130.自分の頭で考えることの大切さ

2016tobiryu

「トビタテ!留学JAPAN高校生コース」壮行会

2016.7.1
市川学園理事長・学園長 古賀正一

早いもので学期末試験が始まり、1学期の仕上げの時期となりました。また7月20日から約40日間の夏期休暇を、生徒一人ひとりが、それぞれ有意義に、安全第一に過ごしてもらいたいと念願しています。通常の学校生活では得られない体験を大切に、一回り大きく成長してほしいと思っています。夏季休暇は、自ら計画を立てること、新しいことに挑戦してみること、時間を有意義に効果的に使うことを学ぶまたとない機会です。

A.今月の話題・・・自分の頭で考えることの大切さ

21世紀型教育は、自分の頭で考える思考力・判断力・説明力を重視した能動的学修即ちアクティブ・ラーニング(AL)が重視されています。ALの成功には、4つの要素が必要と思います。

第一は、アクテイブな生徒の存在と育成です。自ら考え、主体性を持ち、積極的に授業に参加する生徒を如何にして多く育てるか、主体性と興味を鼓舞し、考える力をつけさせるか、教育の急務の課題であり、ALの目標です。

第二はアクテイブな先生です。工夫を凝らした魅力的授業を行い、熱意と研究意欲があり、学び続ける先生が必要です。学園にいる多くのアクテイブな先生の存在は大きいです。

第三は、アクテイブな教育内容です。旧来のやり方にとらわれない生徒参加型授業、自主的行事、校外活動などです。ALのための教材や提示物、デジタル教材、映像、生徒への課題、グループ討議の用意など、コンテンツが必要です。

第四は、ALに適した設備・環境です。本校では今春完成したAL用のマルチルーム3室(各々2面にプロジェクタ付黒板と白板、42台のタブレット端末:LTEタブレット接続、持ち運び可能なミニホワイトボード装備)は、すでに英語、国語、社会、理科の授業で、参加型AL授業としてフルに活用されています。

ICTは教育変革をもたらす有力なツールであり、ICTに使われるのではなく、ICTを使いこなすことが重要です。80周年事業ALICEの設備・環境は、マルチルーム(上記)、旗艦となるメインルーム(本格的なAL室で、両面プロジェクタ付き白板とPC42台、WiFi環境と共に、フレキシブルな配置のできる机と椅子)は来年3月完成予定です。更に一般教室へのAL設備の拡大を図ります。

本学園ALの目標は、真にアクテイブな生徒を育成し、中期計画目標の「国際社会の各分野で活躍するリーダを輩出する」ことです。国の高大接続一体改革の最大の眼目は、知識・技能をベースに、思考力・判断力・表現力があり、主体性を持ち多様な人と協働できる「アクテイブな人材」の育成であり、本学「第三教育の達人」とまさに一致します。

さて、アクテイブ人材の大切さについては、200万部のベストセラーとなった外山滋比古氏の『思考の整理学(ちくま文庫)』の冒頭のエッセイ「グライダー」で、見事に洞察されています。新しい創造には、自分で物事を考える飛行機能力が不可欠で、特にコンピュータ時代にこそ重要であることを、30年前に喝破しています。「グライダー」の要旨は下記のとおりです。

  1. 生徒は、先生と教科書にひっぱられて勉強する。自学自習ということばはあるが、独力で知識を得るのではない。いわばグライダーのようなもので、自力で飛び上がることはできない。学校はグライダー人間の訓練所で、従順さが必要で、勝手に飛び上がる飛行機人間は作らない。グライダー人間として成績の良い人間が、卒業論文を書けといわれるとてこずる。自分でテーマをもち考えるのは苦手である。
  2. 人間には、グライダー能力と飛行機能力がある。受動的に知識を得るのが前者、自分で物事を発見、発明するのが後者である。両者は一人の人間の中に同居し、共に必要。現実は、飛行機能力がまるでないグライダー優秀者が多く、学校は飛行機能力を育てる努力が足りない。
  3. 明治以来、日本の知識人は欧米で咲いた知識の花を取り入れてきた。自前の花を咲かせるには、根のことを考えるべき。新しい文化の創造には、飛行機能力が不可欠である。
  4. グライダー兼飛行機人間を作るには如何にすればよいか。コンピュターという飛びぬけたグライダー能力が現れたゆえに、自分で飛べない人間は、仕事を奪われる。

