132.創立者と英国イートン校国際研修

eton

英国イートン校にて

2016.9.1
市川学園理事長・学園長 古賀正一

2学期スタート、校門で生徒の元気な声を聞き、日焼けした顔を見ると勇気づけられます。正規の授業を離れた43日間、それぞれの計画に従った有意義な夏休みであり、大きく成長してくれたと確信しています。リオ・オリンピックの日本選手の活躍も生徒達に大きな刺激となり、目標への努力と最後まであきらめない姿勢を学んだと思います。

A.今月の話題・・・英国イートン校国際研修に思う

今夏から国際研修に、念願の英国パブリックスクールの代表校であるイートン校(イートンカレッジEtonCollege)の研修が加わりました。

創立者古賀米吉が、英国留学中に、イートン校を訪問し、その自由・自立の精神と一方では規律・自己規制の厳しさに感銘を受け、市川学園創立の理念の一つとなりました。「紳士たれ」という教え、自ら学ぶ第三教育、自主性の尊重、テーブルマナーと英語教育の重視などにもあらわれています。

世の中は、出会いと人間同士の関係で始まり、ご縁の大切さを感じます。この研修の実現も昨年小職が友人の子息の結婚パーティに招待され、そこでイートンカレッジ日本事務所の代表者にお目にかかる機会を得て意気投合したことに端を発しました。イートン校が主催し、同校キャンパスでイートン校の先生及び卒業生など関係者による夏のプログラムの紹介を受け、校内検討で決定し、急遽今年から参加することになりました。語学、文化、歴史のみでなく、イートン校の教育も体験できるプログラムです。

イートン校は英国のパブリックスクール(私立全寮制中等教育学校。かつては男子校のみであったが、現在は共学もあり)の代表校で、13歳から18歳の男子生徒約1300人(各学年250人)の規模で、25のハウスと呼ばれる寮に分かれ、教師(ハウスマスター)と共に寄宿しています。1440年ヘンリー6世により創立されました。多くの生徒が、ケンブリッジ、オクスフォード大学に進学しています。19人の歴代首相(前首相キャメロン含む)、ウイリアム・へンリー両王子など有名人が多く、各界に人材を輩出しています。

『イートン校の教育哲学は、自由で寛容、個人主義的であるが排他的ではなく、そして能力主義的である。更にこの哲学は2つの原則によって支えられている。生徒たちは、教室で学ぶのと同じかそれ以上に教室の外でも学ぶこと、そして生徒たちは教師から学ぶと同じかそれ以上にお互いからも学ぶこと。』とイートン校トニー・リトル校長は述べています。(ABOUT  ETON;A・ニコルソン、E・アンダーソン、高月壮平監訳)

古賀米吉は、85年前の英国留学中にイートン校を訪問、制服である燕尾服に山高帽の生徒たちに出会い、その紳士的振る舞い、町の店や食堂でも付けで支払う信頼関係、一方で教室の落書きなど青少年のいたずら茶目っ気にも感銘。また英語教師として日本で習ってきた文法どおりの英語が、キングズ・イングリッシュという正統英語の生徒に通じることに驚いたといいます。

今回は中3から高2の男女22名と教員1名が参加。日本から同時参加の他校とも交流しながら、19日間の充実したプログラムをこなしました。毎日、現地の引率教師から送られてくるレポートには生徒それぞれが大きな良き刺激を受けた様子が記されていました。午前の語学研修とともに午後や夜の課外活動や遠足・小旅行も印象に残ったと思います。

註1:パブリックスクールについて

イギリス(イングランド、ウエールズ)の中等教育学校は、公立のステート・スクールと私立のインディペンデント・スクールに大別される。パブリックスクールは、このインディペンデント・スクールの中で、教育の質、内容、設備の水準が一定水準以上とみなされる全日制全寮制の学校で、現在では、200あまりの学校が『パブリックスクール団体』に属する。但し卓越した学校は20数校といわれ、中でもイートン、ハーロウ、ウェストミンスター、ウインチェスター、ラグビー、マーチャント・ティーラーズ、セントポールズ、シュルーズベリー、チャーターハウスの9校が名門で、『ザ・ナイン』と呼ばれる。もともと男子校であったが、現在ラグビー、ウェストミンスターなど歴史的名門校で共学化した学校もある。私立でプライベートの名称をつかわずパブリックを使うのは、非営利団体(非課税)で、営利の企業と区別するためとのことである。

