今年度の対話

今年度の対話

第1回 古典との対話へ

~ Why don’t we have a dialogue? ~対話を終えて ~感想集より~

第1セッション  オルテガ『大衆の反逆』

Aグループ

・実際に発言をしてみて、対話をして深めていくことの楽しさに気づくことができた。現在の我々の生きている場に置きかえて考えるということがわかりやすいながらも、非常に有効な手段であることを知れた。
・大衆と少数者などの定義をみることで、オルテガの思想が少しずつ見えてきて、とても興味深かった。
・自らが読んで、持っていた意見がみんなの対話を聞くことでより深いものになりました。

Bグループ

  • ・大衆ではなく、少数者に「なること」ができる現代の仕組みをいかして、いろいろなことを考えていきたい。
    ・「大衆」と「群衆」の違いについての議論がとても面白く、多くの側面を発見できた。後半の対話では、現状の情勢に関連させた発言も多く、90年前の名著から、今を生きる私たちへの警鐘のようにも感じ、もっと掘り下げて考えてみたいと思った。
    ・「群衆」と「大衆」といった言葉が指すニュアンスの違いや、少数者と大衆の関係性などが事前に読んで考えたことよりも断然深まったので、他の人の意見が多く聞けてとても良かったと思う。

第2セッション  アリストテレス『形而上学』

Aグループ

・「学問」などの定義に他の人との認識の違いがあった気がするので、1つの考え方だけではなく、単語一つ一つの定義を考えることで、多方面から考えられるようにしたい。
・色々な人の疑問点などを聞いて、自分とは違う視点に驚かされた。「知る」ということに関しての段階がとても面白く、色々なことに気づかされることが多かった。
・インターベンションが続いて、本当は私も入りたかったが、皆の迫力に負けてしまい、発言ができなかったことが悔やまれる。

Bグループ

  • ・感覚が記憶に、記憶が経験へと昇華し、その共通項となる知識が知恵という推理力によって技術経と至り学問化する。知恵による学びを[認識]と呼ばれ、制作的[生産的]な知よりも観照的[理論的]な知の方が多くの知恵を持つので、より重要とされていたが、現代においては、生産性が重視されており、例を挙げると学校教育すなわち受験教育なるものである。
    ・現代の「暇」と古代エジプトにおける「暇」の議論が興味深く、それに伴う「数学」の意義など、とても新鮮な対話だった。
    ・僕が事前に読んでいる中では、暇というところに取っかかりを覚えなかったのですが、話を聞いて、今自分が学校という施設に通っているのは娯楽なのかと考えると、あまりそうとはいえないと考えてしまい、自分も「大衆」だなと恥を感じましたが、それならば、自分の暇はこのアカデメイアという講座で、新たな知を積極的に創造し、認識(エピステーマイ)を見出すことかなと考えました。

第2回 近代哲学の展開

対話を終えて ~感想集より~

第1セッション  デカルト『方法序説』

Aグループ

・デカルトの考える4つの法則という、まとめれば「懐疑」「分析」「解析からの結合」「吟味」は、現代における科学の根底であり、この思想の基盤となっていることが理解できた。
・今まで私は、精神と聞くと抽象的でつかみにくいものだと思っていたが、デカルトの『方法序説』を読んで、精神や神の実体をも論理的、幾何学的や比例になぞらえて論じていておもしろかった。
・デカルトの幾何学的な考え方があるからこその問題の捉え方。解決するときの四つの法則は現代に通ずることや身近な出来事にも使えるものであるので、近代哲学の父と呼ばれていることに納得した。

Bグループ

  • ・デカルトは具体を1つの原則に帰納させた結果、4つの法則をうみだしたのであると感じた。デカルトの考え方は非常に数学的で、数学の理論的な考えで哲学の世界の説明が上手く結びついているように感じた。
    ・「真理探究の手順」でデカルトが断言した演繹的な思考法は現在でも文章で取り上げられるような近代科学の盲点に関連することができ、デカルトが「近代科学の父」と証される意味を改めて実感した。

第2セッション  ルソー『人間不平等起源論』

Aグループ

・ルソーに言わせると「隷属の鎖」にがんじがらめになっている自分は、これからどう生きていけばいいのか。時間をかけて考えたいテーマだなと思いました。
・自然な状態という「~のない」ものから「~がある」ことになることで、差異が生まれ、不平等になった。その人々は、差異をなくすために規律を作り、元の状態に戻ったように見せようとしたのだと考えられる。
・ある要因がまた別の要因を引き起こすことで不平等が拡大していくというプロセスは、興味深いと思った。

Bグループ

  • ・解釈の難しい言葉を全員で考える時間が多かったので、文章全体を捉える対話もできたらいいと思った。「才能は偶然なのか」という問いに対して文章に出てくる考えから拾って答えを皆さんが考えていたのは、文章への理解が深まり、良かった。
    ・野生人を登場させることで、どのように不平等がうまれたかが分かって面白かった。一度手にしてしまった富や利便性を手放すことは難しく、この社会は続いていくのだと思った。その中で、偶然的な才能によって産まれた不平等が再生産されていくのは少し辛いことだとも思った。
    ・「人間の不平等の源泉とはどのようなものか」の募集ってけっこう鬼畜だなって思ったのと、野生人はルソーの頭の中での実験ではありますが、彼の現在の情勢つまり、フランス革命直前くらいのフランスをある程度批判していて、挑戦的なものだから過激と見なされたのも納得しました。