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2018.04.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#151 「市川アカデミックデイ」…自ら学ぶ第三教育力の習得

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市川学園理事長・学園長 古賀正一

4月は新年度の始まり、新しい出会いの季節です。中学生326名(定員320名)、高校生438名(定員430名。うち高入生117名、内進生321名)を迎えるため、万全の準備を整えています。新入教職員のための2日間の初任者研修をはじめ教科会議、学年会議、健康診断、全教職員参加の「年度方針発表会義」などを経て、始業式、入学式、新入生徒オリエンテーションと続きます。多忙ではあるが、密度の高い、年度初めの年中業務です。この新しいスタートの成否は非常に大切です。

学園は生徒の能動的学習、自主的な活動や課題研究、学外コンテスト応募や発表など『やってみよう精神』を重視し、支援・奨励しています。これからのAI時代こそ、本学園の建学の精神である自ら学ぶ「第三教育力」をつけることが重要で、その修得のコツ(要領)をあげてみます。

1. 先ず始めること
準備に手間をかけ結局やらないことが多い。学習のスイッチを入れたら、アクセルを踏みこみ、すぐスタートすること。新しいことへの参加も、まず応募してみること。

2. 習慣化すること
自宅での学習・読書は、短時間でも日々続け、習慣化すること。習慣は、努力によって得られる第二の天性である。怠惰や悪い習慣が人間を堕落させる。

3. 目標が大切
目標があれば、努力しやすい。人生の目標、進学目標は大切だが、とりあえずは今学期の目標をたててみたらどうだろう。目標と現在の差を見れば、何をやるべきかが分かる。得意な教科の更なる向上、嫌いな教科の克服、自由参加のゼミ・講座への積極的チャレンジなど、やってみよう。

4. 時間の活用
通学時間、待ち時間など細切れの時間を大切にしたい。集中力がきめてである。日々細切れの時間の合計30分は貴重で、年間180時間と膨大になる。まさに積小為大である。朝7時から開く第三教育センターと自習室は、自ら学ぶ時間を過ごす最適な場である。

5. 疑問と好奇心
疑問、好奇心、興味を持つことから学びははじまる。分らないことは、辞書や本やネットで調べるくせをつける。更に友人との対話や先生のアドバイスは貴重である。

6. 主体的に学べば楽しい
人に言われてやるより、自ら計画して学ぶ方がずっと楽しい。好きなことを見つけること。楽しい学園生活は、皆さんの進歩・成長からはじまる。

7. 学びと休息のバランス
睡眠や休息、気分の転換は重要である。身心の健康は学びの土台である。気分のよい時間帯に集中して学び、疲れたらリラックスすること。

さて、2017年度最後のイベントとして、学園あげての新しい行事「市川アカデミックデイ」を3月10日に開催しました。SSHの年度末課題研究発表会(ポスター発表138件)、高校生が教える理科・算数小学生体験講座(27講座)と並行して、「アカデミックな生徒口述発表会」として生徒の国内外の研修、各種対外コンテスト受賞研究、自由研究、SSH課題研究などのプレゼンテーションが国枝記念国際ホールで行われました。

中高一貫の学校の特色を生かし、中高にわたる先輩・後輩の発表と聴講を通じて、刺激を受けること、プレゼンテーションを学ぶこと、聴く力・質問力を習得することは、非常に良い互いの学びの機会です。1部、2部、3部にわたり、各部10~11テーマでプロジェクタなどを駆使し口述発表がされ、聴く側は入替制で、中1~高1及び高2文系生徒全員が参加しました。

聴く生徒はコメントシート(発表のテーマ、発表者の工夫した点、自分の感じたこと)を記述し提出しました。以下いくつかの発表テーマを例示します。

○リーダーとは何か(日本の次世代リーダー養成塾に参加)
○中学硬式テニス部はなぜ県大会に優勝できたのか
○福島モニターツア研修報告
○アフリカの光と影~ボランティアで見る将来の夢(トビタテ!留学JAPAN)
○情報技術で学校に役立つロボットを作る
○古典と向き合う(市川アカデメイア)
○フランスピアノ留学(ラヴェルの魅力;「水の戯れ」演奏、トビタテ!留学JAPAN)
○農業の未来(高校生が棚田を変える;高校生ビジネスグランプリ)
○国際研修(イートン研修、ケンブリッジ大研修、オクスフォード大研修、ボストン・ダートマス大研修、カナダ研修)
○模擬国連を通してみる世界のいま、天才なんていない!(WorldScholarsCup参加)
など多彩でした。

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丸一日の全校あげての大行事でしたが、外部の都内名門校などの校長以下教員、教育研究所の先生、SSH関連の大学関係者など多数の方に視察いただき、発表者も聴講者も互いに学ぶ、充実した知的な一日でした。

今後ともこの「市川アカデミックデイ」は、毎年継続され、学園の特色ある伝統行事になることでしょう。