127.二十一世紀に生きる君たちへ ;司馬遼太郎没後20年

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市川学園理事長・学園長 古賀正一

 いよいよ新年度スタート、更なる学園の進歩・改革を推進します。例年通りの年度始めは、教員室席替え、新任者研修、各部門会議、教職員健康診断、年度方針発表会、始業式、入学式と続きます。

3月には、市川高校生として429名が卒業し、それぞれの進路に向かいました。再チャレンジするものもおり、心から応援しています。自分の本当にやりたいことを通じ、社会に貢献し、随所に主となってほしいと念願しています。やってみよう精神、困難な目標に挑戦することこそが、若さであり真の青春です。

進学は、自分の第一志望、自分の思いの大学、自分の得意や目標にあった学科のある大学に進学するのが一番ですが、入学した大学を好きになり、惚れこんで勉強してほしいと思います。

合格実績等は、学園HPの進路情報に詳しいが、代表的難関国立・私立の合格者の延べ人数(現役浪人合わせ)は、東大13名、京大3名、東工大13名、一橋大8名、慶応大110名、早稲田大135名などです。特筆すべきは、今年からできた東大推薦入試(各校・男女各1名推薦可)に、女子1名が工学部合格(東大全体で全国から172名志願し77名合格)、また千葉大の先進科学プログラム(飛び入学)に、高校2年生男子1名が合格しました。

A.今月の話題・・・二十一世紀に生きる君たちへ

今年は歴史家であり作家の司馬遼太郎没後20年です。司馬さんは、『坂の上の雲』『竜馬がゆく』『街道をゆく』『この国のかたち』など多くの作品を書き、日本の将来を常に考えた人でした。小職も好きな作家一人です。司馬さんが若い人や学生向けに書いた作品は少なく、小学校6年の教科書にも載った「二十一世紀に生きる君たちへ」と「洪庵のたいまつ」が有名です。

「二十一世紀に生きる君たちへ」は、若い人を思う名文であり、司馬さんがいかに情熱を傾けて書いたか、その原稿を見ると分ります。色鉛筆で何度も何度も推敲したあとがうかがわれます。やさしい文章ですが、深い内容です。司馬さんが言いたかったことは、つぎの3つに要約されるでしょう。

第一に、人間は自然の一部であり、自然によって生かされてきた存在であり、互いに助け合うことが必要で、決して人間だけが偉い存在だなどと傲慢になってはいけないということ。

第二に、若い人即ち君たち自身のことについてとして、自分に厳しく相手には優しく、素直で賢い自己を確立することが大切であること。未来に向け頼もしい高い心をもたなければならないこと。

第三に、助け合うためには、いたわり、他人の痛みを感じる、やさしさが必要であり、全て根っこは皆おなじ感情であること。この感情を身につけるには、他人の痛みに対し、さぞ痛いだろうな、辛いだろうなと共感する気持ちを、その都度もつための訓練が必要であること。

大人も若い人も、その素晴らしい文章を、是非読んでいただければ幸いです。今年の市川中学校326名の卒業式の挨拶で、上記の話を取り上げました。ご両親はじめ先生方やお世話になった方々への感謝の気持ちを忘れないでほしい。司馬さんの言うように人間は多くの人のおかげとご縁で生かされているのだと強調しました。

司馬さんは、文章の最後を次のように結んでいます。

「君たち。君たちはつねに晴れあがった空のように、たかだかとした心を持たねばならない。同時に、ずっしりとたくましい足どりで、大地をふみしめつつ歩かねばならない。私は、君たちの心の中の最も美しいものを見つづけながら、以上のことを書いた。書き終わって、君たちの未来が、真夏の太陽のようにかがやいているように感じた。」

司馬さんが生きておられたら、今の日本や世界の状況をどう感じられたであろうか?この「二十一世紀を生きる君たちへ」の文章は、私達に与えられた、司馬さんの遺言であり警鐘だと思います。

 B.3月の主な学園行事

  1. 2日(水)第68回高校卒業証書授与式・・・共学8期目、429名卒業。
  2. 3日(木)~8日(火)学期末試験
  3. 6日(日)新入高校生向けガイダンス
    高入生107名決定、内進生とあわせ428名が、新高校1年生となる。
  4. 9日(水)~11日(金)中学2年英語サイエンス講座
    中2希望者対象に、外部ネイティブ講師による英語で化学を学ぶ講座(実験、プレゼンテーションを含む)
  5. 高校1年第7回短編小説コンテスト
    現代文の授業で全員が短編小説を創作した。15編が最終選考に残り、最優秀賞(校長賞)、優秀賞、佳作3点を、教職員投票で選んだ。
  6. 12日(土)~27日(日)高校1年ニュージーランド国際研修
    18回目の恒例の国際研修で、生徒29名、引率教諭2名、添乗員1名参加。研修は南島オタゴ半島・ダニーデンの姉妹校、男子はジョン・マックグラッシェン・カレッジ、女子はセントヒルダ・カレジエイト・スクールで行われた。宿泊は全員ホームステイで、現地家族との交流体験も有意義。15日にはラグビー日本代表でスーパーラグビー・オタゴハイランダーズの田中文朗選手が激励訪問にみえ、生徒たちにポジティブに学ぶ事の大切さについて講演をしていただいた。
  7. 12日(土)SSH年度末報告会
    午前は約200名の小学生・保護者向けに高校生が教える理科・算数体験講座。午後は年度末の課題研究発表会で、3件の代表口頭発表と118件のポスター発表。運営委員はじめ外部の先生方も多数来校され、有益なアドバイスをいただいた。1年間のSSH活動の集大成であった。
  8. 17日(木)、18日(金)年間総括報告会議
  9. 21日(日)吹奏楽部定期演奏会
  10. 23日(水)第69回中学卒業証書授与式・・・326名卒業
  11. 24日(木)終業式、離任式
    更に在校生の年間活躍のクラブ、団体、個人に対し、同窓会長の活躍表彰を実施。この表彰は、在校生の意欲向上、在校生と同窓会の絆を深める行事である。中学、高校の卒業生には、同様の同窓会長表彰を、卒業式前日に実施した。
  12. 24日(木)新卒業生の難関大学合格体験説明会
    後輩に対し勉強の方法、目標設定、進路を決めた時期、参考書籍、健康管理、授業、先生の指導、部活との関係など多岐にわたりホットな実体験を発表。前半は、パネルディスカッション形式、後半は大学ごとの個別相談・質疑など、後輩にとり極めて有意義な会であった。
  13. 生徒休業中各種改修工事実施特に80周年事業の第一弾のアクティブラーニング用のALICEマルチルーム(南館多目的3教室の改装)、英語研究室、国語研究室の移転のための改装・整備、国枝記念国際ホールの新しいプロジェクター設置北館屋上看板の設置など新学期のための多くの整備、改修が行われた。

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