79.学問の森への入門・・・いかに生きるべきか

なずなメッセージ

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学問の森への入門・・・いかに生きるべきか 

理事長・学園長
     古 賀 正 一

2012. 5. 1

 新年度4月9日(月)入学式(中学332名、高校450名)、翌日からの中学1年、中学2年、中学3年の春期セミナー、学年・クラス別保護者懇談会、全校一斉健康診断など一連の行事を無事終え、5月28日の中間試験までは、落ち着いた授業の季節、部活の季節になります。新学期と共に教科書もシラバス(授業計画)も新しくなりました。シラバスの緒言に『学問の森への入門(いかに生きるべきか)』を書いていますので、ご紹介します。


 皆さんは今市川学園の学問の森の入口に立っている。皆さんがこの森で迷わないためには、地図や道しるべ、ガイドブックが必要であろう。この役割をするのが、市川学園シラバス(Syllabus 授業計画)である。したがって皆さんは、常にシラバスを手元におき、自分が学問のどの道のどの辺を歩いているのか、常に確認し、皆さんの学習に役立ててほしい。ただしガイドブックはあっても、歩くのは皆さん自身である。

1、 市川学園は学問をする場である

 およそ学校は、学問を学ぶ場所である。学校から学問を除けば、もはや学校とはいえない。スポーツセンターや娯楽センターになってしまう。勿論学校という集団生活をする場において、先生との出会い、多くのよき友人、先輩後輩を得ること、お互い励ましあい競い合いながら学びかつ楽しむことは重要であり、一生の宝である。又クラブ活動を通じ、授業では得られない友人を知り、身体や心を鍛えること、生徒会や奉仕活動などに参加することなどは皆さんの学園生活を一層豊かにするだろう。要は優先順位の問題である。

 『少く(ワカク)して学べば壮にして為すあり、壮にして学べば老いて衰えず、老いて学べば死して朽ちず』(佐藤一斎:言志晩録)

2、 楽しい学園生活の基本・・・授業が分かること

 学校が学問の場所である以上、授業が分かり楽しくなければ、学校は楽しくならない。予習、復習が大切であり、分からないこと疑問に思うことは、先生や友人に聞くことである。分からないところは何回も学びなおし、調べ、人に聞くことである。あきらめや知ったかぶりは禁物である。昔から『聞くは一時の恥、聞かざるは一生の恥』という。学園の楽しさは、行事やクラブ活動、生徒会などに積極的に参加し、協力しあい、感動や感激を味わうことからも得られる。また友人や先輩後輩とのよい人間関係にも努力したい。自分のためだけでなく人のための行為や親切は、信頼という形で必ず戻ってくるものである。

 『人のお世話にならぬよう、人のお世話をするよう、そして報いを求めぬよう』(後藤新平)

3、 学問に王道なし

 王様であろうと権力者であろうと、学びに簡単な道や特別な手段はない。学問はお金では買えない。学問の森は、万人に平等に開かれている。学問は積み重ねであり、高いビルを建てるように、少しずつ積み重ねてゆく。土台がしっかりしないビルは倒れてしまう。基礎をしっかり学ぶこと、時に反復練習が必要である。付け焼刃は剥(ハ)げるし、メッキは剥がれる。中学の授業が分からずに高校の授業は分からないし、大学は勿論である。

4、習慣は第二の天性である・・・学ぶ習慣、読書の習慣

 習慣は第二の天性といわれるほど、人生に大切である。毎日自分の机に向かい自発的に学習をする習慣、読書する習慣を自分のくせにすること。更に身の回りの整理整頓清掃、早起き朝ごはん、挨拶の習慣、時間を守る、余裕を持って学校に到着するなど習慣にすれば本物である。継続することである。また青春の大切な時間を有意義に使うこと。  ローマ時代の哲学者セネカはいう。『人生は短い。しかし我々は短い時間を持っているのではなく多くを浪費している。充実して生きれば人生は十分に長いのだ。』

5、第三教育の力を獲得し、第三教育の達人をめざせ

 本校の特色である自ら学ぶ第三教育の力を獲得するのは、まず疑問を持つことからはじまる。分からないことを自分で調べてみる、考えてみることの蓄積で第三教育の力を得る。また読書を通じいろいろな人生や生き方を学ぶことが大切である。朝7時から開く第三教育センター(図書館)と自習室は第三教育のメッカである。第三教育は、学校での教育を修了したあとも続く一生の教育である。第三教育の達人こそ人生の成功者である。

 『われ以外皆わが師』(吉川英治)

6、 なぜ学問をするのか

 究極は、皆さんがこれからの人生をいかに生きるかの問いに対する答えを探求するためである。数千年の歴史の上に積み重ねた人類の知を学ぶことは楽しい。かけがえのないたった一度の皆さんの人生を良く生きるには、自然科学/社会科学/人文科学を含め広く深い知識や知恵、教養が必要である。そして世の中の万般の事に対し、本質を考え見抜く力を得ることである。勿論直近には、志望する大学や目標の職業につくことに役立つ勉強は土台であり極めて大切であり、いかに生きるかの第一歩である。その上で礼儀正しく教養のある真の紳士淑女をめざしたい。

 『この道より我を生かす道なし、この道を歩く』(武者公路実篤)

 さあ今から市川学園の学問の森へ出発しよう。毎日新しい気持ちで、一歩一歩着実に前進しよう。