創造性の育成塾

創造性の育成塾

創造性の育成塾

活動概要

「創造性の育成塾」は、全国から選抜された理科好きの中学2年生を対象に、夏合宿形式で開催される、日本の科学技術をリードする青少年の育成を目的としたプログラムです。予測不能な変化が起こる中、柔軟な対応が求められる今の時代に必要とされる知識と能力を備えた未来の理数人材を育成することを目指しています。理科好きの中学2年生にとって、多方面で活躍する一流の科学者に出会い、自分の将来について考える貴重な機会となります。合宿は2006年以降16回開催され、科学だけでなく医学・工学・公共哲学など様々な分野で活躍するノーベル賞受賞者など一流の科学者や中学生の理科への興味を引き立てるような面白い実験を用意した全国の中学校先生方による講義、実験、グループでの製作課題などを通して、多分野を横断的に学ぶSTEAM教育を実施しています。2020年は中止、2021年は中学2年生と3年生合同のオンライン開催となりましたが、2022年よりオフラインでの合宿を再開しています。
 

活動の感想

2023年度高校3年生 廣田 実優

  • 創造性の育成塾の選考で合格をいただいたときは、自分が初めて周りに引っ張られてではなく自ら応募して参加しようと思った課外活動に参加することができることをすごく嬉しく思いました。しかしその反面、ノーベル賞受賞者や受賞候補になるような著名な先生方が講義をしてくださり、参加する生徒も優秀な生徒ばかりで、果たして自分には理解出来るのか、皆に交わることができるのか、不安で胸が一杯になりながら参加をしました。ところが、実際に参加してみて、それは杞憂に終わりました。講義や実験は難しくとも新鮮で興味深く、実に何事にも熱心かつ独創的な仲間たちに大きな刺激を貰い、私にとってとても実りある一週間となりました。実験やグループ製作を通じては、自分の考えたことを形にすることの楽しさを改めて実感し、理科が「面白い」から「好き」に変わり、社会に貢献できるような研究者になりたいという目標を持つようになりました。
    講義を通じては、教科書に載っている公式や治療法、製品が実現されるには研究者のひらめきがあること。東京大学教授の上田正人先生からは、大学入試まではマニュアル力、大学に入ると考える力、大学卒業後は創造力が求められ、各段階で求められる評価基準は変わることを理解し、心の準備と努力をし、3つの力を総合的に持ち合わせ活用できる人間が最後まで伸びつづけること。また東京大学大学院、慶応大学教授の鈴木寛先生の「迷ったら難しい方を選べ」という言葉が強く心に残り、チャレンジすることの重要性を学びました。これらの学びが私を課外活動に積極的に参加したり、様々な挑戦をしたりすることを後押ししてくれ、高校ではボランティア活動や東京大学のグローバルサイエンスキャンパス(UTokyoGSC)に参加することにつながりました。
    また日々の市川学園での授業は、ただ入試に合格する為ではなく、研究をする上での土台、マニュアル力をつけて貰っていることに気付いてからは、しっかり勉強しようという覚悟が出来たように思います。そしてこの育成塾で知り合った友人たちがコンクールや研究発表で賞を貰うのを見て、努力し続ける本当に素晴らしい人たちと友達になる機会を得られたことを心から感謝しています。
このように、私は育成塾を通して本当にたくさんのことを得られました。どれも育成塾に参加していなかったら、もっと言うと応募していなかったら体験しえなかったことばかりです。何か新しいことに挑戦するとき、自分が持っている先入観のせいで、その挑戦の結果を悲観的に想像してしまったり、挑戦することに怖がってしまったりすることがあるかと思います。それは必ずしも悪いわけではないと思います。先入観はただのいわゆる「頭が固い」ことの表れではないのです。先入観があるからこそ、その自分の予想と違った現実があったときに大きな学びと自分の中での変化を得られます。一番いけないのはその先入観に固執して学ぼうとしない、変わろうとしないことです。私はこのことをどなたかの言葉からとかではなく、自分が持っていた育成塾や課外活動に参加することへの先入観と現実とのギャップをもって痛感しました。だからこそ、皆さんには今からでもいろいろなことに挑戦していってほしいです。きっと挑戦したこと一つ一つに、大きな驚きと学びがあると思います。
もし育成塾に興味を持った人がいたら、どうか結果など気にせずにどんどん挑戦してみてください。チャンスは中学2年生の一度だけです。「迷ったら難しい方を選べ」。この塾で学んだ言葉を、市川学園の後輩達に贈りたいと思います。
  • 溶液の濃度と反応速度の関連を表す実験

  • グループ協議で作った既製の戦車ラジコンを改造したもの