41.大変な時代こそチャレンジ精神を…土光敏夫氏に学ぶ

なずなメッセージ

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大変な時代こそチャレンジ精神を~土光敏夫氏に学ぶ

理事長・学園長
     古 賀 正 一

2009. 1.1

新年おめでとうございます。

 昨年の米国発の金融危機が世界に拡散し、実体経済に及び、日本でも有数の基幹産業である自動車、電子・電機などの優良企業が軒並み業績悪化、赤字転落を余儀なくされた。大変なときこそ各企業の自助努力とともに、政府の役割は大きい。過去の歴史の中でいろいろな危機があったが克服してきた。黒船来航による開国、明治維新、世界大恐慌、太平洋戦争と戦後の窮乏、2度のオイルショック、バブル経済の崩壊と金融危機などがあった。危機、不況、波乱のとき如何に前向きに対処するか、施策をどう打つかで未来が変わってくる。今こそ日本の特色を生かし、イノーベーションを推進し、環境、省エネ、バイオ、エネルギーなどの先端技術分野で世界の主導権をとるべきであろう。

 若い人に希望と夢、新しいことにチャレンジする精神を持たせるためには、国としての大きなビジョンと具体的な目標が必要である。資源のない日本は、科学技術立国でなければならず、未来への投資である研究開発と教育投資の拡大が是非とも必要である。

 大変な時代こそ、私学も危機をチャンス(chance)とし、改善工夫し変革を続ける(change)、困難なことにチャレンジ(challenge)する3Cの気概が必要である。経済環境の悪化は私学には逆風であるが、創意工夫は無限であり、困難をチャンスとし卓越した教育を目指し、公立より数歩先行し変革をすすめ、保護者・生徒から選ばれねばならない。

 昨年末岡山の私立の名門校で、教職員の方々に『私学の変革に終わりなし』の講演をした。岡山は小職の敬愛する土光敏夫氏の出身地である。あらためて激変の時代の今こそ土光さんのようなリーダーが必要と痛感した。

 土光さんは石川島播磨重工(IHI)の社長、東芝の社長、経団連会長、臨時行政改革推進審議会会長など歴任され、世のため人のために尽くされた。また常に困難にチャレンジすることを求めた。小職は土光さんが昭和40年に東芝の社長に就任され、青梅にコンピュータの専門工場を建設のおりその謦咳に接し、チャレンジ精神と率先垂範に感銘した。その後の自分の生き方に大きな影響を受けた。「めざしの土光」といわれるほど私生活は清貧であった。国鉄、電電公社、専売公社の民営化(今のJR,NTT,JT)を推進された。増税なしの行政改革、財政再建、地方の行政改革、特殊法人の行政改革など現在日本が直面している課題を全て指摘されている。真の自由主義論者であった。母上の創立した女子学園の理事長もされ教育にも関心が深かったが、更に人間の能力に限りない信頼をおき、能力の開発は無限と常にチャレンジを続けられた。経営者であると同時に真の教育者であった。人間礼賛、チャレンジ精神、教育に関する土光語録の一部をあげたい。(括弧は古賀の注)

* 真の教育は自己啓発にその基礎をおいている(まさに市川の第三教育である)

* 人の長所をみて育てることが重要(日本人は短所ばかり見ることが多い)

* 教育は人間を創ること、松ノ木は松ノ木に育てよ(得意を伸ばす)

* 魅力のある人とは、他人の個性を十分引き出せる人(教育の原点)

* 根性(仕事や学問への欲の強さと持続力)が差をつける(あきらめないこと)

* 人間は、失敗を契機に変わるものだ(失敗は人間を成長させる)

* 頭脳を鍛錬せよ、使えば使うほど大きく豊かになる(人間の能力開発は無限)

 終わりに市川学園は、今年第二次中期計画(平成21年度-26年度)をスタートさせ、更なる卓越した存在感のある学校を目指す。6日制、教職員の教育力向上、理数教育の拡大、真の英語力、国際性、人間教育などやるべきことは多い。

 立派な生徒を育てることこそが、21世紀の日本を創ると確信し、教職員協力して変革にチャレンジし続けたい。

参考資料;『なずなメッセージ11(市川学園HP) 土光さんと日々新たなり』

      『土光敏夫信念の言葉(PHP研究所)』

      『経営の行動指針(土光敏夫著、産能大学出版部)』

      『土光敏夫の経営哲学(笠間哲人、山手書房)』