145.各学年の創意工夫こそ学園の牽引力

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市川学園理事長・学園長 古賀正一

2学期は学校行事が多く、生徒も教職員も多忙ではあるが活発に活動し、学園生活を充実させる時期です。なずな祭(文化祭9/16-17)、保護者交流会(9/24)にはじまり、中学体育大会(10/1)、高校球技大会(10/5-6)、高2沖縄修学旅行(11/1-4)、中3シンガポール修学旅行(11/20-)、そして今年は創立80周年記念イベント(11/12,12/20)と続きます。今年から1週間早くなったなずな祭も無事終了。台風接近の中、2日間約12000人の方々にご来校いただきました。後援会主催の保護者交流会は、全学年にわたる保護者(中学が多いが)が集まり、校長挨拶、第Ⅰ部『最新大学入試情報と保護者の心構え』の講演後、第Ⅱ部では50の小グループに分かれ交流会(学年を超えた交流)を行い、互いの経験や課題など話し合いました。理事長、校長以下幹部も手分けして全グループを回り、保護者の要望や意見を聞くよい機会でした。

さて学校の組織は、学年を縦糸に、教科が横糸に、さらに校務分掌の教務部、生徒部、進路指導部、広報部などと生徒会・クラブが斜めの糸となり構成されます。学校方針や共通施策、共通行事など全学年にかかわるものは、「学園年度予定表(学事暦)」として学園全体の整合性をとり推進しますが、一方学年主導の企画も多々あり重要です。

教員室は学年単位に配置されています。朝の全体朝礼の後、直ちに学年朝礼を学年主任リードのもと実施し、情報を共有し、ホームルームに教員が散って行く姿は、朝の活力ある風景です。

6名の学年主任は、極めて要職であり、小さな学校の校長にも匹敵するものです。学年の方針・施策は、主任のリーダシップ、学年教員団のチームワークの下、個性ある運営がなされています。

又学年間もよい意味での競い合い、切磋琢磨が大切です。中学は、学年主任がクラス担任を兼務しますが、高校は学年主任が主任専任の場合もあります。学年は、学年主任の名前で呼ぶことが多々あります。(例えば佐藤学年など)特に過去のことを引用する場合は便利です。

ロングホームルーム、夏期講習、朝の時間の活用、小行事、学期末試験から終業式までの活用など、その学年の創意工夫による自由な企画が実行されます。保護者・生徒への学年の方針、個別連絡など、通常は『なずなネット』を活用しますが、更に学期に数回発行される『学年通信』も興味深く、それぞれ工夫が凝らされ、必読の情報が満載です。この学年通信の表題も下記のように、それぞれの学年主任の思いがこめられています。

中学1年・・・羅針盤(コンパス)
中学2年・・・ステップアップ
中学3年・・・正正の旗 堂々の陣
高校1年・・・輝きをともに
高校2年・・・Self-Independent
高校3年・・・Higher Higher! (より高く、もっと高く)

又新しい試みや改革が、特定の学年からまずスタートすることが通常です。例えば、今年度から新しく学年に導入されたものとして、中1の夏期学校は、「西湖・富士山地区研修」として8クラス一斉に2泊3日で実施しました(従来は一宮学舎2クラスづつ4クルーでの夏期学校)。中3には生徒全員に個人用タブレットを導入し、新しい授業と共に自宅での学習も可能となりました。

高1には、理科・社会を含む5教科入試の高入生が入学しました。高2・高3には、2時間連続5日間の『プレミアム講座』が導入され、また高2から、日本総合研究所会長寺島実郎先生(市川学園特別顧問)の特別講座・ゼミ『日本の現在と未来;どう生きるか』の導入、高1・高2に夏の国際研修として『米国ボストン(MIT/ハーバード大学)・ダートマス大学研修』が導入されるなど、新しい試みが続々となされました。

初めて実施するトップランナーの学年は、次年度に続く学年のためにも詳細な報告、改善課題を出してもらい、次の学年へのノウハウ伝達など連携を密にしています。

最後に学年主任の思いの一例として、中学1年の学年通信に書かれた学年主任のことば『中学一年の五カ条』をあげます。中学1年生の基本姿勢を、1年生にもよく分かるよう示したもので、建学の精神やこれからの時代に必要な学びの基本が、短いことばの中に凝縮されています。カッコ内は、小職のコメントです。

一、人と違っていい、失敗していい。
(建学の精神の独自無双の人間観、個性の尊重です。失敗を恐れるな、失敗は経験、まさに今必要なチャレンジ精神に結びつきます。)

一、常に根拠・原因を求め、本質を理解する。
(学問に向かう真摯な態度、今後必要な思考力、判断力を身につける基本です。)

一、分らないことは自分で調べて考えてみる。わかったら面白くなる。
(自ら学び調べる第三教育の心構えです。わかることで学びが楽しくなり、次の学びや好奇心に結びつくのです。)

一、ものの見方は一つとは限らない、違う視点から見る。
(頭をやわらかく、違った角度で見ると全く景色が違う。多様な人、多様な考えに謙虚に学ぶ姿勢です。)

一、自分で表現する。特に書く力を重視する。
(これからの教育では表現する、発表することが極めて重要。論理的に書く力は、リベラルアーツの基礎であり、中高、入試、大学、社会で不可欠なスキル。)

この五カ条を、生徒たちが学び会得し実践することにより、大きく成長することを期待しています。

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