高校生ビジネスプラングランプリ

高校生ビジネスプラングランプリ

高校生ビジネスプラングランプリ

活動概要

高校生ビジネスプラン・グランプリは、日本政策金融公庫の開催する、将来を担う若者の創業マインド向上を目的に、全国の高校生および高専生(1~3年生)を対象とし、ビジネスプランを競う全国規模の大会です。日本の未来や地域の未来を切り拓くようなビジネスプランを全国から集め、ファイナリスト(10組)が最終審査会にてプレゼンテーションを実施し、グランプリを決定します。平成31年度(第7回)は応募総数3808件、参加校数409校、10739人もの生徒が参加しました。これからの時代に求められる『主体的・対話的で深い学び』の実現に役立つ施策として全国の高等学校・高等専門学校から注目を集めています。

活動の感想

早稲田大学 教育学部 湯浅 桜(2021年度卒業生)

  • 私たちのチームは企業が開催したセミナーに参加して、自律神経の状態をカメラで簡単に測定できる最新技術を知り、それを活用した高齢者向けストレスケアシステムを提供するビジネスプランを考えました。私たちのプランは審査を通過し、最終審査会でプレゼンテーションを行うファイナリスト10組に選ばれ、優秀賞を頂きました。

    私は高校1年生の1年間をこの大会に捧げたことで、自分の言いたいことを人に伝えることの難しさを知ることができたと思います。私たちはファイナリストに残ることができたため、プレゼンテーションをどのように作り上げていくかに力を入れました。私たちが伝えたいことを聞き手にとって分かりやすく説明するためには、私たちがしっかりとその内容を理解することが一番大事だと知りました。物事の背景知識が多くあればあるほど、一つのことについても関連性を持って論理的に話すことができると思います。
  • 私は大学で日本史をより深く学びたいと思っていますが、日本史だけではなく世界史、地理、政治経済など他の教科も学ぶことを通して理解できることも多くあると思います。高校生ビジネスプラン・グランプリは様々な観点から一つのことを極めていくために、社会に対する視野を広げるとても良い経験になりました。これからもこのようなことに対して、積極的にチャレンジしていきたいです。

慶應義塾大学 経済学部 余田 大輝(2018年度卒業生)

  • 高校生ビジネスプラン・グランプリは、私の高校生活を大きく変えてくれた課外活動でした。私たちのチームは「棚田愛」をテーマに掲げ、棚田で使用可能な稲刈り機「弥生」の開発と、棚田米のブランディング戦略を合わせた事業案を考えました。その結果、最終審査会で評価していただき、グランプリをいただくことができました。この経験の影響は進路選択やその後の大学生活にまで及んでいます。
「棚田愛」という言葉を掲げていますが、最初から棚田に関心があったかというと、もちろんそんなことはありません。ビジネスグランプリに参加した理由は、部活を辞めた罪悪感と賞金の20万円であり、棚田を題材に選んだ理由はネットニュースで見かけたからであったと記憶しています。では「棚田愛」は嘘であったかというと、そうとも言い切れません。ビジネスグランプリに参加しようと思った私は、「棚田には農業機械が入らない」ということを知り、友人たちと棚田用稲刈り機を考案してみました。せっかく考えたからには現場を訪れなければと思い、アイデアを持って千葉県鴨川市の大山千枚田を訪れました。その後もアイデアを試行錯誤しながら、棚田農家の方をはじめとした様々な方にお話を伺いに行くようになりました。そうしているうちに、勢いで言っていた「棚田愛」という言葉になんとなく実感がこもってきたように感じています。
活動自体は高校2年の冬で終わりましたが、活動で得られた関心や関係は大学4年生になった現在もカタチを変えながら続いています。「なぜ作業が大変な棚田で米づくりを続けるのか?」というのが棚田を巡る中で感じていた疑問でした。振り返ると、それは異なる文化に触れたことを初めて自覚した経験だったように思います。そして、その疑問は「なぜ原発被災地域の農村に帰って来るのか?」という大学生活での関心に続いていきました。葛尾村(カツラオ)という原発被災地域で大学生活の半分近くを過ごすようになったのも、ビジネスグランプリの経験があってのことだと思います。また、そのような関心について議論する友人たちの多くも、ビジネスグランプリをきっかけにして出会いました。このように、私の高校生活・大学生活は高校生ビジネスプラン・グランプリから図らずも大きな影響を受けています。
  • これから課外活動に参加する皆さんは、「あなたのやりたいことは何?」と問われ続けることになると思います。私から伝えられることがあるとするならば、そのような質問ははぐらかしても構わないということです。私自身はそのように問われ続ける中で、「自分は本当に棚田が好きなのだろうか?」と悩んできました。しかし、特に高校生の活動において重要なことは、その根拠が本心であることではなく、その中で知らない何かに出会えることだと、大学4年生になった今なら思います。本心あるいは「やりたいこと」というのは、知らない何かに出会う中でぼんやりと作られてくるものだと考えています。そういう意味では、どのような題材でも事業案に込められ、周囲の人たちも応援してくれる高校生ビジネスプラン・グランプリはとても貴重な機会です。ぜひビジネスグランプリに参加して、自分の知らない何かに出会う中で、自分自身の関心を形作ってみてください。