NEWS新着情報

2019.04.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#163 何でも見てみよう、やってみよう

2019IAD2019.04.01
市川学園理事長・学園長 古賀正一

4月は新たな出会いの季節です。クラスの変更、新入生との出会い、新しい担任や教科担当との出会い、新任の先生の就任などあり、新鮮でエキサティングな1学期のスタートです。楽しい学園の源泉は、友人・先輩・後輩・先生との素晴らしい出会いと良き人間関係です。

本学園は自ら学ぶ「第三教育」を土台に、リベラルアーツ教育を基本として広い教養を身につけると共に、多くの本を読み友情を深め、自分のやりたいことを存分にやってほしいと思っています。

授業、学校・学年の共通行事(修学旅行、なずな祭、体育大会、球技大会、合唱祭、芸術鑑賞会…など)、部活動以外に、生徒自身が希望選択できる多くの『選択メニュー』が用意されています。教師から紹介、説明、奨励はしますが、あくまでも選ぶのは生徒自身です。自分の好きなこと得意なことを発見すること、進路選択に結びつけること、自身の気づかぬ才能を知ることなど有意義な楽しい時間です。

重要なのは、生徒自身の『やってみよう精神』即ち主体性です。学校が主催する各種のゼミ・講演・研修以外に、学校が外部イベントやコンテストなどへの応募を呼びかけ紹介するもの、生徒自身が調べ単独で応募するものなど多様です。『何でも見てみよう、まずやってみよう』という好奇心が、『選択メニュー』を選ぶもとになるのです。

中高時代という二度とない青春のときを充実してほしいと思います。授業以外に部活があり、『選択メニュー』など時間が足りない、忙しいと言い訳するかも知れません。しかし成功する人は時間を上手に使う技術即ち時間のマネージメントがうまいのです。時間をうまく使うためには、知恵やコツがあります。まず計画をたてること、すぐやり始めること、細切れの時間をうまく使い時間を無駄にしないこと、LINEやゲームなどスマホを使う時間をきめること、規則正しい生活を心がけるなどです。

ローマの哲学者セネカは、『人生の短さについて』(岩波文庫)という本のなかで、『人生は確かに短い、しかしわれわれは短い時間の多くを浪費しているのだ、充実して生きれば人生は十分長いのだ』と説いています。

具体的には下記のような多数の『選択メニュー』があります。

学校や学年が企画する選択行事

土曜講座(年間16講座、各分野の識者の講演)、語学研修(イートン、ケンブリッジ大、オクスフォード大、ダートマス大、カナダ、NZ)、エンパワメントプログラム(外国人による短期活性化プログラム)、リベラルアーツゼミ(LAゼミ:高2文系対象)、市川アカデメイア(哲学の対話ゼミ)、グローバル講座・ゼミ、寺島実郎学園特別顧問講座、ふくしま学宿、SSHの校外学習など。

学校が情報を提供し希望者が応募するもの

トビタテ!留学JAPAN、WSC(The World Scholar’s Cup)、模擬国連、数学・科学オリンピック、科学の甲子園ジュニア、ビジネス・グランプリ、JTB交流創造賞、CMA(Change Maker Award)、CRS(Camp Rising Sun)、全国論文コンテストなど多数

個人として応募するもの

夏期休暇中の海外サマースクール参加、海外ボランテイア活動など多数

学園ではこれら多くの『選択メニュー』などで学んだことを発表し、他の生徒に伝える場として、年度末に『市川アカデミック・デイ』を行っています。今年も去る3月9日(土)に行われました。3部35件の口述発表が国枝記念国際ホールで行われ、70件のポスター発表は、133件のSSHの年度末課題研究発表とともに、古賀記念アリーナで行われました。

中1から高2までの生徒が参加し、活発な質疑応答もあり、互いに学ぶ充実した一日でした。学外から大学・高校の先生方、教育関係者も多数来校されました。

今年3月卒業したY君は、「棚田の未来を守れ!」の事業で、17年度日本政策金融公庫の高校生ビジネス・グランプリで最優秀賞(グランプリ)を受賞しました。しかし彼はこの目標を一過性でなく、里山研究会や里山塾として発展させ、更に事業化を目標に大学に入学後も続けるとのことです。第一志望の難関大学に見事合格しましたが、陸上競技部でも活躍し、将にいろいろやってみよう精神の優等生でした。また高校1年のMさんとその友人グループは、アイディアコンテストを校長に提案し承認され、『イチカラ』と名付け、「毎日が楽しくなるような文房具」のテーマで生徒からアイディアを募集しました。アカデミック・デイの発表の場で7チームをCM方式で紹介し、楽しさ・斬新さ・実現可能性で審査投票するイベントを実行しました。

授業・行事・部活は勿論、『選択メニュー』への自主参加、新しい企画などを通じ、自分のやりたいことを学園生活で存分やってほしいと思っています。

 『やってみなはれ、やらなわからしまへんで』(サントリーの創業者鳥居信治郎)