134.オープンクラス(自主的公開授業)

授業風景32016.11.1
市川学園理事長・学園長 古賀正一

学校教育に重要な要素は沢山ありますが、最優先は授業でありましょう。勿論生徒は、授業以外に、クラス運営、校外活動や行事、クラブ活動などで学ぶことも多く、それらを通じても成長します。また教師から学ぶ以外に、友人から、先輩から学ぶことも多いことは確かですし、最も大切なのは学園の建学の精神である『自ら考え学ぶ第三教育』です。

しかし中学・高校の学校生活の大半の時間は、良い教師から授業を通じて学ぶことに費やされることは、論を待ちません。一方教師の仕事も多岐にわたりますが、最も重要なのは、その教師の授業の内容と生徒から見ての魅力度であり、授業の準備に大半の時間を費やさねばなりません。忙しいクラブ活動の顧問をやっているから、多忙な校務分掌を担当しているからと言って、授業準備が不十分であるとか、授業の質を落とすことは絶対にあってはならないのです。

授業の内容も授業の方法も、不易の基本はあるにしても、時代と共に大きく変わりつつあります。内容も十数年前と異なり新しい内容も多く付加されていますし、次の学習指導要領(2020年度小学校から順次導入)では、大きく変わってきます。また授業方法も従来の一方向の知識伝達型だけでなく、知識を投入し、理解のための演習・討議をし、そして理解度を発表する方式や課題研究や課題論文作成など、主体的能動的学びであるアクティブ・ラーニング型の授業、生徒参加型の授業が増えてきています。また黒板とチョークによる板書中心の教育から、電子黒板やタブレット端末/PC端末やWiFiなどICT活用の教育も急速に進んできています。

そのため、教師の主体的学びや研究、オン・ザ・ジョブ研修(日々の授業や教育活動を通じての学び)とともに授業を離れての不断のオフ・ザ・ジョブの研修・研究(校内、校外)が極めて重要です。身近で極めて重要なのは、他の教師の授業を見て参考にしたり、自分の授業を見てもらいアドバイスを得る、互いに授業を題材に研究的に意見を述べ合い切磋琢磨することです。

当学園は、『教師が学びあう共同体』として、以前から日常的な授業公開を実施しています。このたび、経験の多寡、年齢などを問わず、気軽に『オープンクラス(自主的公開授業)』として、学びのための授業公開を自主的・積極的に実施しています。教科をこえ、専任から非常勤講師まで、ベテランから新入1年の教師まで学びを加速するため、自分が指定した授業を教師の誰でもが見学できるシステムをつくりました。自主的という意味は、校長や教科主任から指示されることなく、自発的に自分が見てもらいたい授業の時間、場所、教科科目などを教職員室のボードに書くだけで、教案を配る必要もありません。見学するほうも、出入り自由です。見学者は、教室入口に貼ってある紙に名前を書くだけです。

まだ、開始から2ヶ月弱ですが、現状は次の通りです。

教師は極めて通常通りありのままに授業を行い、見学者も教科を超えて増えています。9月の14日間の状況は、オープンクラス授業者は35名、オープンクラス数57コマ(1人で2コマ以上あり)、見学者は58名、累計175名でした。1日平均3人の教師による4コマの授業がオープンクラスとして実施され、1日平均4名の見学者が延べ13コマ見学していることになり、かなり成果が上がっています。その後もオープンクラスは増えており、『継続こそ力なり』です。特に本人が主体的に申し出れば、オープンクラス・プラス(自主的公開授業プラス研究会)として、授業後の研究討議をすることも実施しています。

また特定のテーマについて、教育研究部が日時を設定し、自由参加の教育研究会(通称チャットルーム)も積極的に実施しています。勿論従来からの初年次研修、10年次研修、全教員向け年3回のなずなセミナー、教科別研修会、校外の研修なども活性化しています。

このオープンクラスが、切磋琢磨する学びあいの文化として根づき、教師個人個人が輝く市川学園として、更に飛躍の起爆剤となることを期待しています。

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