佐々木 正峰先生:独立行政法人国立科学博物館前館長・元文化庁長官

『科学を文化に』

主な講義内容の紹介

 佐々木先生は、1968年の東京大学法学部卒業後、文部省高等教育局長などを歴任して2000年に文化庁長官、2002年から独立行政法人国立科学博物館長に就任され、現在も国立科学博物館の顧問として活躍されております。

 日本の未来は、新しい産業を創出していく技術立国として道をすすめていく必要があり、そのためには、独創的な研究開発の推進と、創造性・主体性に富んだ人材の養成が不可欠です。しかしながら、肝心の高校生の学力が、世界のトップレベルから年々低下しており、なかでも「理科離れ」が進行し、高校生や大人の科学に対する関心の薄さや応用力の低さが深刻な問題になっている。その打開策として佐々木先生は、科学を芸術と同じように文化として見る気風を養って、科学が日常生活に結びついていることを理解させ、「なぜなの?どうしてなの?」と科学を学ぶことの楽しさを知ってもらうようにし、それらを通して、社会のための科学にしていく必要がある、と提唱されました。国立科学博物館は、唯一の国立の総合的な科学博物館として、幅広く自然科学とその応用に関する資料を収集・保管し、後世に引き継いでいくとともに、その調査・研究を進め、これらの資料や研究成果を公開して生涯学習の機会を提供することを使命としています。科学技術創造立国をめざしている日本で、その未来を担う青少年たちが、例えば、自動車やロボットなどの有用な技術の成果に着目し、教育(高校・大学)と産業(企業)とコラボレーションさせながら、さまざまなイベントや調査・研究する場を国立科学博物館が提供していることを紹介されるとともに、博物館の展示や活動内容をパンフレットと映像を使って詳細に述べられました。

生徒や保護者の主な質問・感想

○ 博物館は「想像力の入口(いりぐち)」という言葉から、経験が入口になって関心が高まればすごいと思う。(中1)

○ 佐々木先生が「科学の関心を高め、自ら距離を縮めて親しめるようになることが重要だ」とおっしゃられたように、これから積極的に科学に触れて、科学を身近なものにしたいと思った。(中1)

○ 絵画や文学・音楽などと同じように、科学を文化として味わえば、今よりももっと楽しんで科学を学ぶことができるのではないかと思いました。(中1)

○ 今、日本人の理科離れを防ぐために、サイエンスコミュニケータ養成など、さまざまな試みが行われていることを知って、驚きました。(中2)

○ 驚き・感動など豊かな感性を育み、体験させる「学びの場」をもっと増やすべきだと思う。(中3)

○ 博物館だけでなく、学校の授業でも科学を体験できるような実験などをしてほしい。(高1)

○ 国立科学博物館のように未来を見すえて科学の真理を求めている施設があるにも関わらず、理科離れしている日本の現状は、なんだか悲しいと思った。(高2)

○ 生活体験と結びつけた実践教育が重要だという指摘を聞いて、我が意を得たと感じた。また、科学や文化のおかれた立場を社会状況全体から考察できるように心がけたいと思った。(中1の保護者)