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2016.01.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#124 生徒の背中を押す教育

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市川学園理事長・学園長 古賀正一

平穏に新年を迎えられたことを、当たり前のことながら共に寿ぎ、感謝したいと思います。

人・物・金・情報が世界を駆け巡るグローバル時代の今、世界の各国の出来事が日本にも、政治・経済・文化・教育の面で影響を及ぼします。年初にも国家間の対立、テロ、貧困、飢餓、難民などの悲しい出来事が生々しく伝わってきます。争いは人間の性(さが)なのかと悲観しつつも、人間の理性に希望を持ち、地球丸の平和を念願する次第です。

さて、今年学園は、創立80周年の前年でもあり、教職員一同日々前向きな努力を積み重ね、更なる発展、教育の質の向上に尽力する所存です。

『静かな眼、平和な心その外に何の宝が世にあろう』 (三好達治「冬の日慶州仏国寺畔にて」の一節)

 A.今月の話題・・・生徒の背中を押す教育と対外活動の重要性

これからの教育で重視されるのは、確かな基礎知識・技能の習得とともに、思考力・判断力・表現力をつけること、更には主体性、多様性、協働性を育成することです。このためには自ら主体性をもった能動的学び(アクティブ・ラーニング;AL)が不可欠であり、教育の本質でもあります。

これは本校の第三教育の実践でもあります。現在文部科学省を中心に、『大学教育・高校教育・大学入試の一体改革』(通称;高大接続改革)が検討され、具体化されつつあります。学習指導要領もこれに沿った変更の検討が進められています。

学園としては授業の中でのALの実践を強化すべく、創立80周年事業の中心としてALの環境整備、ALの教育研究・実践のための『ALICEプロジェクト』(Active Learning for Ichikawa Creative Education)を推進しています。実はAL的授業は、本校ではすでに一部で実践していますが、さらに先行して全教員に波及しようということです。

一方ALとして重要なのは、生徒の「主体性」「学ぶ意欲」「モチベーション」であり、ALは通常授業のみでなく、各種の特別授業、ゼミ、研修、学校行事、生徒会活動、クラブ活動などを通じても学べます。学びのチャンスは多様です。生徒のやろうという意欲をかき立たせ、躊躇する生徒のモチベーションを上げること、即ち『生徒の背中を押してあげる教育』と教師の存在が重要です。教師が生徒の背中を押すことで、生徒は飛躍のチャンスをつかみます。

最近学校外の種々のコンテスト、課題研究発表、論文や作品募集にチャレンジし、入賞して自信をつける生徒が多く、うれしい限りです。校外活動として同年代の他校生徒と競い合うことは、きわめて重要です。例を上げればきりがないほどです。12月の報告の一例を挙げれば、以下の通りです。

※ 第13回高校生科学技術チャレンジ(JSEC)に入賞
12日13日最終審査が行われ、当校高2年生女子3名が、『ルミノール反応の化学発光振動反応の反応機構の研究』で花王賞を受賞。全国129校255研究の中から7指に入る快挙。5月に米国アリゾナ州フェニックスで開かれるインテル国際学生科学技術フェア(ISEF)に日本代表で出場予定。

※ 慶応大学小泉信三賞論文コンテスト入賞
全国から262応募作品の中から高2年生女子が主席、次席に次ぐ入賞(佳作)。論文題名は、『日本を広報する…ハワイの中の〔日本〕からの考察』。

※ 野村総研(NRI)小論文コンテスト高校の部入賞
全国2433件の応募の中から高2年生女子2名が優秀賞、奨励賞に選ばれた。優秀賞の論文は、『発展途上国の女子を救うために』

お手本のない時代、新しい職業や事業がどんどん出てくる昨今、ALは不可欠です。また新しい大学入試制度の中でも、国立大学が、学力だけでない推薦・AO入試を行う方向で、将来は30%が推薦・AO入試での入学を目標としています。そのとき重視されるのは、高校時代に何をやってきたか、何がその生徒の特色か、更に校外活動や他流試合の実績です。

生徒にチャンスを与える、チャレンジを促す、やってみよう精神を奨励するなど『生徒の背中を押し激励する』、いわばスポーツにおけるコーチの役割が、教員に求められる昨今です。

B.2015年12月の主な学園行事・活動

  1. 4日(金)SSH中間発表会、第二回運営指導委員会
    1日(火)、2日(水)に続く3日間の中間発表最終日。運営指導委員からは有益な指摘を受けた。発表数は物理、化学、生物、数学合計で120件。
  2. 5日(土) 千葉県私学功労者表彰
    今年は5名の教職員が表彰された。(於;アパホテル・リゾート東京ベイ幕張)
  3. 7日(月)~10日(木) 2学期学期末試験
  4. 12日(土) 帰国生入試
  5. 17日(木) TOEFL-ITP校内試験
    中学、高校合計73名受験。昨年比1.55倍。帰国生以外に多くの一般生も受験。
  6. 19日(土)~25日(金) SSHタイ王国研究交流会
    王立プリンセス・チュラボーン校グループ12校との研究交流・発表会に生徒10名が参加。SSH海外交流事業の一環で、日本からは当校を含め連携校他25校が参加した。
  7. 22日(火) 終業式
  8. 22日(火) 『Thank The Year Concert』
    毎年恒例の国枝記念国際ホールでの年末コンサート。オーケストラ部、ブラスバンド部、音楽部、演劇部の協働によるコラボコンサート。本年は、東京芸術大学指揮科入学の卒業生が後輩のオーケストラを指揮した。
  9. 24日(木)~26日(土) クリスマス中学英語セミナー『Xmas English』
    夏の5日間のエンパワーメントの短縮版で、中学3年希望者に対する英語による集中的参加型討議授業。生徒6~7人に一人の外国人講師がつくが、講師の国籍が様々なのがよい。シンガポール修学旅行のフォロウアップにもなった。
  10. 24日(木)~26(土) 高3生冬期講習
    社会(世界史、日本史、倫理)、数学、理科(物理、化学、生物)などに注力
  11. 28日(月)~30日(水) 高2勉強合宿
    国立オリンピック記念青少年総合センタで2泊3日の勉強合宿。勉強時間を確保し、集中力・精神力を鍛える。176名参加。
  12. 2016年中学・高校入試出願からインターネットでの出願を導入した。