88.最近の部活体罰といじめ問題について

なずなメッセージ

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最近の部活体罰といじめ問題について

理事長・学園長
     古 賀 正 一

2013.2. 1

 最近問題になっている教職員の体育系部活での暴力(体罰といじめ)と生徒間の深刻ないじめの問題についてお話ししたい。多くは公立学校での考えられぬ行過ぎた行為とその後の学校と教育委員会の情けない対応、遅い再発防止対策が問題です。私学でもあり得ることです。しかし市川学園では教職員の暴力は、一切肯定せず、いかなる理由があるにせよ厳禁です。部活は、あくまでも学園教育活動の一環であり、授業や行事を中心とする主たる教育活動を補完し活性化するものでなければなりません。

 スポーツを通じ同じ年代の生徒と競い合うことは重要ですが、勝つことだけが目的化され、部活が治外法権化されることなどは絶対にあり得ません。特に本校の部活は、人間として困難への挑戦、チームワーク、礼節、約束・ルールを守る、挨拶、清掃など人間教育の一環であり、楽しい学園を築くものです。いくらスポーツに長けていても、人間としての成長と学力が十分でなければ卒業できません。私学は設置者が学校法人であり、理事長が責任者且つ人事権者であり(自治体の長、教育長相当)、校長が理事・執行責任者であり、責任者と執行者との物理的距離も情報距離も公立に比し極めて近く、意思疎通も十分です。学校統治(ガバナンス)の中での理事会・評議員会の役割も重要です。また学園では、あらゆる問題は小火の間に解決するのを鉄則としています。部活顧問にも昨今の問題に更に注意するよう、教職員会議と理事長メッセージで徹底しています。

 外国では部活はほとんどなく、スポーツクラブなど外部の組織で行われるのが一般的で、教職員の負担も少なくなっています。部活はある意味で、日本の教育の特色でもあり、今回の種々のことを契機に、教育界全体が襟を正し、部活の改革を進めることが必要です。

 また生徒のいじめの問題も、学園では早くから対応し、『心の悩みネットワーク』の冊子をつくり、いじめを防ぐ、いじめから救う、生徒の心を育むを目的に、全教職員に徹底しています。基本的考えは、①いじめをさせない、②いじめを早期に把握しすばやく適切に対処することです。①は、ホームルーム、道徳の時間、部活などで他への思いやり、いじめの加害者にならぬ、いじめを許さぬ風土を指導。又教職員の研修も実施しています。②は情報共有と迅速な対応ですが、学級担任、教科授業担当、クラブ顧問、保健養護教諭(4人)、カウンセラー(月-土まで毎日午後)のそれぞれの立場での為すべきことを規定し、常時の連携と情報共有、定期的連絡会も実施しています。理事長・校長・教頭等への迅速な報告・連絡・相談も、良いことより悪いことを先に報告するよう徹底しています。

 教職員の生徒への言動にも注意するよう指導しています。また生徒からの訴え(いじめだけでなく、建設的意見や要望も含む)を受けるVOICE箱(生徒の声の投書箱)も活用しています。学園の特色である学校と保護者との間のITネットワーク『なずなネット』を活用し、担任と家庭が生徒の些細な変化などについても情報共有することに努めています。市川学園は、世の問題を常に先取りし、明るい風土の楽しい学びの共同体であるべく、教職員全員で不断の努力を続けています。

 さて1月~2月は入学試験の季節、中学入学試験は、1月20日(日曜日)恒例の幕張メッセで2500人の受験生(小学生)が4教科の真剣勝負に挑みました。今年から国語と算数は50分試験、理科と社会は40分試験に変更しました。長年努力してきた受験生が、体調や怪我で十分な受験が出来ないことのないように、本試験場以外に、4つの特別室を設け、インフルエンザ、その他感染症、骨折、胃腸症等病気に対応しました。20日の昼と夜のNHKニュースにも取り上げられ、受験生の目標に向かう真剣な声が聞かれました。第1回試験280名、2月4日の第2回試験40名を募集(定員320名)、2月11日の入学ガイダンス出席者で最終入学者数が決定します。高校は、前期入試を1月17日実施、1080名受験、欠席0名でした。国語、数学、英語の3科目ですが、英語のみ60分とし、その中でリスニングの試験を新しく入れました。後期入試は2月5日で、前後期あわせ120名募集です。中学・高校共に定員を確保できることは確実で有難いことです。

 高校3年生の大学受験の第一関門であるセンター試験は、1月19日・20日の両日でした。高校3年生の97%の生徒が挑みました。翌日は学校に登校し、担任や教科担当者にセンターでの解答結果を提出し、今後の二次試験受験校選択の準備をしました。これから一ヶ月が真剣勝負です。引き締まった顔の生徒が多く見受けられ、目標達成にむけ頑張って欲しいと念願しています。

 小学生から大学生まで目標に向かって猛勉強することは、必要な試練で必ず学力向上、人格形成に役立ちます。人生においては何度も真剣勝負をすることがあります。チャンスは平等であっても結果は不平等、競争が進歩を生み出します。日本の学生は、勉強量も勉強時間も欧米、新興アジア諸国に比べ少なく、自己肯定観が低いといわれていますが、もっと若者に自信を持たせるには、目標に向かってチャレンジさせるべきでしょう。

 今教育改革が問われていますが、世界の人材育成の状況に目をむけ、日本の教育の特色・卓越性を伸ばすことでしょう。『教育の改革・進歩には終わりなし』です。