2025.01.09理事長メッセージ
理事長からのなずなメッセージ#229 DXと対面コミュニケーション
2025.1.9
市川学園理事長・学園長 古賀正一
新年おめでとうございます。皆様それぞれ良いお正月を迎えられたと思います。毎年思うのですが、元気に平穏に年末年始を迎えられること、初詣など日本の伝統行事に参加できること、家族と団らんできることなど、当たり前、普通のことですが、本当に有難いことと思います。今や世界を見ると、普通、当たり前が難しい時代です。当たり前の日常が如何に大切か、平穏な一日一日を大事にしたいものです。三好達治の冬の日の一節「静かな眼 平和な心 その外に何の宝が世にあらう」を口ずさみます。
能登半島大地震の災害から1年、今なお苦しい生活を強いられている方々に、心からお見舞い申し上げます。拡大する戦争・紛争地域、難民、環境破壊のことを思うと、本当に胸が痛みます。昨年12月に日本被団協がノーベル平和賞を受賞しましたが、講演された田中代表委員をはじめ被害者の方々の長い活動に心からの敬意を表します。また内外ともに政治が不安定な中、世界の平和が前進することを願っています。ホモサピエンスである人類の英知が試されています。
16日間の冬期休業期間中も、勉強会、部活動、課外研究、各種大会参加等の活発な活動が行われ、また日頃できない体験をした生徒も多く、成長を期待しています。
またこれからは入学試験の季節です。市川中学校入試は、1月20日幕張メッセでの第一回と2月4日の第二回、市川高等学校入試は1月17日の1回のみです。受験生が良い環境で受験できるよう、怪我や体調不良などの受験生のために特別室も用意しています。
更に大学入試は、1月18日19日の大学入学共通テストをスタートに各大学の入試が2月を中心に行われます。大学入試に向かう生徒には、入学試験の合否は僅差故に最後まであきらめないこと、一方人生100年時代、1回や2回の失敗は問題なく、失敗の経験は成功につながる故、本当に自分のやりたいこと好きなことを目指すよう激励しています。
今年は第5次中期計画の最終年、更に2年後(2027年)の90周年の節目に向かう年です。一歩前進し、教職員一同協力し意欲的活動をしたいと思っています。
さて最近思うのは、AI、インターネットなどを通じDX(デジタルトランスフォーメーション:組織活動のデジタルによる変革)が進む中、DXによる組織活動の効率化と利便性を追求すると共に、一方でリアルのコミュニケーションや対面活動の大切さです。DXの進歩と優位性を追求・活用する一方、ますます対面活動の重要性と差異化が起こると思っています。
学園のような教育組織もDXと対面の2極の活用・推進の発想が重要です。
1.教職員のDXによる働きやすさ、効率的活動の追求
すでに学園では日常業務の大半がDX化されていますが、更に教職員が本来の教育業務や生徒対応に集中できるよう改善・改革が重要です。DX推進を通じ組織や仕事の仕組みの改革も必須です。DXは中期計画上も優先項目で投資を惜しむことはありません。
校務分掌上は、ICT推進部が日常業務改善・改革推進と普及教育を、教育研究部が生成AIなど新技術の活用の研究・導入を担当しています。特に生成AIは、先行試行するエバンジェリスト(伝道者)的教職員の拡大を通じ、課題をまとめ、教職員・生徒へのガイド、規制、更に活用を推進していきます。
2.教職員の対面コミュニケーションの重要性
DXの重要性と共に、その組織が本当に成果を上げるため、最後に大切なことは対面コミュニケーションの活性化です。誰でも何でも話せ意見を言える風土、困ったこと不満なども直接言える関係、誰でも提案できる環境です。縦横斜めのコミュニケーションを活発にし、教職員と管理職の間、部長主任と管理職の間、学年内、教科内など、どこの間でも話し合い問題を提起できる風土、異なる部門同士の交流などが大切です。
チーム市川学園としてお互いに助け合うこと、仕事の負荷が一人に集中しないよう協力すること、課題・問題を共に解決することです。何よりも教職員の元気さとコミュニケーションのよさが、生徒にも元気を与えます。お互いに声をかけ合う、話す、明るい挨拶をすることも大切です。挨拶はコミュニケーションの基本であり、文字通り「あかるく、いつも、さきに、つづけて」です。これらを学園として推進してきました。このための多くの仕組み、例えばオープン授業、教科を越えた学ぶ会、学年・教科の自主性などですが、今年も更にリアルのコミュニケーションを大切に活発にしたいと思っています。
「コミュニケーションの基本は、互いに相手を思いやる心である」