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2010.11.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#61 「ようこそ先輩!」~卒業生への想い

理事長・学園長
古 賀  正 一

 学校、特に私立学校においては、卒業生の活躍、同窓会の支援が非常に大きな力になっています。教育は本当の成果が見えるまでに時間がかかるものです。生徒の学内での学力やクラブでの活躍、進学実績などは、すぐに見える成果です。しかし本当の教育成果は、卒業生が社会にでてからそれぞれの場で立派に活躍し、他者、地域、職場、日本、世界のために役立つ仕事を通じて自分を磨き、卒業後20年、30年経って現れるものです。学校で学び得た基礎学力、友人と切磋琢磨によって得た人間力、自ら学び自立する第三教育力などにより、夢や目標に挑戦し、仕事の現場での悩みや格闘を通じ達成されるものです。卒業生の活躍は、歳月を経た伝統校の資産であり、その意味で卒業生は、学校の看板でもあります。

さて当学園は創立73年、卒業生3万4,000名をこえ、いまや各界で活躍しています。新制高校になり62回の卒業生をおくりだしました。昨年はじめて61回生として共学1期生(含む女子生徒)が卒業、今年は共学2期生としてそれぞれの進路に羽ばたいて行きました。同窓会に初々しい女子卒業生が参加することになり、長らく男子校で学んだ卒業生にとっては非常に新鮮です。

学園の同窓会は、東京、市川、松戸、船橋、千葉、習志野、八千代、市原などの地域支部、デンタルフォーラム(歯医者さんの部会)など職業、職域の同窓会、更に硬式野球、陸上、バスケットボールなど部活の同窓会、各卒年毎の同期会など多彩です。また同窓会本部は、会長、副会長、常任理事、幹事など各卒業年度から選ばれ、意思決定機関として、幹事会があります。また企画委員会、広報委員会、活性化委員会など作業委員会もあります。勿論会報誌『なずな』と同窓会HPは、卒業生をつなぐ情報ネットワークです。

特に2年前からはじめた同窓会と学校共催のホームカミングデイ(HCD)は、同期の横の交流と先輩後輩の縦の交流の活性化、学園の近況をよく知ってもらうことなど、いままでにない企画で、今年で3回目を迎えます。特徴は、卒業50年目、40年目,30年目,20年目,10年目と10年区切りの卒業回期生が幹事となり、その全員と家族を招き、交流いただいていることです。

今年は高校12回、22回、32回、42回、52回が当番幹事で準備をし、その回期を中心に参加するとともに、他の回期及び家族の皆さんにも自由に参加してもらいます。

今年11月14日(日)の予定は下記の通りです。

12:30-13:30 各回期ごとの教室でのホームルーム

13:30-16:00  国枝記念国際ホールで大会

1.ご挨拶と学園近況紹介

2.公演;オペラ歌手 崔 岩光(サイ・イエングアン)さん

3.在校生によるクラブ活動紹介

~応援部チアダンスの演技、吹奏楽部演奏、合唱部合唱など

(終了後には各回期で懇親会を行うものも多い)

同窓会行事の成功は、卒業生が参加して本当によかったと思われることであり、在校生たちも一生懸命演技し演奏をいたします。教職員も在校生も、「同窓生ようこそ、先輩ようこそ」のホスピタリティの気持ちが大切だと思ってます。

今年卒業した生徒たちが、成人式行事を学校でやりたいという計画があり、学校としても支援しています。これも若い卒業生の同窓会活動のきっかけになると思っています。また浪人した生徒のため、夏には当時の担任の先生方が、カレーライスをつくってもてなし、激励する会もあります。

逆に卒業生が、後輩に受験勉強の体験を話したり、卒業生の専門分野の識者には、毎年土曜講座の講師を勤めていただいています。また毎年卒業式の前に、クラブや生徒会で活躍した生徒を、同窓会の会長・副会長から表彰していただいています。

さて教職員にとって一番うれしいことは、卒業生が大学在学中の状況、大学卒業後の就職や研究の報告、社会で活動した実績などを手紙やメールで知らせてくれることでしょう。逆に卒業生が先生から激励の手紙をいただくのは、誰にほめられるよりうれしいものです。

最後に卒業生の方々が、自分の得意なそれぞれの分野で、社会に役立ち、『随所に主となる』ことを祈念しています。それこそが、なずなの精神であり、第三教育の真髄であります。