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2008.05.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#33 クラブ活動の意義と節度ある運営について

理事長・校長 古賀正一

新入生の学園生活は、結構忙しく且つ密度も濃い。元気はつらつとした顔を見るとほっとする。新入生の4月行事をざっと並べてみると次のとおりである。

入学式、3日間のオリエンテーション、遠足(中学生)、学力調査、クラブ活動(部活動)紹介、学年保護者懇談会、学級委員任命式、土曜ゼミ開始、敬和寮クラス入寮開始(高校生)など。

4月19日には、56のクラブ活動(文化部、体育部、同好会、愛好会)の紹介が、生徒会の主催で行われた。各クラブ生徒による趣向を凝らした紹介を2分間で行い、新入生の勧誘を行った。

1.市川学園におけるクラブ活動の意義~クラブ活動は何故大切か?

1)クラブ活動を通じて自分の力、得意、持ち味を発見し、チャレンジできること
更に体育部、文化部ともに、他校との対抗、インターハイなどの大会等で切磋琢磨できる。夢や目標に挑戦し、すばらしい実績をあげることも可能。

2)学校は学問をするところを基本に、豊かな人間関係を構築できる
集団生活やチーム活動をとおして多くの友、先輩、顧問の先生を知る。人間関係は一生の宝。よき協力関係やチームワーク、リーダーシップを学べる。

3)クラブ活動は、楽しい学園生活、元気な学園の大切な要素のひとつである
自分が進歩し成長するエネルギーとなる。学校の生活を、実り多く、楽しく豊かなものにしてくれる。また学校全体も活性化する。

4)人間教育の大切な場であり、自分を鍛える場
挨拶、礼儀、後片付けきちんと、ルールと約束を守る、助け合う、マナーの遵守、高い目標に挑戦できるなど人間の大切な基本がすべてある。また厳しく苦しい練習と鍛錬を通し、自分を鍛えることが可。

5)最後に学業との両立は当然である
学業がそこそこではだめ。両立はかならずできるし、そのためには人並み以上の努力しなければならない。時間の有効な使い方、時間の大切さも覚える。
但し、どうしても両立できない場合は、学業優先である。市川学園は、スポーツセンターでもなければ、音楽サークルでもない。学業を十分やり、クラブ活動もし、目標の進路に立派に合格した先輩はきわめて多い。

2.市川学園クラブ活動の運営について

ガイドラインをもうけ、節度と良識あるクラブ活動を実施する。 顧問を含む全教職員にガイドラインを徹底している。その要旨は下記のとおりである。(16項目からなるが、一部のみ抜粋)

本校におけるクラブ活動は勉学との両立性と教育の一環としての人間形成という目的を大前提に下記を基本としている。

1)顧問の指導の下に行う
2)怪我・事故などおこらぬよう細心の注意を払う
3)下校時刻午後6時厳守(顧問指導の下、例外的に午後7時が最終)
4)1週間のうち1日以上は休養日とし、自宅学習ができる環境をつくる
5)クラブ保護者会の実施と保護者への説明を早い時期に行う
6)部室・活動場所の整理整頓、環境美化に努める

最後にクラブ活動についての考えを述べておきたい。
クラブ活動は、学業とともに人間形成の重要な要素であると考えている。しかしただ勝利のみを目的とするクラブ活動は、本学園ではまったく容認しない。昨今批判のあった行過ぎた特待生制度やクラブ活動を学業より重視したり、優秀選手であれば手段を選ばずとる態度、私学経営がクラブ活動にのみ依存するような学校とは本学はまった理念を異にしている。

わが国の中等教育のクラブ活動は、世界的に見ても極めて特色があり、他国に例を見ない制度である。教職員の負担も従って他国に比べ重い。この制度が長く続くためにも、節度ある学校経営、良識あるクラブ活動と生徒募集、学業を妨げぬ大会の運営などが行われるべきであると強く考える昨今である。