15.言葉との出会いと人生

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言葉との出会いと人生

理事長・校長 古賀正一

2007 3. 1

3月、進学に就職にむけ、若い人の巣立ちの季節になりました。

夢と希望に胸ふくらませ、少し不安を持ち、新しい世界に飛びこもうとする姿、美しいものです。

さて人生は多くの出会いの連続です。人との出会い、本、自然、芸術との出会い、仕事や喜びとの出会い、病気・災難や悲しみとの出会いなど、全て偶然にみえますが、何かの縁と思わざるを得ないことが多々あります。
言葉や本の中の名言との出会いは、特に悩んでいる時、迷っている時などに勇気づけられるものです。一つの言葉が人生を変えるほどの影響を与えることもあります。まさに言葉の威力でありましょう。

市川学園に来られた方は、お気づきなったと思うが、正門の左手、北門の右手など校内7箇所に『今週の言葉』が掲示され、毎週新しくなっています。6年前に旧校舎の正門左手の掲示板に、『今週の言葉』が掲示されて以来続いているものです。国語科の岩元重雄教諭が始めたもので、以来生徒指導・人間教育部の仕事として続いているものです。
多くの生徒、卒業生を勇気づけてきた学園自慢の一つです。何事でもそうですが、一年やることは容易だが、十年続けることは難しく、続けることにより効果もでてきます。まさに継続こそ力です。人間教育の一環とし、ホームルームなどでも活用しています。勿論感動する言葉や箴言は、人により、経験や心の持ち様により異なるのは当然であります。

私も人生のいろいろな場面で、勇気づけられる言葉に出会いました。
日本、中国、西欧の古典、俳句や短歌や小説、講演会や人との対話、新聞のコラム/記事、放送番組などで、人生に必要な知恵、感動する言葉、力のある章句に出会う喜びは格別であります。

それは広い海岸で、綺麗な石に出会う喜びに似ています。

もし書き留めないでいると、波にさらわれ一瞬のうちに無くなってしまいます。自分の心に響く言葉を小さなノートに書きとめ、原典にあたり、更に取っておくべき言葉は白いノートに書き集めています。このノートは自分ひとりの宝物ですが、若い人へ分けてあげたい気がします。 東西の古典、世界の各界のリーダや偉人の言葉は、本物の仕事と真剣勝負に裏打ちされており、特に力があります。

『今週の言葉』は、人間教育のよき題材であり、人間のあり方を考える上でも重要です。将来市川学園名言集を作ってもよいと思っています。(現在は毎年その年の『言葉』を小冊子にしています)
創立者古賀米吉の著書にも、箴言や俳句、短歌の引用が多いことはご存知のとおりです。

最後に私の好きな言葉のいくつかを列挙します。

タフでなければ生きて行けない、優しくなければ生きている資格がない
~R・チャンドラー

積小為大 ~二宮尊徳

いのちいっぱい自分の花を、一生勉強一生青春 ~相田みつを

大切なのはただ生きるだけでなく善く生きること
~プラトン(クリトンとの対話)

一隅を照らすものこれ国宝なり
~伝教大師『山家学生式』

ことに日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり
~殷の湯王『大学』

人間のあらゆる性質の中で最良のものは誠実である
~C・ヒルティ『眠られぬ夜のために』

足るを知るものは富む ~老子『老子』

人間は生きてきたように老い、老いてきたように死んでいく
~早川一光(元堀川病院長)

天は自ら助くる者を助く
~サミュエル・スマイルズ『自助論』、B.フランクリン