外山滋比古氏は、知の巨人であり、92歳にして毎朝地下鉄に乗って皇居前に行き社会を知り、若い人との交流も多いとのことです。老いて学ぶ「高齢化社会の生き方」のお手本です。

B.6月の主な学園のトピックス

  1. 1日(水)-3日(金)中3英語集中研修
    恒例の中3全員の英語合宿集中プログラム。国立オリンピック記念青少年総合センタで、2グループに分かれ1泊2日の研修。少人数の生徒とネイティブ教師による集中対話研修。英語環境に身をおくこと、英語を使う意欲と自信をつけること、シンガポール修学旅行への準備、チームワークなどを目的とする。少人数研修の効果が大である。これをきっかけに、英語を聴く、話す意欲の向上を期待する。
  2. 3日(金)高2駿台第一回全国模試校内実施・・英・数・国各100分
  3. 4日(土)土曜講座(聴講者;607名)
    「現代社会における教養」;東大および国際基督教大学名誉教授村上陽一郎先生
    「これからの国土のすがた」;元国土交通省事務次官、芝浦工業大学客員教授谷口博昭先生
  4. 4日(土)夏休み海外研修説明会
    英国ケンブリッジ大学、オクスフォード大学、カナダでの研修に加え、今年から英国イートン・カレッジが加わり、総勢122名参加することになった。他にUCLAやハーバード大など著名大学の学生を本校に招いて行う5日間の英語集中プログラム「エンパワーメント・プログラム」の参加者92名を含め、214名の生徒が夏の国際研修に参加する。内中3;72名、高1;126名、高2;16名。
  5. 4日(土)留学キャラバン@千葉(主催;NPO法人留学フェローシップ)
    名門米国大学へ留学している日本人学生のボランテイア活動で、全国を回る。海外大学を決めた理由、海外大学の生活などに関する全体プレゼンの後、受験概要、奨学金、国別比較、寮生活、併願などのテーマ別説明会、個別相談会を実施。中1-高3の生徒・保護者、他校の生徒・教員含め80名参加。
  6. 10日(金)日出学園にて市川市の私学中・高8校の理事長・校長トップ会議
  7. 11日(土)土曜講座(聴講者364名)
    「想定外の時代を生き抜く」;鈴木寛文部科学省補佐官
  8. 11日(土)「トビタテ!留学JAPAN高校生コース」壮行会
    文科省霞ヶ関庁舎にて壮行会、事前研修会が行われ全国から日本代表の高校生が一堂に会した。本校の6名の代表生徒も参加し、本校高1の男子生徒が全体の代表者として留学への思いを述べた。馳文科大臣を囲んでの懇親パーティーでは、初対面ではあるが志を同じくする高校生同士すぐに打ち解け合う姿が見受けられた。本校生徒は来月中旬より順次世界各国に飛び立つ。
  9. 12日(日)-19日(日)中国政府日本教職員招聘プログラム
    芳賀教諭を派遣。北京、寧夏回族自治区銀川市、上海の学校訪問と教育関係者と交流。
  10. 15日(水)市川学園主催英語研修会
    市川地区の英語教員向けに文科省英語教育推進リーダー中央研修を受講した山本教諭の授業と質疑を実施。
  11. 19日(日)千葉県私立中学校進学フェアー
    千葉県私立中学高等学校協会が主催する恒例のフェアー。23校が参加し、千葉工業大学で実施。受験希望の保護者・小学生約4,000人参加。安田教育研究所の安田理氏による「グローバル化時代の子育てと中学受験」と題する基調講演と各校の模擬授業、説明会、個別面談などを実施。
  12. 17日(金)アメリカ人高校生マイケル・トーヒグ君来校
    8月よりアメリカに留学する本校高校生の交換留学生として7月末まで日本に滞在。滞在中は本校に聴講生として登校し、授業やクラブ活動に参加。

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