157.保護者同士の交流と学園とのきずな

DSC_48412018.10.1
市川学園理事長・学園長 古賀正一

先日なずな祭(文化祭)で、多数の保護者や卒業生とお会いしましたが、何人かの方からHPにある毎月の理事長の『なずなメッセージ』を楽しみにしていますとのお話があり、有難く、続けようという意欲を強くしました。

生徒は、授業で学ぶと同時に行事や部活や対外発表など種々の体験からも学びます。また教師から学ぶと同時に、友人や学校外の方からも学び、進歩します。学園は生徒が活躍できる多数のメニューを用意しています。学校が楽しくないのは、画一的であること、強制的であること、自らを伸ばすチャンスが少ないこと、人と比較し過ぎること、教師と生徒・生徒同士の闊達な人間関係がないことなどが原因です。市川学園は常に生徒が成長を実感できる楽しい学園を目指しています。2学期は、授業、行事、ゼミ、対外活動も多く、大いにチャレンジし、また学園の外にも出かけて行ってほしいと思っています。

さて、保護者の皆さんに出来るだけ学園の教育方針・内容、教育改革、生徒の活動実態を知ってもらい、また保護者の課題やニーズを吸い上げるシステムは、極めて重要で、常々工夫し改善しています。その中の一つが毎年恒例の『保護者交流会』です。今年も9月23日(日)午後約500人の保護者のみなさんに集まっていただきました。

第一部は、国枝記念國際ホールで、『最新のアクテイブ・ラーニング(AL)授業~中1から高3まで~』と題し、本校AL授業の先端実践例を4名の教諭(地理、理科、英語、歴史)がプレゼンテーション。更に校長のコーディネイトのもとパネル討議を実施し、保護者の皆さんが熱心に参加していただきました。第一部の4つのプレゼンテーションは次のようなもので、いずれもパワーポイント、画像、映像を使った魅力的な特色あるものでした。

1)社会科におけるICT機器を使ったAL(中2、中3、高2地理担当の教諭)

なぜALを行うのかの全体的説明あり。中1地理2単位、中2地理2単位、中3公民3単位のうちそれぞれ1単位分を、地理AL、公民ALとし、知識をインプットする授業に加えて、発表・議論などアウトプット型の授業を行っている。その実践例として、中3の公民は、1学期は正解が複数ある問題に対して、根拠を持って自分の意見を述べ、他者と意見交換する授業(例:今後日本では開発と自然保護のどちらを進めるべきか?など)をした。2学期は刑事裁判を使った法教育(例:模擬裁判など)、3学期は公民教科書の中から自分でテーマを選び1,600字程度の小論文を書き、論集を作成している。教師は、小論文330人分の添削をする。またAL授業の定期考査における評価例も説明。ALのためには中1~高3まで、書かせ添削するWritngが極めて重要。

2)ホワイトボードを用いた協働的学習~知っていること・できることをどう使うか(中1理科、高1・高3化学担当教諭)

文科省の指針の思考力・判断力・表現力即ち[知っていること・できることをどう使うか]が、従来の学習法でないALである。そのため協働的問題解決学習が重要である。生徒同士の対話、情報・知識の共有、課題に対する解決法の議論を通じ、自分の足りないものを学ぶ姿勢をつくる。問題解決の課題は、魅力的コンテンツが必要(例えば、水18gの中の水の分子の数が天文学的に大きい値だと実感できるような問題をつくってみよう、など)。協働的問題解決にホワイトボード(まなボード)活用し、4人1組で協働学習。メリットは、ICTより準備が楽、コストが安い、複数人で考える道具として導入しやすい。勿論ICTとの併用も行う。

3)中学・高校英語でのALに求めること(高2英語、高2LAゼミ担当)

現在の高2まで各学年でのALを実践・体験してきた。英語を使っての英語授業に注力。中2では生徒のペアワークで話す・聞く習慣をつけ、中3で話すテーマを拡大(自分のことから、社会や世界のこと)し、高1では、4人1組での協働学習を通じ4技能を身につけさせる。高2LAゼミでは、[BigHistory]をテーマに、使える英語のインプットと内容重視のライティング指導実施。アウトプットのためには、大量のインプットと内容重視のライティングが不可欠。(英語を英語のまま理解)4技能バランスよく教えることが重要。

4)書ける!日本史~日本史論述ゼミ(高2・高3日本史担当)

難関国立2次試験向け高3論述力養成講座は、ALがいっぱいある。知識は学んでいることを前提(知識重要)に、生徒をどんどん指名し回答させ、生徒が書いた文(試験問題の場合は解答)を電子黒板に表示し、互いに見合うことが重要。教師はその場で添削。同僚教師とも議論し、教え合い、教師のスキルアップと切磋琢磨をしている。

保護者からの多くの反響をいただき、ALの具体的理解、授業の変革、教員の努力・工夫・情熱、インプット(知識)・アウトプットともに重要、学園の先進性などがよく分かり、非常に有意義だったとの感想が寄せられました。今回の新しい試みは、大成功だったと思います。

続く第二部は、各教室に別れ学年・クラスを超えた小グループ(7~9人)単位での情報交換・交流、先輩保護者からのアドバイスなど意見交換会を行いました。その間理事長・校長・副校長・法人本部長の幹部が分担し全てのグループをまわり、質疑応答、学園への要望、意見交換、コメント・アドバイスなど闊達に行いました。

小職も10のグループを回り、積極的に意見聴取、意見交換を行いました。グループ単位での意見、学園への要望は、主催する後援会がまとめ学園に提示されます。学園はそれらを項目別に分類し、項目ごとに説明、対応、施策など回答をとりまとめ、後日なずなネットで「報告・回答集」を全保護者に伝わるようにしています。

また、先輩の保護者の経験談、学園6年間の教育や行事の理解、学業とクラブ活動の両立など、有益な対話が行われました。この交換会の要望等で、学園の改善が行われることも多々あります。

最後に保護者とのコミュニケーションの機会は、この交流会以外に勿論いろいろな場があります。一例は以下の通りです。

  1. 各学年別保護者会(全体集会、学年方針、各クラス別)DSC_4926
  2. 個別三者面談(保護者、生徒、教員)
  3. 後援会総会、幹事会、役員会、各種委員会
  4. なずなネット(学校と保護者の双方向ネット)
  5. VOICE(目安箱)…生徒・保護者が意見や提言など紙ベースで出す
  6. 帰国生保護者会、各クラブ活動保護者会
  7. 私学振興大会後の保護者懇談会     

などです。

保護者の意見や家庭での生徒の状況などは、ステークホルダの声として、極めて大切で、常に学園の経営、教育、施策に役立てています。    

これまでのメッセージ:message-menu