169.行事を通しての学び…なずな祭に思う

2019 nazuna fes2019.10.01
市川学園理事長・学園長 古賀正一

秋は勉学の秋と共に、行事も多く生徒がそれぞれの役割で、思い切り活躍する時期です。すでに最大行事のなずな祭(文化祭)を終え、お蔭様で来場者2日間約13,000人の盛況でした。

卒業生、生徒、保護者は勿論のこと、近隣の皆様、受験予定のお子さんや保護者の方々など、学園に関心を持つ多くの方々に参加していただきました。中学体育大会も多くの保護者が観戦の中、生徒たちが存分力を発揮しました。10月には高校球技大会、中2京都奈良研修旅行、芸術鑑賞会、11月には高2沖縄修学旅行、中3シンガポール修学旅行と行事は続きます。

学園は学校行事を通して、生徒が自ら計画を立て主体性を持ってプロジェクトを遂行することにより、リーダーシップ・フォロワーシップを習得すること、成功・失敗体験・悩みを通して課題解決力を身につけることを重視しています。これらは建学の精神である第三教育実践の一環です。

学園の教育は、授業で学ぶことと並行して、授業外で学ぶこと、生徒同士で学び合う事が多いのが特徴です。行事の計画段階から生徒が企画し、役割を分担し、計画、事前準備、行事当日の実行と推進、行事後の会議での反省・改善点・注意事項などを次年度へ引継ぎます。社会のいろいろなプロジェクトの推進と同様に、ミッションを明確に、役割を分担し、リーダーのもとプロジェクトの成功を期して、チームとして頑張ります。

リーダーになること、スタッフになること、フォロワーになること、更に行事実行の中での主役や支援役などになることで、味わう成功の喜びと達成感はかけがえのないものです。卒業生の集まりでは、行事に熱意を燃やした青春の思い出を語ることが多いものです。

さて今年のなずな祭を例にとり、行事の内容やプロジェクトの推進の流れを概観してみます。

A. なずな祭の内容

なずな祭の今年のテーマは、『時間旅行』。実行委員長のメッセージにあるように、元号が令和に改まった今こそ、いままでを振り返り、未来の展望を考えようという思いが込められています。

文化祭は、皆で楽しむ祭りの要素と文化活動の発表の場という二つの要素があります。 クラス単位、文化系の部活、グループや個人としての参加があり、大いに自己表現をする場でもあります。ポスターやパンフレットも年毎に特色があります。

展示部門では、1年から5年の全クラスが展示を行い、6年中心の屋台での調理販売、文化系のクラブ、山岳部など72団体が参加しました。更に中学作品展、口述研究発表会、図書委員会(第三教育センター展示)、入試相談室も行われました。

口述研究発表会は、従来ALICE特別教室で実施してきましたが、今年は参観し易い普通教室で行い、2日間34のテーマを発表、来場者は昨年の3倍でした。更に本格的口述発表は、来年3月のアカデミックデイに国枝記念国際ホールで行い、中1~高1の全生徒が聴講します。

人気の屋台は、ぶたまん、フランクフルトソーセージ、焼き鳥、焼きそば、たい焼き、たこ焼きなどいずれも完売でした。検便など衛生面でも万全の体制をとっています。

今年から支払いは電子マネー決裁とし、SUICA,PASMOなど12電子マネーが使用でき、業務改革が行われました。

ステージ部門は、例年通りオーケストラ部、吹奏楽部、音楽部、演劇部の演奏・演技が国枝記念国際ホールで行われ、聴衆を魅了しました。また応援部、体操部、剣道部の発表は古賀アリーナで行われ盛況でした。

学芸部門は、コミュニティプラザでの学芸会ですが、ダンス、バンド、ピアノ、パフォーマンスなど、2日間28組の若者らしい情熱的パフォーマンスで、大盛況でした。後夜祭は、北館中庭で軽音楽バンドの演奏と共に盛り上がりました。

来校者の投票によるなずな大賞は、1年1組と吹奏楽部でした。

B.なずな祭プロジェクトの推進

さて、なずな祭は、単発行事でなく、伝統的に生徒が主体で1年間を通して準備するものと位置づけています。なずな祭終了後、早速9月末に、反省会を行い、次年度の実行委員会の各部幹部メンバー(高1以下)が決まり、先輩からの引き継ぎを行いました。

組織としては、文化祭実行委員会(責任者、副責任者)のもと、装飾部、ステージ部、学芸部、口述部、食品部、展示部、編集部、広報部があります。

半年間は準備計画期間です。その間に基本方針・テーマの決定や新企画の決定、予算、ポスターの公募と完成、マニュアルなどを決めます。4月に新学期を迎え、生徒への説明活動、外部への広報活動や具体的検討・準備を加速し、各参加団体のテーマ・内容が5月末には決まります。

夏休みを中心に準備、役割が更に加速され、2学期の最初の2週間が追い込みで、前日はなずな祭準備日として展示・演技リハーサルなど全てを夕方6時までに完成させます。

社会のプロジェクトには必ず期限があり、ベストを尽くし期限・納期を守ることが不可欠であり、学生時代の行事プロジェクトの体験は貴重です。また各部のリーダーは、多くの意見のとりまとめ、合意形成、アイディア発掘、協力体制の構築、スケジュール管理など苦労はありますが、これこそが貴重な体験です。

今年は他校の文化祭や他校との交流の『集まれ文実』にも生徒が参加し、来年度は更に素晴らしいなずな祭を期待しています。

『生徒たちは教室の中で学ぶと同じかそれ以上に教室の外でも学ぶこと。そして教師から学ぶと同じかそれ以上にお互いからも学ぶこと。』(英国イートン校の哲学と原則;ABOUT ETONから)

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