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2007.05.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#19 学園と卒業生~細矢雅弘氏の紫綬褒章受章を慶び

理事長・校長 古賀正一

卒業生の各分野での活躍が報じられることほどうれしいことはありません。
自分の得意な分野や職業を通じて、それぞれ世のため人のため役立つこと、随所に主となること(随所作主)こそ本校の教育の基本目標であり、願いです。

それぞれの分野で優れた卒業生を輩出するには、長い年月と伝統の力が必要です。この伝統の力と3万人を超える多くの卒業生の活躍は本校の大きな資産であり、また誇りでもあります。
お蔭様で本校はこの4月15日に創立満70年を迎えました。19年度は70周年の年度であり、男子(校)学年の最終年度であり、共学が中学1年から高校2年までとなる中期計画の重要な年度です。
あらゆる意味で、学園全体がステップアップする年度としたいと思います。

さて今年春の褒章受賞者が、4/28に発表されました。
学問、芸術、スポーツの分野で大きな功績を残した方が対象の紫綬褒章では29名の方々が選ばれました。歌舞伎俳優の市川団十郎さん、柔道のロサンゼルス五輪金メダリスト山下泰裕さん、劇作家つかこうへいさん、俳優の北大路欣也さんなどです。

そのなかの技術発明改良の分野で、本校卒業生の細矢雅弘氏が受賞されました。快挙であります。

細矢氏は、1972年に市川高等学校を卒業(高校24回卒)、理科系大学院終了後、東芝に入社。東芝研究開発センターで電子写真などの基礎技術の開発に従事。その後、工学博士の学位を取得されました。研究の道一筋に歩まれ、現在は東芝研究開発センター技監の要職にあります。

受賞業績名称は『一成分非磁性現象による電子写真技術の開発』です。国内外で多数の特許を取得し、現在世界で生産される多くのレーザープリンタ、レーザーFAXにこの技術が使われており、技術立国日本の産業の発展に大きく寄与貢献されています。

ちなみに当時の担任や授業を担当された先生も、学園で健在です。この様な教師と生徒の長い関係こそ私学の特色でありましょう。生徒にとっては、出身学校に報告し、恩師から激励されることほどうれしいことはありません。
大小によらず、分野によらず卒業生、特に自分が手塩にかけた生徒の動向には目配りをしたいし、また悩む卒業生にとっては、恩師の一言のアドバイスほど貴重なものはありません。
学園は常に心のふるさとであります。生徒の喜怒哀楽を本当にともにできるのは、家族、真の友人そして恩師でありましょう。

最後に70周年記念行事のことに少しふれたいと思います。

第一に、11/17の記念式典と“卒業生ホームカミング日”を中心に、70周年記念芸術鑑賞会、70周年記念土曜講座スペシャルなど多数の行事があります。

第二に、700席の国枝記念国際ホールが10月末に完成します。

第三に70周年事業として、募金事業である70周年記念の学園のシンボルの建立(第三教育を示すモニュメント)、学園フィルハーモニーの創設(オーケストラ)、古賀記念館をリフォーム拡大する「歴史センター/建学の精神センター」の整備のほか、学園70年史編纂などの事業があります。

70年の歴史のありがたさは、卒業生の活躍と新旧教職員による教育力の蓄積、保護者の支援、県市地域の支援、同業私学の協力と切磋琢磨、関係する会社の協力、多くの方々の支援によるものと改めて思い、感謝の念を深くする次第です。