72.アスペン・ジュニア・セミナー参加決定…古典熟読と対話の学び

なずなメッセージ

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アスペン・ジュニア・セミナー参加決定…古典熟読と対話の学び

理事長・学園長
古 賀  正 一

2011.10.1

 9月の主要行事である保護者懇談会(全体会、地域別懇談会)、なずな祭(文化祭)が無事終了しました。保護者懇談会は、後援会・学園共同主催で9月11日(日)に開催。後援会長、理事長、校長、教頭の説明後、質疑応答を実施し、その後16の教室に別れ地域別懇談会が実施されました。高校3年など高学年の保護者の経験を中学の保護者が聞くなど有意義な懇談会でした。事前の質問への回答集なども配布し、更に地域別に出た質問や要望もまとめ今後の学園経営や教育、部活動に生かしてまいりたいと思っています。

 9月24日(土)、25日(日)のなずな祭は、天候にも恵まれ、約1万人の保護者、卒業生、受験生、学園関係者、地域の方々などが来場し、生徒の展示、イベントや演奏など楽しんでいただきました。第一日目の学園伝統の口述研究発表会(中1~高1)は、近年重要視されているプレゼンテーション能力を磨く場、課題研究や考える訓練に最適な場です。また発表を関心や疑問を持って聴く訓練にもなります。海外研修や海外体験の報告、地域や現場に出かけての実地調査活動、各種の課題研究など12件が発表され、パワーポイントの作成力、内容ともに充実したものでした。

 このほかに各教室の工夫を凝らした展示やだしもの、國枝記念国際ホールでの演劇、ブラスバンド演奏、合唱、オーケストラ演奏、学校説明会、古賀記念アリーナでのチアーダンス、自主作成映画、コミュニティプラザでの学芸会など多彩でした。屋台の軽食販売(おにぎり、カレー、肉まん、焼きそば、たこ焼き、フランクフルとなど)は大人気でした。文化祭実行委員会を中心に、このプロジェクトの計画から実行を通じ、生徒達は協力すること、アイディアを出すこと、人間関係の大切さ、感謝の心など多くのことを学んだと思います。

 さて昨年朝日新聞主催の『どくしょ甲子園』最優秀賞受賞の縁で、高校生による古典の熟読対話の読書会『アスペン・ジュニア・セミナー』(日本アスペン研究所主催)の視察の機会がありました。事前に熟読してきた古典教材を通じ、高校生による意見や対話を通し、善く生きる、学びと労働、大切にしたい価値など人生に重要な課題を深く考える場です。対話を通して自分の視野を広げ、判断力を高め、本質を知り、困難に直面したときの決断の一助になるとしています。古典を徹底的に読み込むことで高い読解力を得、正解のない事柄に対し自分の頭で徹底的に考え抜く経験にもなります。

 モデレータと呼ばれる進行役の著名な先生、リソースパーソンと呼ばれるその道の専門の先生は、時々考え理解するポイントを示唆したりします。しかし大半は生徒相互の発言と対話であり、他校の生徒と知的に交流しあうのも刺激的です。小職が視察したときは、旧約聖書『創世記』でしたが、円卓に座った生徒達が自分の思うことを活発に発言しあう姿は感動的でした。討論でなく対話ですから、相手を打ち負かすのではなく、自分の思うことをしっかり表現し、他者の違った意見にも耳傾ける傾聴の精神もあり、非常に活性化したセミナーでした。

 今年度は、この『アスペン・ジュニア・セミナー』に当学園も選ばれ、高校2年生3人が、11月から1月まで計3日(日曜または祝日)参加します。扱う古典文献は『旧約聖書創世記』『福沢諭吉 文明論之概略』『森鴎外 かのように』『カント 実用的見地における人間学』『ソポクレース アンティゴネー』『プロティノス エネアデス』などです。一つの文献の対話を90分、一日2文献、合計6文献を学びます。参加する生徒には、自分で考えたことを積極的に簡明に発表すること、知的な時間を同年代の他校の生徒と共有し自分を高める機会にすること、学園内で友人にもこの体験を話してもらうことを期待しています。今年度選ばれ参加する学校は17校、いずれも教育に卓越した私立10校、公立7校です。

 最後にアスペン研究所について説明しておきます。米国アスペン研究所はコロラド州アスペンに1950年設立された国際的な非営利シンクタンク・教育組織です。アスペン(Aspen)は標高2400m、人口約5000人、避暑地やスキーリゾートとして有名で、樹木のAspen(ポプラの一種)に由来する名前です。エグゼクティブのセミナーや政府への政策提言活動を通し、リーダーシップや開かれた対話の啓発に注力しています。現在本部は、ワシントンDC.にあります。

 日本アスペン研究所は、高い見識を持つ各界リーダーを育成するため、米国アスペン研究所の協力を得て、1998年財界を中心に設立、現在一般社団法人です。(港区六本木、理事長小林陽太郎) 古典を熟読し対話を通じて経営者が学びあうアスペン・エグゼクティブ・セミナーを中核に、次のリーダー養成のためのヤング・エグゼクティブ・セミナーもあります。すでに両セミナー合計参加者は1200人を超え、多くの上場企業トップや各界リーダーを輩出しています。創立10周年記念事業としてアスペン・ジュニア・セミナーがスタートしました。将来世界で活躍する高校生を対象に、古典に親しみ、思考を深めることを学んで欲しいという願いが、この社会貢献活動に強く込められています。