162.SSH校に指定された10年の成果…次への飛躍を目指して

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市川学園理事長・学園長 古賀正一

 3月は卒業・別れの季節です。今年は高校71期、共学11回、平成最後の卒業生をおくりだします。卒業式はコメンスメント、新しい出発です。卒業生414名の門出を祝しつつ、教職員にとっては、別れに一抹の寂しさを伴う日々です。

さて学園は、2009年度(H21年度)より、文部科学省からSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定をうけ、2期10年の成果をあげてきました。現在SSHは204校ですが、更に卓越した理系人材の育成のため、SSHを増やす計画とのことで、本校は2期の成果をもとに、3期目の申請(2019年度~2023年度)をすでに行ったところです。

本校のSSHの開発目標は、生徒の課題研究(市川サイエンス)と教職員の探究的授業研究(実験中心)の2本柱ですが、課題研究は学園に定着し、その発表は、3月のアカデミックデイに集約され、口述発表とポスター発表がおこなわれます。また国内外の外部コンテストの発表でも、優秀な成績をおさめてきました。

授業研究は、毎年理科・数学系授業を中心に国語など他教科を含め実施し、授業研究会には全国から70名以上の先生方が来校し、有意義な交流を進めています。私立・公立を問わず、授業の改善に切磋琢磨するのは、日本の教育発展のため極めて重要なことです。その意味で文科省のSSHの施策は、学校間(SSH以外の学校を含め)の交流と切磋琢磨を促し、極めて有意義だと思います。

今年度も2月16日に、2018年度授業研究会『探求的な授業を目指して』を実施しました。開会式(20180216ssh 2校長挨拶、学園SSHの概要説明)に続き、公開授業を実施(物理、化学、生物、数学、国語、学年は中1、中3、高1、高2)しました。更に午後は、公開授業(5教科)ごとの分科会をおこない、公開授業を通じての活発な意見交換を行ないました。

最後の全体会として、基調講演『探究的な学習の意義とその方法』(岡本尚也氏)、事例紹介『SSネット課題研究指導研究会の取り組み』(県立長生高校)、事例紹介『物理授業の取り組みの一例』(市川学園)が行われました。アンケートでも、極めて高い評価をいただきました。

本学園SSH10年間の主な成果は次の通りです。

  1. 課題研究テーマ数
    ○ H21年度;27件、H22年度;61件、H30年度;137件(生徒数249人)。
    H21年度は、希望者のみで実施し、H22年度以降は、高2理系全員が必修。少人数での研究グループが多くなり、テーマ数も多くなった。
  2.  外部発表における生徒の受賞数
    ○ H21年度;2件、H22年度;6件、H27年度;31件、H29年度;28件。
    受賞暦の主なものは、2015 JSEC(高校生科学技術チャレンジ)花王賞、2016 IntelISEF(國際科学技術フェア)日本代表、2016・2018化学グランプリ銀賞、2016千葉大学理科研究発表会最優秀賞、2017Intel ISEF Grand Award(化学部門2等)など。
  3.  外部発表会への参加グループ数
    ○ H21年度;9、H22年度;49、H29年度;171、H30年度;150。
    外部発表への参加グループ数が課題テーマ数を上回っているのは、多くのグループが外部で1回以上発表しているためである。
  4. 大学・企業・研究所・博物館での研修
    東大、東工大、東京農工大、千葉大、早大など12大学39研究室、東芝、花王、清水建設など10企業、産業技術総合研究所など7研究所、千葉中央博物館など2博物館と連携した。
  5. 授業研究会
    H24年度から毎年実施し、全国より70名以上の先生方(SSH以外も含め)が来校。研究会テーマは、授業のあり方、評価、生活につながる理科教育、アクティブ・ラーニング、科学史に学ぶ、探究的授業を目指してなど。
  6. 世界トップ200大学(東大、京大、東工大、阪大、東北大。理系・文系、現役・既卒含む)への進学者数が顕著に増加した。
    H22年度;10名、H23年度;18名、H28年度;51名、H29年度;46名、東大、京大、阪大の推薦合格、千葉大飛び級などもあり。又研究職をめざす人間も増加。
  7. 市川学園オリジナル・テキスト
    物理2種、生物実験書、化学実験書を作成した。
  8. 国際交流
    中国、ニュージーランド、タイ王国、オランダ、香港の高校との相互交流。特にタイ王国のチュラボーン王女科学校(チョンブリ)とは、毎年相互交流し、発表会を続けている。
  9. 小学生対象講座
    H22年度より、本校生徒が小学生に理科・数学の実験や体験を教える講座を毎年2回(7月、3月)に行っている。H30年度までにのべ約3500人の小学生に理科・数学の面白さを伝えた。

最後に、第3期のSSHでは、引き続き探究的な授業と課題研究を基盤として、

  1. 自分で自分を教育(第三教育)し、自立した研究者を育成するプログラムを開発すること。
  2. 高校2年理系を中心としてきたプログラムを高1以下低学年に拡張し、データ分析、論理的思考力、表現力、コミュニケーション力の育成方法とその効果を検証すること。
  3. 更に学園全教科でSSHの発想を広げていくこと

などに注力したいと思っています。

※  学園のSSHについて、詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。http://www.ichigaku.ac.jp/ssh/

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