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2014.08.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#106 第3次中期計画は、学園飛躍の新スタート

 2014.8.1
市川学園理事長・学園長 古賀 正一

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8月は陰暦葉月(はづき)、日本気象協会の『季節のことば36選』では、「原爆忌(広島と長崎)」「流れ星」、「朝顔」です。

学園は夏休み期間中も、生徒の活動が活発ですが、8月10日(日)から17日(日)の8日間は学校完全閉鎖期間となります。この間に普段できない施設の清掃・修理・点検などが行なわれます。

 

 

A.今月の話題; 第三次中期計画は、学園飛躍の新しいスタート

2003年に新校舎を建設し、男女共学の学校に生まれ変わった時から中期計画を立て、ビジョンと目標を羅針盤として明示し、施策をたて実行してきました。年度計画にブレークダウンし、実行案件は、毎週木曜日の教育経営会議で討議し、結論をだし即実行できるのは私学の強みです。

第一次の中期計画(2003-08年度)は、共学への変革であり、初めてなのでトップダウンで中期計画を作り実行しました。
第二次の中期計画(2009-13年度)は、各大項目につきワーキンググループを作り計画を練り具体化し推進してきました。

今回の第三次の中期計画(2014-17年度)は、創立80周年を中期計画期間にふくみ大きなビジョンと目標を提示し、常勤以上全教職員の参画で半日3日の討議日を4月の始業式前後などに設定し、拡大発散型に議論し、その後経営会議メンバーで、統合しまとめたものです。全教職員が情報を共有し、学年、教科、校務分掌に従って、計画の実行に具体的に参加する意義は大きいと思います。

1.第三次中期計画の骨子
建学の精神である独自無双の人間観、一人一人をよく見る「なずな」教育、自ら学ぶ第三教育の達人をめざす(我以外皆我師)は不易の3本柱です。

基本方針(中期計画を貫く教育方針);
(1)生涯自ら学び続ける力(第三教育)を有し、世界で活躍できる品格あるリーダーを輩出する『リベラルアーツ教育』を推進する。

(2)国内の難関国立大学および海外の有力大学へ安定した合格実績を有する進学校として、全国トップレベルの卓越した学園をめざす。
具体的現役合格目標;最難関大学、難関国立10大学および国公立医学部、国公立大学、難関私大、海外大学の全てに最終年度に到達すべき目標を示す。

(3)授業・学校行事・課外活動等、全ての教育活動において生徒の主体的活動を活発化させ、強さと思いやりを持つ人間力を高めて、ノーブレス・オブリージュ(リーダーとしての責務)を養う。

(4)教職員の採用・研修・研究および教職員間の切磋琢磨を活性化させ、個人ならびに教職員集団としての教育力・人間力を卓越させて、生徒の範たり得る学びの組織体を構築する。

(5)明るく活発で、顧客志向、外部との連携、地域との共生を重視した、スピーディで風通しの良い組織風土を持つ、開かれた学園をめざす。

(6)常に安定した基盤を構築し、しっかりとした学園統治(ガバナンス)、法令順守(コンプライアンス)、安全と危機管理を重視し、教育向上に資する教育環境(ハード・ソフト)を更に整備拡充する。

 

2.『リベラルアーツ教育』を教育方針の中核にすえ、知徳体情操教育の全てにわたり教育の質の向上を図ります。(リベラアーツ教育については、なずなメッセージ104、14年6月1日参照)

具体的には、進学力を含めた真の「学力」、古今東西の知に立脚した「教養力」、論理的思考と課題研究のできる「科学力」(サイエンス力)、グローバル社会に対応できる「国際力」(グローバル力)、徳を重んじ実践できる「人間力」の5つの力を育成することにあります。

学園創立者古賀米吉が、留学中英国の全寮制私立パブリックスクールの教養豊かな紳士の養成、リーダー教育に感銘し、自ら学ぶ第三教育を重視し、英語力の土台は中身を理解できる教養力にありと喝破した点からも、リベラルアーツ教育は、本学園の建学の精神の具現化であります。

 

