13.新年におもう~新しい教育基本法

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新年におもう~新しい教育基本法

理事長・校長 古賀正一

2007 1. 1

明けましておめでとうございます。 良いお正月を希望と抱負をもって迎えられた事と思います。

今日本は政治、経済、教育、社会保障、国際関係などそれぞれに大きな課題を持ち多難な時期です。考えてみれば、戦後62年間課題のない時代などなかったのであって、バブルに浮かれた時代こそ異常な危険な時代でありました。課題や危機感を持つことこそ健全なことと思います。
一方世界を見るといまだに争い、貧困、飢えに苦しんでいる多くの人々の存在があります。こうして無事平穏な中に年始を迎えられることに心から感謝をしたい。

私の好きな三好達治の『冬の日』という詩に、

静かな眼、平和な心、その他に何の宝がこの世にあろう

という一節があります。
平凡でも静かな眼と平和で平穏な心をもっていることは、まさにかけがえのない宝でありましょう。

昨年は教育に関する問題が噴出した年でありました。深刻ないじめ問題、必履修科目の未履修問題、教職員の質の向上と免許更新問題、家庭の崩壊、青少年の規範意識の欠如と暴力犯罪、ゆとり教育の弊害による学力低下など長年問題となっていた事が現象として噴出したように見えます。
しかし今こそ国をあげて教育、人づくりにとりくむ教育改革の絶好のチャンスと前向きにとらえて“災い転じて福”とすべき時であり、安倍内閣への期待も大であります。

問題は山積ですが、教育問題は当面の問題への対処や“もぐらたたき”だけでなく、より抜本的に、本質的に、長期の視点で深く洞察し、対策をうつべきでしょう。
学校現場は苦労が多いが、学校が教育の中心であることには変わりありません。資源のない日本は人材で勝負する国であり、未来への投資である教育には、政府ももっと予算面で力を入れるべきであり、我々教育界も気概をもって事にあたるべきでしょう。

折りしも改正教育基本法が成立しました。教育基本法は昭和22年の施行以来まったく変えられることはなく、今回日本人の手で独立国として自主的につくられました。平成15年3月の中央教育審議会答申後、やや時間が経過しましたが国会でも十分審議され成立したことは喜ばしいことです。反面、国家百年の計とも言うべき教育/人づくりの憲法であるこの理念法は、全党一致の成立が望ましかったのですが政争の具に使われた感があり残念であります。およそ教育は不偏不党であるべきでしょう。

理念法が変わっただけで、教育が変わるわけではありませんが、本法の成立は教育改革を進める上できわめて重要な規範となります。前文と教育の目標の中の『国と郷土をを愛する態度を養う』のところにのみマスコミ等で喧伝されていますが、実は私立学校についてなど重要な改正がなされていることに注目したいと思います。

この新しい教育基本法は18条からなります。第8条には私立学校の振興が明確にうたわれました。国や地方公共団体は、助成などの方法により私立学校教育の振興に努めねばならないと明記されています。
また10条に家庭教育として、子の教育の第一義的責任は親、保護者にあることがうたわれました。

問題となった前文と教育の目標以外に生涯学習の理念、大学、私立学校、教員、家庭教育、幼児期の教育、学校家庭及び地域住民等の相互の連携協力、教育振興基本計画などの条文が新たに設けられ、現行法よりもはるかに充実したものになっていることに着目したいと思います。
憲法同様、新しい教育基本法は、必読の法律であります。

いずれにしろ日本は資源のない国であり教育立国として、立派な人材を多く育成し、また教育の充実により世界から人材があつまる国でありたいと思います。千葉県もまた卓越した教育の県でありたいものです。

『一年の計は穀を樹(う)うるに如(し)くはなし、十年の計は木を樹うるに如くはなし、終身(百年)の計は人を樹うるに如くはなし』 (三樹:管子)