84.なずな祭の由来となずな教育の本質

なずなメッセージ

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なずな祭の由来となずな教育の本質

理事長・学園長
   古 賀 正 一

2012.10. 1

 長い猛暑もやっと終わり、秋の気配が出てきました。9月10月は学園にとり行事の多い時期で、生徒にとり自主性、判断力、チームワークと協力など人間力を鍛えるよい機会であり、学園生活を満喫できる季節です。

  9月9日(日)は、恒例の保護者懇談会を実施しました。今年の特徴は、後援会(保護者による後援組織)が主体となって計画、運営されたもので、まず全体集会の第一部は国枝ホールで学園側からプレゼンテーション(理事長と校長)をおこない、その後、第2部として分科会に別れ保護者同士の地域別懇談会として、学年を超えて保護者同志の質疑、意見交換、交流を主に十分な時間をとりました(従来、交流時間が短いことが課題でした)。分科会での学園への要望事項も後日後援会でまとめてもらうことにしています。約500名の保護者の方が休日にもかかわらず熱心に参加していただきました。また最近は後援会の活動が活発で、後述のなずな祭でも後援会役員が、『お助け隊』として、外来者の案内など積極的に活動していただき有難いことです。

  全体集会では小職から、『グローバル時代こそ第三教育の達人をめざせ』の題で、学園の目指す重点目標を話し、小川校長より『75年の建学の精神を継承し新しい時代の教育を創出する』と題し、教育方針と課題、学園の近況などを話しました。

  9月29日(土)、30日(日)のなずな祭(文化祭)は、文化祭実行委員会を中心に協力・創意工夫し、よいチームワークで毎年進歩・進化しています。卒業生、保護者、受験希望関係者、地域の方など約1万名の方々に来場いただきました。残念ながら30日は、台風17号接近の影響で、安全安心を第一に時間を短縮して実施しました。

  例年 各学年、部活の展示や演技を来場者の投票で客観的順位付け評価し、娯楽33、食品13、部活33のチームの中からなずな大賞を決定し、表彰しています。国枝ホールでのオーケストラ部、吹奏楽部、音楽部、演劇部の演奏演技は大勢の関心の的でした。又コミュニティプラザでの学芸会(キャジュアルな32の演技演奏)も盛り上がりました。また屋台での食品販売は、たこ焼き、お好み焼き、焼きそば、焼き鳥、おにぎりなど人気でした。初日の生徒口述発表会は、伝統の自由研究発表会で、中1から高1まで全員参加、生徒の研究、海外体験など12件の発表を聞き学び、うち3件は英語での発表でした。

  さて、なずな祭の由来は、いうまでもなく本校の建学の精神の一つで、よく見て生徒の持てる才能を目いっぱい伸ばそうという『よく見れば精神、なずな教育』から来ています。芭蕉の句『よく見れば薺(なづな)花さく垣ねかな』の句に感銘した学園創立者古賀米吉が、薺(なずな)を生徒にたとえ教師の心得として、人育ての原点として、常に強調したものです。

  生徒全員に配布する創立者の冊子『楽しい学園生活』の冒頭の第一話の一節を原文のまま引用します。『これは、中年の教師、私の開眼であった。よく見よう、よく見て、なずなのような目だたぬこどもに目をつけよう。だれもだれもたった一人、たったいっぺんのたったひとり、お前にはかけがえがないぞ、と生徒によびかけ・・中略・・・なずなを見のがさないように、数ならぬ身などと思いこむこどもをつくり出さないように、と私は心掛けているつもりである。よく見る精神は、教師として、人間として私の心得第一条である。』

  このよく見ればの句は芭蕉43歳(1686年)の時の句(続虚栗)です。ふと心をとめて見ると垣根のほとりに、薺が小さく花をつけている即興的な風景を詠った句のように見えるが、ふだん気にも留めない雑草の薺を取り上げ、万物そのところを得て自得していると評解されています。薺は春の七草の一つで、道端や田圃などに生え春に白い小花をつける雑草です。ペンペングサともよびます。1686年には『名月や池をめぐりて夜もすがら』や『古池や蛙飛びこむ水のおと』など芭蕉の有名な句が多く発句され、51歳で亡くなる芭蕉の全盛時代であります。

  当学園にはなずなを冠したものが多くあります。なずなネット(学校と保護者・生徒とのネットワーク)、なずなメッセージ(毎月1回HPにのせる理事長メッセージ)、なずなセミナー(教職員全体での研修会、年3回各界の講師の講義に学び、すでに35回継続)、なずな池(本館と北館の間の池で生物研究の魚を飼育)、同窓会誌『なずな』、なずなのお店(卒業生が経営する店)、なずな会(バスケットボールのOB会)、前述のなずな祭、なずな大賞などです。

 最後にいかなる時代になろうと、人間オンリーワンの存在、和して同ぜず、美点凝視、人間の特色を良くみて目いっぱい伸ばすなど、なずな教育、よく見れば精神は、深い不易の建学の精神であり、全教職員の目指すものであります。