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2022.11.30理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#207 世界に羽ばたけ・・チャレンジの重要性

2022.12.1
市川学園理事長・学園長 古賀正一

 11月は、宿泊行事が本格的に再開され、2泊3日の中2京都研修旅行、3泊4日の高2沖縄修学旅行、2泊3日の中3長崎・広島・北陸分散型修学旅行を無事実施できました。およそ3年間集団での宿泊旅行を経験していない生徒であり、感激も一入、良き思い出になったと思います。

 高校3年生は、いよいよ自分の目標・進路に向かう最終コーナーの時期です。悩むこともあるでしょう。悩むことが進化への道です。大学受験も多様化してきました。一般入試選抜以外に総合型選抜、学校推薦型選抜(含む指定校推薦)などです。いずれにしろ大学入試、高校入試、中学入試ともに、合否は僅差です。合否ラインの所に数十人、数百人がいるので、数点の差で合否が決まります。従って最後まで諦めないこと、心と体の健康を保つこと、試験のある昼間にベストコンディションになるような良い生活習慣(適切な睡眠、早起き、朝ご飯)を身につけることが重要です。人生100年時代、目標の山を登頂するにはいろいろな道や登り方があり、やり直しや方向転換もできる時代です。是非自分の好きな道、チャレンジ精神を忘れないで下さい。大学入学後も社会に出てからも夢と目標へのチャレンジは大切です。成功した人の例を見ると、何回失敗しても決して諦めないことが共通しています。社会に出て起業する人もでてくるでしょう。起業にこそ、チャレンジし失敗しても簡単に諦めないこと、やり直しやり抜く精神が大切です。成功率は100に1つ、1000に3つとも云われています。

 先日捜し物をしていたら、かつて異色の将棋の名人といわれた米長邦雄さんの色紙が出てきました。4人兄弟の長兄が、私と大学同期、クラスも同じで、学生将棋の名人でした。その関係で米長さんとも親しく食事をし、色紙を書いていただきました。曰く、『勝てば官軍、負ければ辛抱、負かされても負かされても青い山』米長氏は、名人の挑戦権を得ても負け続け、7度目の挑戦で初めて名人位を獲得、時に50歳でした。まさに青い山(名人位)に挑戦し続けたのです。

 11月の土曜講座では、久保田孝JAXA宇宙科学研究所教授(東大大学院電気系工学専攻教授)による「地球の起源を求めて『はやぶさ2』プロジェクトの挑戦」の演題でご講演があり、300名以上の生徒に深い感動を与えていただきました。昨年は遠隔講演でしたが、今年は対面で先生の話を直接聴くことができ、質問も活発でした。自身の若い頃の生活と体験、宇宙の謎、『はやぶさ2』を通じた夢の実現の話、特に御自身の長い体験からの生徒への7つのメッセージが印象的でした。
 1.何にでも興味を持つこと(体験、心を開く、挨拶は始まり)
 2.失敗を恐れない(前向き、明るく)
 3.友人をもとう(多種の友人、友人から学ぶ)
 4.ものごとのどおりを理解する(本質をつかむ)
 5.実力(自信)をつけること(得意分野をもつ)
 6.夢をもとう(人生を生き抜く希望)
 7.体力が重要、健康第一(困難な仕事の達成、諦めぬために)

 さて11月には素晴らしいうれしいことがスタートしました。画期的な学園の奨学金「HKなずな奨学金」の創設です。ご本人の希望で寄付者名は公表いたしませんが、本学園の中学校・高等学校の卒業生です。寄付者の熱い思いは、学園の生徒がもっと海外の大学に進学しグローバルに活躍して欲しいこと、また国内外で新しいこと特色ある研究や活動に意欲的にチャレンジしてほしいこと、そのような生徒を応援するため、奨学金で支援したいということです。有難いことです。そのための資金として毎年学園に寄付して下さることになりました。勿論寄付者の母校市川学園発展への強い思い、生徒への深い愛情、創立者への敬愛の念があります。
 大きくは2種類の奨学金に分かれます。
 第1は、「海外大学奨学金」です。本校卒業後、直接海外大学に進学する生徒の授業料等の一部を支援する奨学金です。(年間総額800万円まで)
一人当たり毎年100万円から200万円が4年間にわたり支給され、各年度1~2名が対象者となる大型奨学金です。
 第2は、「国内外チャレンジ活動奨学金」です。(年間総額200万円まで)
以下4種類でチャレンジする生徒を支援します。
 a)短期即ち2週間以上3ヶ月未満の海外留学で自らの可能性にチャレンジする生徒
 b) 長期即ち3ヶ月以上1年未満の海外留学で自らの可能性にチャレンジする生徒
 c)特色ある研究や活動にチャレンジし、国内外での大会やコンテストへ出場する生徒
 d)特色ある研究や活動にチャレンジし卓抜した能力や意欲が認められる生徒
 各年度、a)とb)の海外留学あわせて10名以内、c)とd)は各10名以内で合計最大30名です。全て単年度奨学金で、b)長期留学20万円、a)短期留学10万円、c)とd)は5万円です。
 これらの候補者選定は、願書により応募してきた生徒の中から学内の選定会議で候補者を選び、運営委員会で決定します。優秀な意欲ある多くの応募者がこの奨学金により、自分の夢と目標にチャレンジすることこそが、寄付者に報いる道だと思います。
 夢と希望、目標を持ち、大きなことにチャレンジする若い特色ある有為な人材が更に多く学園から輩出され、次世代の日本を築いて欲しいと心から念願する昨今です。

  「小さな努力の継続で世界に羽ばたけ」(寄付者からのメッセージ)