77.卒業するということ・・・責任と義務

なずなメッセージ

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卒業するということ…責任と義務

理事長・学園長
古 賀  正 一

2012.3.6

 3月は卒業の季節、新しい出発(はじまり)に向けて別れの季節でもあります。別れはさびしいが、一方更なる成長と飛躍への区切りでもあり、次の出会いの機会でもあります。生徒諸君には、これからの長い人生、多くの友人を持ち、人に支えられ、また人のお役に立つことを通じ、人間関係を豊かなかけがえのない財産にしてもらいたいと思っています。昨今の日本を考える時、生徒諸君が活躍する20年後30年後に向け、責任と義務をしっかり果たす自立した人間に育つよう自分を鍛えて欲しいと強く念願しています。

 3月5日(月)に第64回市川高等学校卒業証書授与式(共学4回目)を挙行し、430名の卒業生を送り出しました。一人一人顔が輝き希望に満ち、友人、教職員、お世話になった方々との別れを惜しみました。また後援会主催の心のこもった謝恩会が続き、小雨の寒い日でしたが心は温かく、教職員にとり達成感のある至福の一日でした。多謝。

 卒業生諸君『夢を持ち、困難にチャレンジし、世界にはばたけ』

 小職の卒業式の挨拶の要旨を以下に記述します。


 430名の卒業生諸君卒業おめでとう。諸君は共学4期目で、市川学園の新しい校風の基礎を築いてくれました。学業は勿論、交友、クラブ活動や生徒会、様々な行事の体験が、諸君の今日の人格をつくっています。目標を高くもち、目指す学問や職業の道にチャレンジし、努力してほしい。努力は必ず報われます。諸君の強みは、若さと積極的なチャレンジ精神でしょう。失敗しても再度チャレンジできるのが若さの特権です。アメリカの詩人サミュエル・ウルマンは、『青春とは人生の一時期を言うのではなく、常に前向きにチャレンジする心の若さを言うのだ』といっています。

 昨年の東日本大震災とそれに続く原発事故は、物的損失だけでなく、愛する人との別れなど大きな悲しみ苦しみを与え、まさに国難でありました。諸君も状況を見聞し、被災者の方々の痛み、苦しみを自分のことのように感じたことと思います。日本人の固有の精神即ち助け合い、忍耐強さ、責任感、絆など海外からも高く評価されました。しかし復興はこれからです。寒さの中さぞつらいだろうなと思う気持ちを持ち続け、忘れないことが諸君の優しい思いやりの心を確かなものにします。これから諸君は強く逞しく生きて行かねばならないが、一方優しさ・思いやりを忘れては人間としての資格がないと思います。

 諸君が活躍する20年後30年後は、世界の人口が80億人をこえ、地球環境を更に真剣に考えねばなりません。新興国が成長し、多様化多極化する時代です。アジアの重要性は益々大きくなります。日本は資源が乏しく人が財産です。今までもこれからも科学技術や創意工夫で富を築き国を発展させなければ生き残れません。日本は先進的少子高齢化社会であり、課題先進国です。過去幾多の困難を日本人は克服してきました。国も個人も、自助、自立の精神で一人一人が役割を分担し努力することこそが諸問題解決の道です。

 将来の日本は諸君の双肩にかかっています。諸君は大きな自由と権利を得ることになるが、同時に責任と義務もまた大きくなります。自立した人間とは、まず自らの責任と義務をしっかり果たす人間です。そのためには常に自ら学ぶ本学第三教育の精神をベースに随所に主となることです。どんな場に立っても自分が率先して行い、自ら主人公になってください。傍観者であったり、過剰な依存心をもち、責任を他に転嫁することは恥ずべきことです。

 遠く古代ギリシャやローマ帝国の没落は、人が責任よりパンとサーカスつまり食糧と娯楽の権利を求め続け、欲望を肥大化させ、平等主義とエゴイズムの氾濫が原因だと歴史は語っています。歴史に学ぶことは多く、非常に大切です。

 グローバル時代、諸君の活躍する場は日本国内だけでなく世界に広がります。教養を広め専門性を深め、語学力をつけ多様性を認める国際的な視点を持ってください。同時に家族、地域を愛し、日本の歴史文化をよく知り国を愛することは、最も大切な基本です。

 最後に諸君はご両親はじめ多くのお世話になった方々への感謝の気持ちを忘れないでほしい。人間は一人では決して生きられない。多くの人のおかげとご縁で生かされているのです。諸君の未来が、希望に満ち輝くことを信じ、ご参列の皆様のご健勝を祈念します。