註2:パブリックスクールの生活

古い本であるが、名著とされている岩波新書池田潔著『自由と規律―イギリスの学校生活―』がある。

B.8月の主な学園のトピックス

  1. 1日(月)―5日(金)エンパワーメントプログラム
    英語対話、課題発表の少人数集中授業。海外有名大学の学生と生徒4~5人の語学研修で、アクティブラーニングそのものであり、積極的思考も養う。今回から、スタンダードとアドバンストの2種のコースを作った。初日の自己紹介のときに比べ5日目のプレゼンテーションの際の活発さ、自信は見違えるようである。終了後もこの学びの姿勢を続けてほしい。参加は高1、高2合同で89名。
    ※詳しくは昨年の当コラムをご参照ください。
    http://www.ichigaku.ac.jp/schoolinformation/nazuna/120-1/
  2. 9日(火)-17日(水)高3大勉強会  校内で個別自主学習。計画と実行。
  3. 15日(月)-17日(水)高2集中勉強会  本校の一宮学舎で個別自主学習。
  4. 24日(水)-30日(火)夏期講習ターム3(高3はターム4)
  5. 27日(土)卒業生激励会
    恒例の浪人生激励会でカレーライスを、昨年の高3教員が心をこめてつくり、浪人生にふるまう。全員で食し、希望の進学を祈念した。
  6. 28日(日)オーケストラ部サマーコンサート
    習志野文化ホールでの実施が恒例になった。シベリウス『交響詩フィンランディア』、ベートーヴェン『レオノーレ序曲3番』他。
  7. 31日(水) SSHタイ交流校関係者12名来校
    毎年恒例のプリンセスチュラボン高校との相互交流活動。今回は5名の先生方と7名の生徒を迎え、9月4日(日)まで合同研修会を実施。7名の生徒は、それぞれ中1から高2の本校生徒宅にホームステイ。
  8. 海外研修
    それぞれ無事且つ非常に有意義な研修と海外体験を終え帰国。参加生徒にとり、忘れられぬ思い出とかけがえのない財産になったと確信。
    英国イートン校研修  7月20日~8月7日、中3~高2生徒22名、引率教師1名
    カナダ研修(ホームステイと英語研修)  8月3日~19日、中3生徒40名、引率教師2名
    英国オックスフォード大学研修  8月17日~28日、中3~高1生徒30名、引率教師2名
    英国ケンブリッジ大学研修  8月17日~28日、中3~高1生徒30名、引率教師2名
  9. 部活の夏休み中の活躍の主なもの
    ①水泳部  全国高校総体女子50M自由形第2位(高1)
    ②中学男子硬式テニス部  千葉県硬式テニス総合体育大会団体戦第4位
    ③中学軟式野球部  千葉県中学校野球大会第3位
    ④中学ハンドボール部  千葉県総合体育大会優勝(2年連続7度目)
    ⑤応援部 全国中学高等学校ミスダンスドリル2016  中学プロップ部門/ソングリーダー部門第1位 同高校POMlarge部門第2位
    ⑥軽音学部  第4回全国軽音楽コンテスト千葉県大会(決勝戦)奨励賞
    ⑦囲碁将棋部  第40回全国高等学校総合文化祭広島大会将棋部門ベスト16
    ⑧中学卓球部  千葉県中学校総合体育大会男子ダブルスの部第3位
    ⑨音楽部  第71回千葉県合唱コンクール高等学校Aの部銀賞
    ⑩吹奏楽部  第58回千葉県吹奏楽コンクール中学生の部金賞、高校生の部銀賞
    ⑪SSH  化学グランプリ2016  銀賞(高2男子)

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