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2021.11.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#194 道は開ける・・・大学入試の季節への応援歌

  2021.11.1
市川学園理事長・学園長 古賀正一


10月はノーベル賞の季節、今年は物理学賞を米国プリンストン大学の真鍋淑郎博士が受賞され、うれしいニュースが日本中を駆け巡りました。受賞理由は、気候の物理的モデリング、気候変動の定量化、気候温暖化の着実な予測でした。博士は受賞後のインタビューで、研究は「好奇心(Curiosity)」が原動力であり、本当に好きなことに注力することが若い人には大切と述べられました。日本人の自然科学部門での受賞者は25名(物理12、化学8、生理学・医学5)となり、内21世紀での受賞は、実に19名で米国に続き2位であります。若い優秀な人材が、物心両面にわたり日本で研究しやすい環境をつくることが、今の日本の急務です。これまで本校では土曜講座で、野依、小柴、根岸、大隅の4人のノーベル賞受賞者にご講演を頂き、生徒達に大きな刺激をいただきました。

いよいよ高校3年生は大学受験に向けての最終段階です。大学入学共通テストも出願を済ませ、学びに拍車がかかっています。また学校推薦型選抜(指定校推薦)は学内選考後出願し、総合型選抜(旧AO選抜)も、難関国立・私立大学に多数出願します。更に公募制の学校推薦型選抜も、東大、阪大、名大、筑波大、千葉大、国立私立の医学部など難関校に多数出願します。一般選抜は、1月15日16日の大学入学共通テストを経て、2次選抜に向かう生徒が多数です。生徒は勿論のこと、高3学年教員団も、最後まで受験指導に力を注いでいます。校内の自習室は朝7時から20時(高3生のみ)まで開き、自分で計画した学びを続けています。プレミアム講座や年末年始の大勉強会、更に2次試験直前まで教科毎に種々の特別ゼミが行われます。

自習室を覗くと、懸命に学ぶ生徒、廊下の白板で互いに討議し教えあっている生徒など多様です。入試が近づくにつれ、顔が引き締まって来るのを見るにつけ、最後までやり抜く熱意と努力に対し心の中で応援しています。一方長い人生、1年や2年の遅れは全く問題なく、自分が本当に希望する大学・学科に進んでもらいたいと思っています。コロナウイルス感染症が収束し安心・安全な中、大学入試が行われことを念願しています。

本校の進路指導部が力を込めて、毎年4月に発行する『進路の手引き』(約130頁)があります。理事長・校長の巻頭言、市川の学習のスタイル、進路の学びのカレンダー、データを駆使した昨年度の入試分析、共通テスト分析、難関大学合格者の受験体験アンケート、推薦入試、過去3年間の大学合格者数など豊富な内容の必読冊子です。

小職は巻頭言に毎年次のような事を書いています。(以下要旨)

「目標への志・・・意志あるところに道は開ける」

諸君は一人ひとり違った素晴らしい才能を持つオンリーワンの存在である。たった一度のかけがえのない人生で、君の才能を存分に生かし、世のため人のために尽くしてほしい。

1.人生で大切なことは、学び自分を磨き続けること; 自ら考え学び、目標に挑戦しつつ、一生学び続けることである。「第三教育の達人」を目指してほしい。

2.進路を決めることは、人生の大きな決断である; 進路選択は、如何に生きるかを真剣に考えることであり、単に大学に入ればよいという安易な作業ではない。悩み自問し、人に相談し、進学情報を検討し、最後は自分で決めたい。

3.これからの世界でどう生きるか; インターネット時代・グローバル時代である。解決しなければならない課題が多々あり、諸君がパイオニアとして解決に参加することになろう。意欲とやり抜く情熱、コミュニケーション力をもち、たくましさと思いやりのある人間に成長してほしい。

4.進路選択と目標達成のための具体的アドバイス;

① まず自分の将来をイメージしてほしい; 好きなこと、心底楽しいことをイメージする。先ずはそのイメージに合った分野を探したい。入試科目の少なさで大学を選ぶのは、自分の可能性を狭め得策ではない。

② 目標を立て計画し実行しよう; 具体的な志望大学・学科のレベルと現在の自分の力の差を知り、差を埋める勉強の計画を立てることだ。苦手科目の克服と、得意科目を伸ばすことが大切。過去問研究や受験のスキルも重要。

③ 初志を貫徹したい; 本当にやりたいことは簡単に捨てるべきでない。「人生二度なし」。困難でも希望する大学を目指そう。

④ 試験勉強と真の学問としての勉強は一致できる; 本気で学んだことは、一生涯身につく。社会に出れば、文系でも自然科学の知識が必須であり、理系でも社会・人文科学の知識は不可欠である。基礎の勉強は、人生今しかない。

⑤ 毎日の小さな努力の継続こそが成功の鍵である; 健康とコンディションづくり、早起き、食事をきちんととるなど、日常の生活習慣が大切である。

正しい努力を続ければ、必ず道は開ける。諸君の成功を確信し応援しよう。

「道; 道は自分でつくる、道は自分でひらく、ひとのつくったものは自分の道にはならない。」(相田みつを)