17.危機と危機感

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危機と危機感

理事長・校長 古賀正一

2007 4. 1

4月は学校も会社も希望あるスタートの月であり、決意を新たにする時期でもあります。目標を持ち、1年後にその努力が実り組織全員で達成感を味わうことほどうれしいことはありません。

逆に努力不足の未達成、目標設定のまずさ、世の中の進歩に目をつむるなどは組織を停滞させます。業績の悪化は、多くは危機意識の欠如、改善意欲の不足、トップの傲慢さなどにあります。組織は常に危機感(危機意識)をもち、改善進歩の手を緩めてはなりません。危機になって危機感を持っても遅く、危機の徴候がある時こそ、いや好調の時ほど、組織のリーダーは危機感を持ち強力に改革に取り組まねばならないと思います。

世の卓越した組織は最高の時にも改革を進めています(例:トヨタ自動車など)。改善には終わりはありません。さて、どうするか?
高い目標をもつこと、過去の呪縛や成功体験にとらわれぬこと、目標と現実との差を認識し、どう埋めるかの具体策が必要です。
学校で言えば、学科、学年、校務分掌の各部門の具体的目標を掲げ、具体的施策に展開することが必要です。当学園では、年度初めに、各部門が年度の目標と施策を発表し、学期末・学年末ごとに一日かけ成果報告をする「学期末・年度末報告会」が定着してきました。
日常の業務とともに、将来を展望する改革が必要です。教育界は戦略的思考、改革、改善の手法、PDCAサイクルをまわす、他と比較しよいところを学ぶことなどが下手でした。そして教職員に常に危機意識と改善意欲を持たせることが不足していました。
当学園では、「教育経営会議」という会議体で日常の重要事項の迅速な決定と戦略的討議を行っています。また理事長が学内WEBで全教職員に向けて発信する『理事長メッセージ』や教職員会議でのチャレンジにより、常に危機感を訴えています。

目標に向かい毎日進歩する「改革に終りなし」の認識が重要です。最近の教職員会議で3つの危機感を持たねばならぬと強調しました。

【第一の危機感】公教育の質は必ず向上するということ

私学は常に公立の上を行かねば存在理由がない。公立の再生と教育力の向上は緊急であり、日本の教育に不可欠である。学校教育法の改正、教員の免許更新制導入、教育委員会の組織等の改正など制度やシステムが変わる。私学も勿論関係する。歩みは遅いが改善される。私学はより高度な教育、進学実績と人間教育、生徒・保護者の満足する特色を持たねばすたれる。

来年、県立千葉高に中学が併設される。いわば黒船である。フェアーな競争で公私切磋琢磨したい。公立と私学は、いま対等競争になっていない(税の投入の差による授業料の差、支援組織の差)。私学でできることは私学に任せてほしい。

【第二の危機感】これからは学校も改革の速度の競争であること

相当に努力しスピードをあげ改革していると思っても、相手の速度が速ければ、差は縮まらない。現実を直視し、厳しく対応しなければ勝てない。目標先行校のよいところを研究し、謙虚に学ぶべきであろう。人並みの努力では卓越性は得られぬ。

【第三の危機感】学校は究極教職員の質の向上の勝負であること

本質的な学校の格差は、改革のスピードと教職員の「質×量」の差である。当学園では昨年、教員研修・授業評価の主幹を任命した。授業の質と教員研修には力をかけ十分投資する。初任者、10年など定型研修以外に、外部の研修参加は大いに奨励する。

教科ごとの授業研究、ビデオカメラの活用、e-ラーニング活用など、教育や研修にもイノベーションが必要である。教科主任中心のチームワークも大切である。
まずは自分が気づき現実を直視すること、努力することである。まさに教師の第三教育である。勉強しない教師は当学園には不要である。

学校の卓越性は、施設ではなく、個が輝く教職員の総和がきめると確信している。