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2025.06.30理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#235 大変化の時代にグローバルな活動は頼もしい

2025.7.1
市川学園理事長・学園長 古賀正一

 6月は、芸術鑑賞会が国枝記念国際ホールで2日間3回に分けて行われ、中1~高1、高3の生徒全員が、シェイクスピアシアターによるシェイクピアの喜劇「十二夜」を鑑賞しました。高2はJR東日本四季劇場「春」でミュージカル「アナと雪の女王」を楽しみました。芸術鑑賞会は、校内外で年に一度、本物の芸術に直に触れ、芸術を楽しむきっかけになるとともに、鑑賞マナーを身につける貴重な行事です。また中2の体育大会(中1は11月実施予定)は実施できましたが、中3は猛暑のため中止し、2学期に再検討することとしました。この夏は行事、部活ともに熱中症対策をしっかりとり、必要により勇気ある中断や中止の判断が求められます。高1は軽井沢宿泊研修を実施し、有意義な2泊3日を過ごしました。また同窓会による高1希望者に対してのキャリアセミナーが対面で行われ、各業種のOBOGと親しく話し質問することができました。

*市川学園で誕生したサード長嶋
 6月3日ミスタープロ野球の長嶋茂雄氏が逝去されました。心からご冥福を祈ります。1953年6月、県立佐倉一高(現在の佐倉高校)、県立船橋高校と本校の3校による練習試合が学園グラウンド(現第1G)でおこなわれ、当時の高2・高3の野球部員(高校6回、7回卒)が出場しました。特に長嶋選手との対戦は、野球部OBにとって忘れられない思い出になっています。
実は長嶋さんが国民栄誉賞を受賞された2013年、当時の佐倉第一高校の監督だった加藤哲夫氏から、当時の試合のスコアブックのコピーを頂き、直接お話を伺いました。第一試合の船橋戦で主将4番ショート長嶋選手が、打撃は素晴らしかったが4失策し2-5で敗れ、監督は熟慮決断の上、第二試合の市川戦で初めてサードにまわし、その後のサード長嶋のスタートになったとのことでした。残念ながら市川は3-5で佐倉に敗れました。
(参考資料;毎日新聞13-6-11、日経新聞07-7-4私の履歴書:長嶋茂雄④、当時のスコアブック)

*大変化の時代にグローバルな視点でチャレンジする多くの生徒達
 6月は高校生を中心にグローバルな視点で自ら学び、チームとして協同で学ぶ活動が多く行われ、また外部の留学支援に応募した結果の発表(主として夏休みの活動)がありました。
1,トビタテ!留学JAPAN(注1)の採用数が全国2位
2013年スタートから10期目ですが、当学園は毎年着実に採用され、今年も12名が採用されました。1期~10期の累計では69名が採用され、今年度及び累計ともに全国2位でした。毎年継続して採用されるのは、本人の努力とともに、国際部、担任はじめ多くの教職員の支援によるものです。
注1;文科省による大学生・高校生留学促進・日本代表プログラム

2,WSC(注2)世界大会へ今年も多くの生徒が参加
 今年は国内大会(東京、九州、関西)で世界大会出場権を得た生徒は24名(高2、中3,中2)で、8月下旬、マレーシアのクアラルンプールの世界大会に出場することになりました。WSC世界大会には、2016年初参加以来毎年着実に出場権を得、累計で155名に達し、日本では最大数と思います。その後のイエール大学での決勝にも多数参加しています。
注2;WSC(ワールドスカラーズカップ)・・中高生向けの総合的な知的能力・教養を競う大会、2006年スタートし、現在50ヶ国以上で国内大会が行われ、世界大会に2万人が参加。3名1チームで競う。世界大会出場者の上位は、米国イエール大学での決勝に出場できる。

3,グローバル講座でAI時代の日本の課題研究・・本質的問題の発見へ
 10数年続けてきた本講座が新しく衣替えになりました。4月に高1生全員に対し、世界的投資会社の役員による世界を知る講演「今後の人生を考えるうえで伝えたいこと」を行いました。その後希望者41名を対象に、BBT大学院教授による講義とテーマの研究発表をゼミ形式で3回行いました。1回目は「グローバル時代と君たちの未来」と題し、AGI(汎用人工知能)世界の到来、日本の厳しい状況、希望の光、皆さんはどう生きるかについて、各種のデーターや事例を含んだ詳細な講義がありました。講義後、課題テーマ提示と8チームの分担を決めました。2回目はチームごとの課題研究の中間発表、最終回の6月23日は最終発表が行われ、講師のコメントがありました。最後にミニ講義「経営分析の技術」として、本質的問題を発見することの重要性が強調されました。課題テーマは、原子力以外のクリーンエネルギーの世界戦略、AGIの到来により変わる世界の予見、気候変動に取り組む世界戦略、日本の文化や技術を世界にアピールするビジネス構想などでした。

4,HKなずな奨学金(注3)応募活発
 夏休みの活動を中心に個人の計画で応募するHKなずな奨学金の申請者が多く、審査の結果、国内外チャレンジ活動奨学金受給者19人が選ばれました。多くは海外短期留学の活動です。HKなずな奨学金は2022年開設以来、海外大学奨学金4名、国内外チャレンジ奨学金(長期、短期留学おおび国内)82名、計86名に支給されました。
注3;卒業生個人による海外大学進学及び国内外チャレンジ活動の奨学金 

『障子を開けてみよ、外は広いぞ』(トヨタ創業者 豊田佐吉)