田村堅太郎先生:(財)地球環境機略研究機関・気候政策プロジェクト・サブマネージャー

『地球温暖化問題~各国における取り組みと今後の課題~ 』

主な講義内容の紹介

◎ 地球温暖化とその影響

 地球は太陽から可視光を受けるが、それと同じくらい赤外線を宇宙へ発射する。しかし、赤外線は二酸化炭素などにより吸収され、地球へ排出される。そのための対応として、社会経済システムの適応、温室効果ガスの削減が挙げられる。温暖化は、観測結果により、疑う余地無く加速化している。人間活動による温室効果ガスの増加が原因で、3~4度の気温上昇と氷河融解がその影響として挙げられる。

◎ 地球温暖化に対する取り組み

 対策コストは、5.5兆ドル。社会システムとして、化石燃料に基づくシステムからの転換と、エネルギーを安定的に使う社会の持続が必要性として挙げられる。負担として、ある企業がコストを出して対策を行っても、直接的な利益を得られない可能性がある。全体の排出量のうち、日本は5%を負担している。最近は途上国の排出量が急増しており、歴史的責任の複雑性が問題化している。現在、20カ国が世界の排出量全体の80%を占めている。これらに対する対策として、1992年国連気候変動枠組条約により、2000年までに排出量を1990年レベルに戻すとしていたが、どの国も守っていなかった。1997年の京都議定書は、法的拘束力のある排出削減目標に先進国が合意したが、アメリカの離脱などによって限界が生じてきた。来月COP15で何らかの動きがあるので、そこでの先進国と途上国の協力が必要だ。今後の温暖化対策は、アメリカと中国の出方が重要だ。

生徒や保護者の主な質問・感想

○ 食糧自給率30%の食糧に乏しい日本にとって、熱帯・南半球の国の被害が大きいと、日本に大きな影響を及ぼすことになるので、早く対策を進めるべきだと感じた。(中1)

○ 温暖化の問題は長期的になるので、とても難しい問題であることを痛感した。この問題には、先進国だけでなく、途上国も積極的に取り組んでいって欲しい。 (高3)