会
    電通四季劇場『海』で、最新ヒットミュージカル『アラジン』を、高2生徒全員で鑑賞。ニューヨークブロードウェイで2014年3月開幕し、大ヒット中の演目を短期間で日本に導入したもので、最後はスタンディングオベイションで拍手。※本学園では、中3・高2学年芸術鑑賞会を学外で行っており、中3生は7月に歌舞伎鑑賞会を実施済み。
  10. 31日(土)土曜講座
    日本再生医療学会理事長・東京女子医科大学特任教授岡野光夫先生の『細胞シートで難病を治す再生医療』、学園卒業生の(株)ナビタイムジャパン社長・CEO大西啓介氏の『NAVITIMEの事業戦略と学生生活から就職、社会人に至る経緯』。いずれも生徒に関心のある最先端のテーマで、チャレンジ精神と努力の大切さを強調され、大いなる刺激を与えていただいた。
  11. 国際物理論文コンテスト受賞
    今年3月の卒業生(第67回卒)の青木敦貴君がポーランド科学アカデミー主催の高校生対象の国際物理論文コンテストFirstSteptoNobelPrizeinPhysic受賞。論文は「CyclicAnalysisofPET-BottleOscillator」で、12月ポーランドに招待される。
  12. 第35回千葉県中学校新人大会野球大会で準優勝
    県下公私立390校参加、地区大会を勝ち抜いた32の代表校により競われた。惜しくも決勝で破れたが、準優勝の快挙。11月関東北信越新人野球大会に千葉県代表として出場する。

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