171.学園の価値である3本の柱・・・建学の精神、卓越した教育、同窓生の活躍

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市川学園理事長・学園長 古賀正一

高校・大学・大学入試一体改革の中で、2020年度大学入学共通テストのうち英語民間試験の見送りが突然発表され、さらに国語・数学の記述テストについても多くの問題点の指摘で混迷し、高校教育現場に混乱を招いています。教員・生徒が戸惑わぬよう、関係機関(文科省、大学等)の早急な具体的な解決と対策が必要です。

高校教育において英語の4技能の力(特に話す・書く)を格段に向上させること、日本語の読解力と表現力をしっかり身につけることは、これからの時代を生きるための教育の急務です。そのため英語4技能の教育、英語による英語教育、能動的学習(AL)の実践やICTの活用、更に学習指導要領の改訂への対応などの本質を見失わぬことが重要です。本来大学入試改革だけでなく、高校教育・大学教育含めた教育一体改革であるはずでした。教育は21世紀の中核を担い世界で活躍できる生徒のためにあるので、教育改革は一歩たりとも止めることはできません。

学園は、現在の高2生の英語外部模試テスト(GTEC)の4技能トータルの成績で、CEFER(外国語学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠)のB1(B:自立した言語使用者)以上がすでに過半数をこえています。また構造読解や論文指導、生徒の発表機会の増大、AL的授業の拡大など大学入学共通テスト、大学2次試験で求められること、さらに論文作成、科学実験、課題研究、グループ学習など大学入学後にも必要な学びを、積極的に授業や授業外で取り入れています。

さて、私立学校の価値・評価は、3つの柱からなると思います。すなわち「①建学の精神の実践と持続的経営」「②時代にあった卓越した教育と生徒の成長」「③卒業生の社会での貢献と同窓会の力」だと思います。表面的には、進学実績(特に東大の合格者数)や入試の偏差値が種々参照されますが、それだけで学校の価値は決まりません。勿論私学として保護者・受験生から選ばれることは死活的に重要で、そのための努力は不可欠です。

①について、本学建学の精神は時代を先取りしています。
即ち第1の独自無双の人間観(人間一人一人かけがえない二つとない存在)は、現在の人間尊重、人権重視の精神そのものです。第2のなずな教育即ちひとりひとりをよく見て得意を伸ばす教育は、教育の理想である個人個人にあった個の教育であり、ICTの活用で具体的に実現が可能になりました。第3の自ら学び考え生涯学び続ける第三教育は、AI時代に最も必要な自ら主体的に学び考える能動的学習(AL)の基本の考えです。

②は学園のリベラルアーツ教育と5つの力の習得即ち学力、教養力、科学力、グローバル力、人間力を高める教育実践で、教職員の研修・研究と常に新しい授業にチャレンジし、学び合うことから生まれています。また生徒が、授業だけでなく学校行事や部活、外部の種々のコンテスト等に参加することを奨励し、成果を上げ、生徒自身が大きく成長しています。

③は創立以来82年卒業生約39,000人を輩出し、すでに社会の多くの分野で貢献し、かつ現在も社会の中核を担っています。また学園は同窓会の結束力が強く、同窓会の物心両面での支援と同窓生の年代を超えた交流が、大きな強みになっています。同窓会は、14の支部が活動の中心で、年1回の総会としての理事会・幹事会で活動方針を決めます。

また各卒業年次の会、部活動のOB・OG会も活発です。学園への支援は、土曜講座を始め各種講演・ゼミなどの講師、模擬裁判、キャリアセミナー、生徒の活動表彰など多彩です。年に1回のHCD(ホームカミングデイ)は同窓生が母校を思い集う大行事です。

11月10日に行われた今年のホームカミングデイ(HCD)について、具体的に紹介しましょう。今回は卒業回期の末尾に1の数字のつく高校21回生から71回生(19年3月卒)が当番年次幹事として計画を推進してきました(翌年は2の年次)。午前中は、同窓会が主催する現役大学生に対しての就職キャリアセミナー、12時~13時が、卒業年次ごと教室にあつまり旧交を温め写真撮影をし、その後HCDの全体会のスケジュールです。

卒業生やその家族約500名が参加し、理事長・校長の挨拶、学園紹介(今年は硬式野球部5連勝、千葉県8強に入った思い出の映像を中心の説明)、同窓会の活動紹介、その後メインの生徒の発表・演技、最後に校歌斉唱、同窓会長挨拶で締めくくり、約3時間にわたる全体会が終了しました。

中でも生徒の発表のうち、今年ドイツで開催された『暗算ワールドカップ』世界大会で優勝した中学3年I君のプレゼンと暗算の速さは圧巻でした。同窓会事務局長からの出題3問は、7桁のルート計算(創立日1937415のルート)、8桁かける8桁の計算、市川学園100周年2037年4月15日の曜日計算で、いずれもたちどころに正解を出す力に感動しました。

更に恒例の応援部のチアダンス、オーケストラ部、吹奏楽部の演奏は人気の的でした。総合司会の演劇部の生徒の卓越した司会力と臨機応変の話術には、卒業生が感心していました。

最後に校歌を生徒たちとともに歌い、卒業生の満足げに母校を去る姿を見送りながら、学園の成長と歴史の積み重ねを思いつつ、感謝の一日でした。

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