高校環境化学賞

高校環境化学賞

高校環境化学賞

活動概要

一般社団法人日本環境化学会が主催している「高校環境化学賞」は、環境と化学物質の関わりについての情報交換と普及および学問・技術発展を目指す取り組みの一環として行われており、環境保全をテーマとした研究を行っている高校生を対象に、論文を募集し、優秀な研究活動を表彰しています。この学会は環境化学討論会という全国の環境分析・研究に携わる学会員(大学の教授を含めた)の研究発表の場として設けられていますが、高校生でも優秀な成果を収めると研究を発表することができ、研究者としての志や目標はどの年代層でも変わらないことが伺えます。
 

活動の感想

2023年度高校3年生 待山 真一

  • 私は高校生活中に環境化学(環境工学)の分野について研究していたので、研究成果をまとめてみようと思ってこの活動に応募してみました。研究自体は、東京大学グローバルサイエンスキャンパス(GSC)で行ったものです。GSCについてはすでに別の先輩が紹介していますので、興味のある方はそちらも参照してください。
    私の研究は「再生可能エネルギーから水素を取り出すこと」がテーマとなっていて、できるだけ多く水素を取り出せる条件を見つけ、その理由を性質から明らかにすることができました。とはいっても、まだ序盤の序盤ぐらいのことしかわかっていないので、大学以降でもこの研究を続けて行きたいなと思います。
     論文を執筆する(だけでなく、一般に自分のやったことをまとめる)には、それまでに様々な準備が必要です。自分のやったことを淡々と記録するだけでなく、そもそもその研究にはどういう動機があって、自分の研究ではどういうことが起こっていて、それにはどういうものとの繋がりがあって…など、自分の研究活動を物語として面白く(=興味深く)伝えるためにはどうすればいいかをとにかく追求していました。自分の興味のある分野だからこその面白みというものがあって、その面白みを言語化することが難しかったと同時に、楽しかったです。
    ところで、私は環境工学、とりわけ水素について興味を持っていたわけですが、一体どうしてでしょう?小さい頃からの夢でもなく、色々と課外活動をしてみて、この分野に目をつけて、気づいたら論文を執筆するまでの成果が出たわけで…振り返ってみると、私自身なぜ興味を持ったのかが分からないのです。このような経験は、例えば好きなゲームに熱中していた時を考えると、なんで好きだか分からないけれど、気づいたら没頭していたことと似ていると思います。前置きが長くなりましたが、これから普段の学習や、課外活動、あるいは日々活動している中でこういった何か熱中するものが、自分が意図しないうちに見つかると思います。そういうものを色々と調べたり、自分なりに考えてみたりしてはじめて自分がどういうことをやりたいのか気づく糧になり、こういったものを積み重ねて視野を広げることができると考えています。いつか自分の好きなものが見つかった、見つけられた時に、この文章を思い返して、自分が一歩でも成長することができる楽しみを実感することができれば、ということを祈りつつ感想の結びとさせて頂きます。