SSH土曜講座

吉澤 晋先生:東京大学 大気海洋研究所 准教授

 『光の色で紐解く微生物の生態』

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吉澤 晋先生の紹介

1977年 京都府生まれ
2009年 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 自然環境学専攻 博士課程修了
2009年 東京大学 海洋研究所 微生物分野 特任研究員
2010年 東京大学 大気海洋研究所 生物遺伝子変動分野 特任研究員
あああああ( 2013 年 〜 2014 年 マサチューセッツ工科大学 特任研究員)
2016年 東京大学 大気海洋研究所 生物遺伝子変動分野 准教授
2018年 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 自然環境学専攻 准教授(兼務)

講座内容の紹介

現在東京大学大気海洋研究所や、東京大学大学院にて研究者として過ごしている吉澤先生ですが、元々研究者を目指していたわけではなく、幼少期は絵描きを目指してひたすら絵を描き、高校生の時にはギターの弾き語りをして過ごしていたということです。浪人を経て入学した大学も、わずか2週間で休学し、絵画留学のため米国コロラド州に向かったそうです。脇道に逸れずにストレートで研究者となる方が大半の中、吉澤先生は様々な経験をして研究者になったという事実に、生徒たちは少なからず衝撃を受けていたようでした。

吉澤先生と研究との出会いは大学復学後となります。発光バクテリアに心を奪われて、光(色彩)と生物の関係に大変興味を持たれたそうです。その後、より深く発光バクテリアを研究するために、世界中を駆け回って発光バクテリアの採集と分離を続け、やがて「光微生物ハンター」と呼ばれるようになり、現在は光エネルギーを利用する微生物の研究も行うなど、海洋微生物学の第一人者として大活躍されています。その研究者としての日々の生活についてや、最新の研究内容、そして新たな発見に繋がる可能性のある仮説なども惜しむことなく話してくださいました。

講演の最後には、「これまでに誰も発見していないことを発見して世界で一番になれる」、「人類で誰も知らないことを自分が最初に知ることができる」といった研究の面白さや喜びだけでなく、「 Publish or Perish (成果を出すか 滅びるか) 」といった厳しい側面もあるということも教えてくださいました。

講演後には、研究内容や研究者の生活、研究者になるためにはどうしたら良いかなど多数の質問が生徒から(保護者からも)出て、一つ一つに真摯に答えていただき、大変充実した講座となりました。

生徒の感想(受講レポートから)

  • 未知の内容に関して仮説を立てることが、研究内容の難易度に関係なく研究の基本であるとわかった。「世界でまだ誰も知らないことを最初に知る」ことが研究者の仕事で、好きなことを勉強したいという気持ちが強い人が、全人口の0.4%である研究者になれるということがわかった。
  • 研究者とは自分の好きな分野を好きなだけ学んで研究して、他人が見つけられないものを見つけるものだということがわかった。日本は海に囲まれている割に海洋関係の研究者が少ないということに驚いた。一般的に売られている海産食品も発光するというのがとても面白いと思った。
  • 今回の講座を受けて、発光細菌の仕組みや活用の仕方がわかった。また、研究者の仕事についても知ることができた。研究者は浪人や留年をせずにストレートで就く人が多いというので、今から勉強を頑張っていきたい。
  • 光合成や発光微生物など、いま生物の授業で学習していることとリンクしていて、とても興味深い講座であった。また、研究者になるにはどうしたらいいかを聞くことができて大変ためになった。日本はせっかく海に囲まれているのに、海洋の研究があまり進んでいないのが勿体無いと感じた。
  • 最初は絵など芸術に興味があった先生が、その色と生物にどのような関わりがあるのかに興味を持って、今の研究者という職業に就いているということがとても興味深いと思った。先生の研究内容も含めて、今まで詳しく知らなかった「研究」というものについて学べてよかった。
  • 最初から最後まで意外性のある内容で面白かった。私が大学を選ぶときにも、その大学の先生の研究内容を調べてみたいと思った。海洋系の研究には今まであまり興味はなかったが、この講座を受けて興味が湧いてきたので、今後は今自分が好きなことだけに限定せず、何にでも興味を持って過ごしていこうと思った。