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2021.01.07理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#184 Carpe diem (今日一日を大切に)

2021012021.01.07
市川学園理事長・学園長 古賀正一

新年は希望と目標を述べるのが普通ですが、今年はコロナが収束し、当たり前に人々が交流できる普通の社会が来ること、世界が平穏になることを心から祈念したいと思います。

いよいよ今日から3学期です。医療体制が逼迫する中、本日緊急事態宣言が1都3県にだされます。但し今回教育分野では一斉休校は要請されず、教育活動の継続や感染対策を徹底すること、大学入学共通テストは予定通り実施することなどが報じられています。学園喫緊の課題は、3学期が順調に始動し授業ができること、中学・高校の入学試験が無事に行えること、そして高3生が、大学入学共通テスト、国立2次試験、私大入試で十分に実力を発揮できることです。このために必要な対策は最優先でとりたいと思います。感染防止対策は、更に徹底し啓蒙して参ります。

昨年は本当にコロナ禍に翻弄された1年でした。一人一人が感染防止対策をしっかりとることこそが、収束に向かう道だと思います。危機感を持って一層の感染防止の継続的努力が必要です。
コロナ禍は、人生で真に大切なものは何かを考える期間でもありました。いのち、水・食料、心身の健康、家族や親しい人との時間、読書・音楽など一人の時間を楽しむことなど生き方を学ぶ時間でもあったと思います。一日一日を大切に生きること、無事であること、普通の日常と安全がどんなに大切か、まさに『無事是貴人』を実感した1年でした。

生徒は建学の精神である自ら学び、生涯学び続ける『第三教育力』を磨くチャンスでありました。具体的には、学校の授業・部活・行事とともに、自主的読書、国内外の遠隔講義などのコンテンツを活用すること、外部イベントに積極的にオンライン参加することなど、多くの自主的な活動をしてきました。具体的な生徒の活動成果のほんの数例をあげてみます。

  • 「全国高校生社会イノーベーション選手権(東大主催)」での高1生 4名チーム優勝
  • 全国物理コンテスト「物理チャレンジ2020」で優良賞、奨励賞受賞
  • 「東大・千葉大グローバルサイエンスキャンパス」、「阪大・東京医科歯科大学・順天堂大学の未来の医療を創る君へ」など外部のイベントに積極的に応募し合格し、オンライン参加
  • 水泳部高1生「千葉県高等学校新人体育大会」にて男子1500m/400m自由形優勝
  • 卓球部高2生全国大会出場決定    など

コロナ禍の中、医療従事者をはじめ生活・安全に必要不可欠な仕事に従事する人であるエッセンシャルワーカーの方々、現場を担う必要不可欠な方々に心から感謝の念と敬意を表したいと思います。
実は我々教職員も、生徒の教育を保障する意味からも、エッセンシャルな職業です。我々も気概を持って、自分自身と生徒の感染防止、健康管理に十分に気をつけつつ、生徒の教育、学園生活の充実に尽力したいと思います。

コロナ禍の中を生きながら、今日一日を大切に生きること、丁寧に生きること、学び続けることこそが人生であり、「今」、「今日」、「ここ」を大切に楽しむことの重要性を改めて思いました。その意味で『Carpe diem カルペ・ディエム』というラテン語のことばに強く惹かれました。その日の花を摘め、今日一日、今という時を大切に使えという意味で、紀元前1世紀の古代ローマの詩人ホラティウス(BC65~BC8)の歌集に現れる語句です。
同様な意味の箴言や語句は古今東西多数あり、その数例をあげます。

  • memento mori  死を想え    (古代ローマの警句)
  • われわれにはわずかな時間しかないのではなく、多くの時間を浪費するのである。人間の生は、全体を立派に活用すれば十分に長く、偉大なことを完遂できるよう潤沢に与えられている。    (セネカ:ローマの哲学者、生の短さについて)
  • 明日死ぬかのように生きよ、永遠に生きるかのように学べ    (マハトマ・ガンジー:インドの宗教家、政治家)
  • 苟に日に新たに、日日に新たに、又日に新たなり    (大学、中国殷の湯王)
  • 人生とは今日一日のことである    (デール・カーネギー:米国実業家)
  • 時間を最も有効に利用した者に、最も立派な仕事ができる    (嘉納治五郎:日本の柔道家・教育者、柔道の父と呼ばれる)

21年はCOVID-19パンデミックが収まり終息し、海外研修など生徒のグローバル活動が復活すること、部活動の大会や学園行事が通常に戻ること、教育のデジタル化により能動的教育・反転授業が更に進むこと、体験や実験、教職員と生徒、生徒同志のリアルの時間が十分に持てることを心から願っています。