51.市川サイエンス(SSH)で生徒がかわる:第三教育の実践

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市川サイエンス(SSH)で生徒がかわる:第三教育の実践

理事長・学園長
    古 賀  正 一

2009.12.1

 文部科学省からSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受け、市川サイエンスがスタートし8ヶ月が過ぎました。この間の教頭、理科主任をはじめ関連教員の努力は素晴らしいものがありました。また参加した生徒のモチベーションもあがり、自発的に調査探求し、発表する姿は感動的です。今生徒もかわり、飛躍しようとしています。教師も非常に刺激を受けています。まさに第三教育の実践です。

 SSHは、国の科学技術政策として、指定校が理数の卓越した教育の実践と研究を通じ、成果を公表し普及させることを目的としています。当校ではSSHを市川サイエンスと名づけ、理科系志望のみならず文科系志望の生徒も参加しています。

 今年度は高校2年生76名が定常参加し、物理、生物、化学にわかれ、実験や論文作成、発表にチャレンジしています。理科が中心ですが、数学、英語、社会も参加し校長以下全校あげて推進しています。

 先週11月24日、27日今年度の中間発表会を校内で行い、運営委員会(委員長;松永是東京農工大学副学長他、外部委員4名)の先生方、JST(日本科学技術振興機構)の先生、本学園理事・評議員の方々にもおいでいただきました。生徒からの質問も多く大変活発でした。2日間27のテーマの発表、物理7件、化学7件、生物10件、地学2件、数学1件でありました。

 テーマの例は、

物理; けん玉の実験、炎の物理化学実験、物体の共鳴、ペルチェ素子など

化学; 燃料電池の作成と実験、大気の汚れと酸性雨など

生物; 調整池と大柏川の水生生物の調査、学校周辺の河川の水質調査、化学物質がメダカの発生に及ぼす影響など

地学; 構造土を室内で再現など

数学; 数学によるパズルの解析     

でした。

 まだ探求の端緒についたばかりのテーマが多いが、課題を自分で選び調べ験し考え、面白さを体験し、生徒の目の色も変わり自発的です。教職員が先行他校の発表会に参加し、他校のやり方成果を研究、他校との交流が多くなり、沢山の刺激も受けています。いわば他流試合ができ切磋琢磨の機会が多くなりました。この8ヶ月の活動内容の概要を示します。

1、 1学期(4月-7月)の活動;

 毎週火曜日の6時限7時限を使って高校2年生、3年生100名に、物理、生物、化学の3科目の実験スキルの向上、理数のモデルをたて検討することに取り組んだ。物理は、粉粒体、共鳴、プランク定数、化学は食品色素、気体の分子量、生物は、グラム染色、フナムシをテーマとした。ポスターでの発表も3回行い、最後は英語でプレゼンテーションを行った。

2、 夏休み中の活動;

 JST主催のSSH指定校全国発表大会、高大連携として東京大学、千葉大学、東京農工大学、慶応大学、早稲田大学の研究室を訪問し、指導を受けた。また産業界との連携では、東芝科学館、東芝情報機器を訪問した。博物館との連携では、千葉中央博物館を見学し水生昆虫学の研究説明、収蔵庫の見学を行った。また白神山地にて渓流の石の調査、ブナ林の調査、マタギの話を伺った。

3、 他校SSH発表会への参加(主として教職員);

 静岡県立清水東高校、青森県立八戸北高校、京都市立堀川高校、茨城県立水戸第二高校、立命館科学教育の国際シンポジウム、筑波大学付属駒場高校、岡山一宮高校など10校見学し、教職員との交流が多く非常に有意義であった。

4、 2学期以降の取り組み; 

 自由研究課題について、生徒が個人およびグループとして研究活動をスタートし、すでに説明した中間発表会を実施し、3月末成果発表会を実施する。

 東大のポスドク、フェロウD.バッカム博士による培養神経細胞の科学とアート(学習・記憶・創造力)の講演が全て英語で行われ、生徒に感銘と刺激を与えた。活発な英語での質疑もあった。また金城講師による秋の物理特別実験10テーマ(100年前のノーベル賞研究の実験再現)指導が行われた。音速測定、ヤング実験、ホール効果、電子と比電荷測定、光電効果など

5、 中学生、高校1年生への市川サイエンス次年度募集をスタートした。研究・探究活動コース、科学オリンピックコースで募集中である。