3.学園としてのスローガンは、下記です。

  高くより高く(Higher and higher)
  紳士淑女たれ(Be gentlemen and be ladies)
  教育改革と進歩に終わりなし(不易変革)

 

4.具体的な施策は、学力、教養力、科学力、国際力、人間力、教職員と教育力、教育システム、経営と環境、外部交流の9つの大項目に分け、さらに中項目として35の項目に分け施策が記述されています。またその中で学園行事、クラブ活動と運営、生活マナーとネットマナー、生徒の主体的活動の促進、教職員研修の改革などは早急に検討し具体化する重要項目としています。

各中項目は年度ごとの施策と中心の担当部署を明記し、今後のフォロウを含めた主推進者(幹部)を指名し推進して行きます。すでにいくつかの項目は、具体的実行に移っています。

国の教育改革は、教育再生実行会議や中教審で教育立国をめざし検討されています。学校制度改革、国際化と大学改革、大学入試制度、グローバル人材育成、学習指導要領の方向など見据えながら、私学である市川学園は、国や世界の動向を先取りしトップランナーとして教育を更に進歩させる必要があります。勿論十分中身を練り、改善を確認したうえで、果敢に実行することが必要です。

市川学園の第三次中期計画には、総合グラウンドの建設、80周年の記念行事、リベラルアーツ教育、SSHの第二期5年間の推進、ユネスコスクールの活動やMOOCの取り入れ、超難関大学や海外大学への進学など、更なる質の高い教育をめざし終わりなき教育改革に挑みます。第三次中期計画の達成こそが、今後の市川学園発展の土台となると確信しています。

 『常識や過去の陋習にとらわれることは進歩を阻害する』

B.7月の主な学園行事

1) 7/4(金)-7/9(水) 1学期の学期末試験4日間
試験1週間前から特別校長許可以外はクラブ活動もなく、1学期の成果を試す期間。やはり集中した勉強とテストにより基礎学力が蓄積される。また自分の間違った部分を復習理解することにこそ意味がある。恒例の高3全員の激励カレーライスを食べる行事は、7/9試験終了後、高3教員スタッフによる仕込みと調理で、500食以上ふるまわれた。生徒を暑さに負けぬよう激励する会だが、皆で食べるカレーの味は格別においしい。高3スタッフの熱意のしるし。

2) 7/12(土)第二期SSHの生徒課題研究中間発表会
午前は生徒達が、日頃の実験を近隣小学生保護者約200名にプレゼンテーションする恒例の『高校生が教える理科数学体験講座』を実施。物理・化学・生物・算数など34件について実験し、小学生に教えるもの。巨大なダルマ落し(物理)、電気メッキ(化学)、DNAを取り出す(生物)など興味深いもの多数。同級生や大人に説明するより難しいものであり、人間は教えつつ学ぶものである。(セネカ)
午後のポスター発表は、117件。内訳は、物理41件、化学38件、生物33件、数学5件。まだ課題研究がスタートしたばかりだが、運営委員の先生方や大学名誉教授の先生方のアドバイスを受けた。課題テーマとして面白いものユニークなものが多数ある。

3) 7/10(木)中3のテーブルマナー講習(ホテルグランドアーク半蔵門)と歌舞伎鑑賞(国立劇場)
正式の西洋料理の会食のテーブルマナーを知っておかないと、将来恥をかく。グローバル時代には必須。ナイフとフォークの使い方、スープの食べ方、パンの位置などいくつかのルール以外に、周りの人と共に会食するマナーも大切。対話せず一人だけ黙々と食べる、他の人の食事のスピードより極端に早い、遅いなどはマナー違反。
また歌舞伎は日本の伝統的舞台芸術ゆえ、日本を外国人に紹介するうえでも重要である。当日は歌舞伎の見方解説の後、「傾城反魂香」の中の一幕を鑑賞。

4) 7/18(金)終業式後の行事
終業式終了後は、恒例の前期夏期講習(7/19-8/2)79講座、中1の一宮夏期学校(全員3泊4日、4期に分け実施)、中2関西夏期学校(全員2泊3日)など実施。その他クラブ活動・合宿は多数。いずれもこれまでに大きな事故などなく、「無事是貴人」である。