22.感動する心を豊かに~これからの幸せの条件

なずなメッセージ

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感動する心を豊かに
~これからの幸せの条件

理事長・校長 古賀正一

2007.8.1

このメッセージをHPにアップするときは、参議院選挙も終わり政治の騒がしさも一段落しているが、21世紀の日本をじっくり考えるときである。格差の問題が声高に論じられるが、幸福の格差は簡単には論じられない。人間の幸福とは何か。世の中には物質的に恵まれていても不幸せな人もいるし、貧乏であっても心豊かな人もいる。金銭的格差はそのまま幸福の格差ではあるまい。

幸せのための条件は何か?

古今東西の哲学者や宗教家がこの問題を考え抜き、実践しているが、答えは一つではない。今は金さえあれば何でも買えるといった若き経営者がいるが、幸福は金だけでは決して買えない。幸福は、心の問題、心の持ちように起因するからである。

かつての貧しい日本からやっと豊かな平和な時代になり、かえって幸せ感が少なくなっているのは如何なものか。将来への不安が多いのも事実である。しかし日本は世界で最も恵まれた豊かな国のひとつある。21世紀は、人とは違う心の豊かさを自分で発見し自立する時代だと思う。

ある心理学者が、幸福の条件として、第一に健康、第二に仕事(自分が好きな仕事/目標)、第三によき人間関係(家庭/近所/学校/職場などのよき友達つきあいとよき関係)第四に感動する心であると言っていたことを思い出す。

勿論適切なお金は必要であり、足るを知ることもまた大切あろう。日本は四季おりおり美しい自然に囲まれ、新しさと古さ、革新と伝統、衣食住まで感動する心を養うには素晴らしい環境である。
スポーツに於いても全力を尽くすことの素晴らしさとそれを見ることは感動である。音楽や芸術など美しい本物を知る感受性と情緒力は大切である。知徳体に加え情緒力、喜怒哀楽の情を深めることがこれからの教育には必要である。これからの日本は人まねでなく、自分で考え問題を解決する力、新しいものをつくりだす創造力こそが必要であり、そのもとになるのは、感動するこころ、調和の考えと情緒の力であろう。

昔アメリカの先進ソフト会社を訪問した時、その会社の社長は良いソフトウェアをつくるには、論理的志向は大切だが、情緒の力、美的感受性、調和がより大切といっていたことを思い出す。このため音楽や芸術の素養など心の豊かさを採用の第一条件にしているとのことであった。
数学者で、『国家の品格』を書かれた藤原正彦氏は、ご自身優れた数学者であるが、高度の数学研究には論理の力より、情緒の力が必要と力説しておられた。論理は大切だが、論理は基点が間違うと全てが間違うとのこと。美しいことに感動する心は、当然善悪の判断、倫理観(間違ったことは汚い恥ずかしいこと)、感謝の心、思いやりの心にもつながる。根っこのところで真善美はつながっている。
この感動する心、倫理感、思いやりなどはどのようにして育まれるか。毎日の小さな出来事を通し育むことが重要である。第一に大人、特に身近な親や教師などが、しっかり指導し立派な行動と後姿を見せることであり、これこそ実践的徳育である。家庭での教育の最大の眼目は生きるための基本、善悪、美しいことを感じる心を育むことだと思う。

当学園では生徒一人一人の学力向上とともに、豊かな人間性、生きる力、しつけやマナーの遵守など人間教育をあらゆる視点で力を入れている。中でも感動する心を豊かにさせたい。
結局人間教育はご家庭と学園の二人三脚であり、人間教育における家庭の教育の力は非常に大きい。

愛は家庭からはじまる(マザーテレサ)

人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ
(ロバート・フルガム)