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2006.07.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#7 ITによる教育のイノベーション(革新)

理事長・校長 古賀正一

IT、インターネットの時代である。

進歩革新は激しい。人類の発明した新しい道具を如何に有益に使いこなすかは、21世紀の大きな課題である。すでにインターネット上には、グローバルに知の宝庫が構築されつつあり、グーグル(google)などが流れを加速している。

居ながらにして、目的とする情報が検索できる。勿論リアルの世界の重要性は云うまでもない。リアルとネット(バーチャル)の2つの世界を享受できる時代である。新しい道具には負の面もあり、利用のマナー、限界、種々の規制が必要なことはいうまでもない。

さて市川学園は、2003年4月新校舎建設のおり、基本方針として、学校経営、教職員の情報支援、教育の進歩のためにIT(情報技術)を有効に使うこととした。

IT利用のトップランナーになることを中期計画でも宣言し、最先端の設備を導入した。
ここで本校のIT設備とその活用の特徴をいくつか記しておきたい。

1. 校舎内に高速の通信網(高速LANと無線LAN)をはり、且つ外部とは光の高速ネットで接続。基幹業務(学園経営、生徒情報、教育と管理業務、入試業務など)はサーバー/クライアントシステムとして充実させてきた。

2. 各教室および多目的教室にプロジェクタ、PC、DVD/VTRを配置し、いつでも授業でITを活用できる環境を整えた。移動用PC、プロジェクタも用意した。コンピュータ教室は英語のLL室(CALL室)含め3室、130台のPCを備えた。

3. 全教職員(含む講師、嘱託職員)にブック型パソコンを支給し、情報連絡、情報共有を活発化した。全員が有効に使えるよう教職員のIT教育も推進した。教職員の情報共有ウェブとして、e-schoolを充実させてきた。

4. 保護者との情報共有ウェブとしての『なずなネット』を推進した。学園からの情報発信を活発にし、日常の学園との情報交換に利用いただいている。ホームページも改善し、更新頻度を上げている。

5. 図書館である第三教育センタでは、10万冊の図書の管理をICチップタグで行い、貸出返却、在庫管理が行われている。朝7時からオープンし、24台のPCを利用し、生徒がインターネット、TV、DVDを自由に活用できる。

6. 補習や自習を中心に、e-learningをスタートさせた。生徒が放課後、英語教育のPC室(CALL室)で自由に活用できる。当面のコンテンツは、外部で作った教科用と受験用である。さらには、市川学園自前のコンテンツを作成できるよう、撮影/編集設備を充実させ、コンテンツ作成について研究を開始した。

昨年末、大前研一氏が当校を訪問した。大前氏は、マッキンゼー日本支社の社長をつとめた超一流の経営コンサルタントであり、発想の豊かさには敬服している。現在ビジネス・ブレークスルー社 社長として教育に情熱を傾け、ネットによる経営専門職大学院を昨年4月開校し、高い評価を得ている。

優秀な実務家教授をあつめ、全ての講義が、ネット上に、パワーポイントと画像で蓄積され、学生はいつでも、どこからでも講義に参画できる仕組みになっている。ネット上のクラスでの討議がきわめて活発であることが特徴である。企業の経営者、中堅管理者、税理士、弁護士など優秀な向学心のある学生が入学している。CS放送でも実績があり、4000時間にわたる授業コンテンツを保有している。e-learningは、大学院だからできるのではなく、高校・中学の遠隔通信教育、校内補習、自宅研修などでも可能であり、非常に刺激を受けた。

当学園のIT活用は、他校に較べれば非常に進んでいると思う。教育界も大いにITの力を使い、教育の革新(イノベーション)をすべきである。

当然教育の中心は、生身の優秀な教師の授業、人間性、生徒とのふれあいによるものであり、特に初等・中等教育では教師の影響力が強い。

ITが如何に発達しようとも、当学園の教育理念/方針は微動だにしない。但し技術革新の時代、教育だけがその恩恵から取り残される必要はない。

繰り返すがITは道具である。しかし教育界もITのような革新的道具を活用しなければ、世界の教育に遅れをとることになる。